安田純平さん解放 「自己責任」論に反論が噴出
週刊『前進』04頁(2987号04面04)(2018/11/05)
安田純平さん解放
「自己責任」論に反論が噴出
2015年にシリアで拘束されたジャーナリストの安田純平さんが3年4カ月ぶりに解放され、10月25日に帰国した。安倍政権は安田さんの解放への実際上の手立てを何一つとらなかった。「国民の命を守る」などと言いながら、戦争の現実を伝えるような〝政府にとって都合の悪い人間〟は平然と見殺しにしたのだ。
他方で、04年にイラクで日本人が拘束された際に当時の小泉政権があおり立てた「自己責任」論が、今回も一部で再燃した。だが14年前と明らかに違うのは、「自己責任」論に猛然と反論する声が圧倒的に増えたことだ。労働者が過労死させられ、子どもが貧困に苦しみ、高齢者や病気を抱えた人の医療・介護もままならない現実がすべて「自己責任」で片付けられ、権力者や資本家は何一つ責任を問われない。この現実にもう我慢がならないという怒りの声がSNSなどにもあふれている。
今回、大リーグで活躍するダルビッシュ有投手がルワンダの虐殺事件を例に上げ、誰かが戦争の現実を伝えないと悲劇が繰り返されるとツイートして、「自己責任」を振りかざした安田さんへのバッシングに真正面から反論して話題を呼んだ。これにも多くの共感が寄せられている。
戦争と新自由主義に立ち向かう階級的労働運動の力強い登場が今や時代に希求されている。
(東京 N)