無実の星野文昭さん解放を 11・25高松集会―パレードへ

週刊『前進』02頁(2992号01面01)(2018/11/22)


無実の星野文昭さん解放を
 11・25高松集会―パレードへ

(写真 6月3日に高松市で行われた星野文昭さんの解放をめざすパレード。全国集会後、家族を先頭に1000人が黄色いリボンと風船をもってパレード)

(写真 星野さんの仮釈放を求める新たな1362人の要望書をもって、四国地方更生保護委員会への11回目の要請行動に向かう星野暁子さん【後列左から3人目】ら家族、弁護団、支援者。後列中央は角田義一・元参院副議長【11月14日 香川県高松市】)


 獄中44年、無実の星野文昭さん(徳島刑務所在監)を今こそ取り戻そう。星野さん解放へ正念場を迎えています。11月14日、香川県高松市の四国地方更生保護委員会に対する11回目の申し入れ行動が行われ、家族・弁護団を先頭に「星野さんを直ちに解放しろ」と強く申し入れました。この地平を引き継ぎ、高松市で開かれる星野文昭さん絶対解放11・25全国集会・パレード(要項別掲)に大結集し、労働者民衆の力で絶対に取り戻そう。

44年投獄は残虐な刑罰
角田義一・元参院副議長が弾劾

 14日の申し入れ行動には妻・星野暁子さんといとこの誉夫さん、再審弁護団、角田義一弁護士(元参議院副議長)ら12人が参加しました。そして、①星野さんの健康状態を調査し仮釈放審理の中心にすえろ、②不当極まる懲罰を仮釈放拒否の理由にするな、③委員は家族と直接話をしろ、④請願を拒否するな----と詰め寄りました。対応した磯久隆夫調整指導官は「伝えます」と回答せざるを得ず、力関係を転換させる闘いをうちぬきました。
 最初に、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の共同代表の狩野満男さんが、1362人分の「要望書」を提出しました(累計14235人)。今回は韓国・民主労総や大邱の「民衆行動」から届いたもの、高崎経済大学の同窓生有志の会で集められたものが多数あります。また、アメリカの救援活動家キャロル・セリグマンさん、ブラジルのコンルータスからの要望書も提出されました。
 前日に星野文昭さんと面会した暁子さんが「文昭は苛酷(かこく)な労働と夏の酷暑で体調を崩し4㌔痩せました。涼しくなって2㌔回復しましたが、まだ食欲がありません。他に持病もあり、安心して検査を受け治療に専念するためには、獄外での自由な生活がどうしても必要です」と訴えました。いとこの誉夫さんも「1日も早く仮釈放された文昭と自由な会話を楽しみ、残された人生を過ごしたい」と請願しました。
 続けて、佐渡の牧師の方が涙ながらに訴えました。「10月の請願を拒否され手紙にしてくれと言われたが、本日直接お会いできたことをうれしく思う。佐渡には亡くなった機動隊員のご遺族がいます。星野さんが仮釈放され、社会的に仲間であるご遺族に真実を伝えられたらと思う。人間の尊厳を! 星野さんの解放を!」
 さらに、新潟救援会の要望書を持参した牧師の方は「キリスト者として見過ごせない命と人権の問題です」と真剣に話し、高知の方は札幌で署名活動していた星野さんの母美智江さんとの出会いを語りました。
 鈴木達夫弁護士が、「請願権は憲法上の権利。請願を受けないと言うのなら国家賠償請求をせざるを得ない」と追及すると、磯久氏は「請願を認めます」と回答しました。
 大阪の太田真美弁護士が「星野さんへの懲罰はいじめ。仮釈放審理で不利に働かせないように」と申し入れ、全国水平同盟の佃久子さんが「石川一雄さんも星野さんも権力犯罪」と、星野さんへの募る思いを語りました。岩井信弁護士が星野さんへの懲罰の実態を明らかにし「懲罰の回数だけ一人歩きし、仮釈放を認めない理由にしないよう、きちんと調査してほしい」と言い、「星野さんの帰住先は極めてしっかりしており、仮釈放にしない理由は全くない」と訴えました。
 角田義一弁護士が更生保護委をすごい迫力で弾劾しました。「関係書類を全部読んだ。44年の投獄は『残虐な刑罰』であり、憲法上許されない。懲罰は拷問だ。星野君の健康問題をしっかり調査し、仮釈放審理で中心的にすえろ。生命の問題ではないか。なぜ委員が出て来ないのだ。私がどなっていたと委員に伝えろ」と言うと、磯久氏は姿勢を正して「伝えます」と答えました。
 鈴木弁護士が「星野さんの健康が悪化したら誰が責任をとるのか。知らなかったではすまされない。私たちも命がけで解放を要求している」と迫りました。
 最後に香川の救援会が「11月25日に高松市で今年2回目の全国集会を行い、新聞広告も出します」と突きつけました。

