改憲国民投票法改悪許すな 安倍のマスコミ支配は崩壊へ
週刊『前進』04頁(2987号02面02)(2018/11/05)
改憲国民投票法改悪許すな
安倍のマスコミ支配は崩壊へ
安倍政権は改憲発議への突破口として、国民投票の「環境向上」のため「国民投票法改正案」を今国会で成立させようとしている。怒りを結集して国民投票法改悪を阻止し、安倍の改憲の野望を打ち砕こう!
国民投票法は改憲の具体的手続きを定める法として、第1次安倍政権が07年に反対の声を押し切って成立させたもので、「国会が改憲を発議してから60日以降180日以内に投票を実施、公務員と教員はその地位を利用した運動を禁止、投票できるのは18歳以上の国民」などとした。
今回の改悪は、国民投票を一般選挙なみに「行きやすく」するために、駅や商業施設に「共通投票所」を設置する、期日前投票の投票時間を自治体の判断で弾力的に運用するなどの内容になっている。
また同法に広告費を規制する規定がないことで、発議となれば、自民党と改憲勢力が潤沢な資金力と大手広告企業などをフルに使ってテレビCMを無制限に流すことが危惧されている。各家庭のテレビで、「憲法改正に一票投じよう」とのCMが安倍の顔を大写しにして昼夜を問わず繰り返されるということだ。こんなことを許せるか!
ネット右翼動員し批判を暴力的封殺
安倍政権はマスコミ(テレビ局、新聞社、出版業界、インターネットなど)を支配するために異様なまでの力を注いできた。それは労働者民衆の声を暴力的に圧殺し世論を変質させ、最終的に改憲を押し通すその日のために行われてきた。これはナチスに匹敵するおぞましい言論操作だ。自民党本部では、テレビの在京キー局すべてを24時間チェックし、ニュース、報道番組、ドキュメンタリーなど全番組への監視態勢を敷いている。政権への「批判」「異論」を発見するやいなや、「一方的見解だ」「政府側の主張も公平に取り上げろ」と局に対して番組や担当者を名指しで猛然と批判・抗議を突きつけ、屈服を強要する。
そうした時に安倍の別動隊として働くのがいわゆる「ネット右翼」どもだ。彼らはインターネットのSNSや動画サイトなどを利用して政府を翼賛し、その政策や歴史認識(戦争犯罪、軍隊慰安婦問題など)に批判的な者に対し「反日」「売国奴」などと暴言を連続的に書き込み、個人情報をさらしデマを流す。あるいは電話抗議を集中し、ヘイトデモを仕かける。
そうしたネット右翼の主要なメンバーは、自民党が組織するJ―NSC(自民党ネットサポーターズクラブ、会員数1万7千人)という「ボランティア団体」に所属している。彼らは直接に自民党ネットメディア局の指導や示唆を受け、新聞社、出版社、テレビ局、番組スポンサー、野党議員や候補者、芸能人、弁護士、市民活動家などを見境なく攻撃してきた。こうした人間疎外の極致のやからを安倍自身が大いに頼り、起用してきたのである。権力の圧力とネット右翼の執拗(しつよう)で陰湿な攻撃は、マスコミを萎縮させてきた。これはネットを利用した暴力と排外主義とデマ宣伝の「大衆運動」という意味で、ファシズムと同質のものだ。
デマと言論操作が沖縄知事選で破綻
だがこうした暴力的威迫によるマスコミ支配と言論操作は、今や限界に突き当たった。それを鮮烈に表したのが沖縄知事選での佐喜真惨敗だった。自公は金と人員を総力投入して佐喜真にテコ入れし、裏ではネット右翼を動員して玉城候補を誹謗(ひぼう)中傷し、「玉城知事になると中国に侵略される」という宣伝を繰り返した。だがその底の浅さを県民に見抜かれた。安倍自民党の主張を空疎に無限回なぞり、権力にこびて社会的弱者の権利を否定し、差別・排外主義的主張を声高に叫ぶ一味への軽蔑と怒りは、急速に人民に拡大している。ネット右翼に支えられた安倍マスコミ支配の野望は、安倍政権と自民党議員自身のネット右翼的=極右ファシスト的変質を促進してきた。これが「美しい国日本」の正体であり、改憲勢力の実態だ。今こそ安倍政権を打倒しなければならない。