「12・20勝利判決もぎとろう」 農地死守の気迫で地裁を包囲

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週刊『前進』04頁(2993号01面02)(2018/11/26)


「12・20勝利判決もぎとろう」
 農地死守の気迫で地裁を包囲

(写真 反対同盟を先頭に「千葉地裁は強制執行を認めるな」とシュプレヒコールを響かせ繁華街を行進【11月19日 千葉市】)

 11月19日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で耕作権裁判が開かれた。開廷に先立ち、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の労働者・農民・学生・市民110人は千葉地裁包囲闘争に立ち上がった。
 午前9時、千葉市中央公園で、太郎良陽一・決戦本部長の司会で決起集会が開かれた。最初に東峰の萩原富夫さんが反対同盟の決意を表した。「今日は全国から寄せられた〝農地強奪執行を許さない〟要望書1千筆を千葉地裁に提出する。1971年強制代執行の時と同じことをやろうというのか。絶対に許さない!」
 これに応えて動労千葉の田中康宏委員長が発言に立った。「安倍政権はクーデターのように改憲を押し通そうとしている。渦巻く怒りを、三里塚を先頭としたわれわれが結集する時だ。不屈の三里塚を守り、労働運動を取り戻そう」
 さらに関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会の連帯発言を受け、反対同盟を先頭にデモに出発。「農地死守」の気迫をみなぎらせて千葉地裁まで行進し、庁舎を人間の鎖で包囲してシュプレヒコールをたたきつけた。続いて計1026通の要望書の合冊を携えた反対同盟が熱い拍手に送られて庁舎内に入り、4階の民事第5部書記官室で職員に要望書を受け取らせた。
 10時30分、60以上の傍聴席を満席にして耕作権裁判が開廷。直ちに反対同盟顧問弁護団は、裁判所の異様な警備態勢に猛然と抗議した。金属探知機を使った手荷物検査、職員を大量に動員した周囲への威圧、さらには公安警察を公然と一室に待機させて入庁者全員を監視させている。このような状況でどうして公正な裁判を期待できるのか! 内田裁判長は抗議の迫力に押されて「ご意見が出されたことを所長に伝える」と約束せざるを得なかった。
 耕作権裁判は、市東孝雄さんが耕す南台農地の一部について、NAA(成田空港会社)が「不法耕作をしている」として市東さんに明け渡しを求めている裁判で、すでに12年も続いている。この裁判の中で明らかになったのは、NAAによる証拠偽造などの違法の数々と、それらをごまかすための卑劣な文書隠しだ。
 この日までにNAAは、裁判所から任意開示を勧告されていた証拠「乙84〜86」の墨塗り部分について、ごく一部を開示したものの、「今後の土地の取得に関する地権者との交渉に影響を及ぼす」との理由で大半の開示を拒否する姿勢を明らかにした。30年も前の用地買収交渉関連文書が「今後に影響を及ぼす」とは、まったく信用できない言い草だ。
 弁護団は、天神峰農地の旧地主と空港公団(現NAA)との間で交わされた「覚書」を提出させることを求めて、新たな文書提出命令申し立てを行った。さらに弁護団の主張・立証のプランを提出した。
 次回期日を来年2月18日と確認して閉廷した。
 近くの会場で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。市東さんは「12月20日判決に向け、勝ち抜くという気持ちで闘っていく」と鮮明に決意表明。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団全員が発言し、NAAが隠し持つ一切の記録文書を白日のもとに出させるまで闘うことを約束した。沖縄・辺野古新基地建設工事に対し抗議船の船長として闘っている横山知枝さんが連帯のあいさつを行った。
 最後に萩原さんが、「市東さんが天神峰で農業を続けていくという意思は変わりない。この1カ月、裁判所を追いつめる闘いに全力で立とう」と訴えてこの日を闘いを締めくくった。
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