築地市場完全閉鎖を粉砕 仲卸が場内で連日営業続ける

週刊『前進』02頁(2984号02面02)(2018/10/25)


築地市場完全閉鎖を粉砕
 仲卸が場内で連日営業続ける

(写真 東京都が築地市場を封鎖する中、営業を行う予定の仲卸と買い物に来た人々が都当局に抗議。報道陣も多く集まった【10月18日 築地市場正門前】)

(写真 都による封鎖と妨害を突破して場内に入った仲卸2店舗が営業し、約150人が買い物をした【18日 築地市場内】)

営業権を奪うな

 小池百合子東京都知事は10月17日午後8時から築地市場を「完全閉鎖」した。すべての門を封鎖し、マスコミを使って立ち入り禁止を大キャンペーンし、仲卸の営業をつぶそうともくろんだ。だが18日、都のどんな違法な圧力と恫喝にも屈せず、物理的な妨害をものりこえ、仲卸の仲間と労働者人民は立ち上がった。総勢150人が封鎖を突破して入場し、仲卸2店舗が営業した。
 全国労働組合交流センターは午前8時から正門前で市場閉鎖弾劾の街頭宣伝に立った。10時半、報道陣が大注目する中、営業予定の仲卸と買い物に訪れた人々が正門前に詰めかけた。茶屋の仲間が「営業権に基づく業務の妨害をしないでください」と訴えた。都が強行に封鎖を続ける中、11時、青果門付近の工事現場通用門から約150人が場内に入り、都当局とガードマンの妨害をはねのけて進み、仲卸の仲間が営業を開始。買い物客の拍手が起こった。
 完売後、仲卸の仲間が「これからも営業を続ける」とあいさつし、皆で築地を守りぬこうと誓った。翌日以降も交代で複数の仲卸の仲間が営業を続けている。電気、水道の供給停止も粉砕している。

小池こそ犯罪者

 小池は「築地での営業は法令上問題がある」などと言うが、まったくうそだ。
 小池こそ犯罪者である。損失補償もせずに築地での営業権を奪い、毒物まみれの豊洲市場を開場した。建築基準法違反の耐震偽装や杭打ちの偽装も発覚し、地盤沈下による亀裂、液状化の危険もある。こんな市場では労働者の命も食の安全も守られない。さらに公的な中央卸売市場そのものの廃止と民営化も狙う。これらすべてが権力犯罪だ。
 豊洲移転と築地の閉鎖・解体は、労働者人民の生活と生命を奪いつくす攻撃である。生活と労働の場を奪い、排除する小池のやり方は、改憲・戦争に突き進む国家のもとで労働者人民の生命と生活が踏みにじられる現実そのものだ。この権力犯罪は築地だけではなく、沖縄・辺野古とも、闘う労働組合への弾圧ともつながっている。だが、ついに絶対反対ですべてを覆す闘いが始まった。

耐震偽装許すな

 仲卸の代表5人が原告となって闘われている豊洲違法建築物除却命令等義務付け訴訟の第2回裁判が、11月1日に東京地裁で開かれる。この裁判は、豊洲の水産仲卸売場棟の1階柱脚の鉄量が規定の56%しかなく、さらに耐震強度を計算する際の係数も不正に偽装されていることをめぐり、当該建物の使用禁止や除却などの是正措置を都に義務付ける行政訴訟である。市場の建物の耐震強度が偽装され、建築基準法令違反であることは仲卸や買い出し人の生命にかかわる。
 油圧機器メーカーKYBと子会社による免震・制振装置のデータ改ざんが明るみに出た。これについて小池は19日、都庁で「建築物の安全・安心に対する信頼を揺るがすもの」などと述べた。だが、それをはるかに超える耐震偽装を行った日建設計を擁護するという真逆の態度を裁判で取っている。
 裁判所は建物の使用禁止を求めた仮の申し立てを却下した。都は技術的な反論を一言もできなかった。建築基準法令違反の事実は否定できない。ところが、都知事は自ら所有する建築物への「命令」の権限はないというへ理屈を持ち出して居直ったのだ。断じて許してはならない。
 11・1裁判に結集しよう。11・4労働者集会の大成功をかちとり、都労連を先頭に安倍・小池を打倒し築地市場を守りぬこう。

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豊洲違法建築物除却命令等義務付け訴訟第2回裁判
 11月1日(木)午後3時開廷
 東京地裁419号法廷

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