星野さん取り戻し改憲阻もう

 「この闘いをやり抜けば絶対に星野文昭さんを取り戻せる」----これは、11月14日に行われた四国地方更生保護委員会への第11回申し入れ行動に参加した全員の実感だ。10月、11月と続く申し入れで、確実に情勢は変わった。この上に、11・25全国集会の歴史的成功をかちとり、第2次意見広告を成功させよう。
 無実の星野文昭さんに対する44年間の投獄は人権圧殺であり、憲法が禁じる「残虐な刑罰」そのものだ。彼は人間としての自由をいっさい奪われ、面会室はアクリル板で仕切られて結婚32年になるのに愛する暁子さんの手を握ることもできない。こんな国は、いまや日本くらいだ。
 徳島刑務所がくり返し星野さんに加えてきた懲罰とは何だ。彼が再審請求を行った4カ月後、徳島刑務所は、ゴキブリを踏んだ足を洗ったとして20日間もの懲罰をかけた。懲罰とは、寝る時とトイレを除いて、1日中正座を強制される。明らかな拷問ではないか。
 今年5月には、新規事業のカバン作りに真剣に取り組んだ結果、疲労困憊(こんぱい)して告知を読む気力さえ奪われた星野さんが夕食後に祝日用菓子を食べたという、たったそれだけのことを口実に報奨金500円返納の懲罰をかけてきた。そして、2類から3類に優遇区分を降格した。更生保護委員会による仮釈放審理の進行を意識した、本当に許しがたい攻撃である。
 安倍政権は改憲・戦争攻撃の一環として、治安弾圧を激化させている。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部に共謀罪型の弾圧をかけ、全学連には大学でのビラまきに対する不当な弾圧をかけている。星野さん解放の闘いは、治安弾圧を打ち破り、改憲阻止・安倍打倒の闘いの先頭に立つものだ。
 星野さんはいかなる弾圧にも屈せず、獄中から「すべての人間が人間らしく生きられる社会」の実現を呼びかけている。その星野さんが44年も投獄されていることを絶対に許さない。これは、すべての労働者民衆の心からの叫びとなって全国に広がっている。
 この叫びを広範な労働者民衆に示すのが意見広告である。星野再審連絡会議は、11月25日の朝日新聞東京本社版に1面全部を使った意見広告を掲載する。これによって青森県から静岡県、長野県までの東日本350万部の購読者に星野さん解放を訴える。その威力は絶大であり、星野さん解放の決定的な力となる。この成功のために全国からカンパを集中しよう。
 星野さんを絶対に取り戻す決意を、高松での11・25全国集会の熱気と大結集で示そう。青年、学生を先頭に高松市内を星野さん解放の一色で染め上げよう。
 集会には、元衆議院議員の小森龍邦さんが参加して更生保護委員会との闘いをアピールする。京都大学、東京大学で初めて絵画展を開く全学連も闘いを報告する。
 集会参加者の思いは一つだ。今こそ星野さん解放の扉を開こう。

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星野文昭さん 1946年、札幌市に生まれる。高崎経済大学在学中の1971年11月、東京・渋谷で沖縄返還協定批准阻止闘争をリーダーとして闘う。その後、機動隊員の死亡に関連し「殺人罪」のでっち上げで不当逮捕・起訴され、無期懲役判決。現在、徳島刑務所で無実を訴え、再審を請求して闘っている。

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