１０・３１狭山闘争に決起を
　証拠ねつ造を暴いた下山第２鑑定
　石川一雄さんと共に再審実現へ

　１９７４年10月31日、東京高裁・寺尾正二裁判長は狭山事件の犯人にでっち上げられた石川一雄さんを無期懲役にした。寺尾判決から44カ年を糾弾し、石川さんの再審・無罪をかちとろう。10・26東京高裁要請行動と東京・大阪・広島で開催される狭山集会に結集し、国家権力への怒りを11・４日比谷野音を埋める力にしよう。

証拠万年筆は偽物

　10月11日の世界同時株暴落に世界中が震撼（しんかん）した。全世界を巻き込む米中貿易戦争は戦争の危機を加速させ、安倍政権を追い詰めている。沖縄では基地強制への怒りが県知事選で爆発し、安倍の改憲プランをズタズタにした。改憲・戦争阻止！大行進運動が全国で始まっている。韓国でのパククネ政権打倒に続いて安倍を倒す時だ。
　この情勢下で、殺人犯にでっち上げるという権力犯罪を55年にわたって弾劾し続けている石川一雄さんの再審闘争にとって、決定的な新証拠「下山第２鑑定」が８月30日、東京高裁に提出された。
　「下山第１鑑定」（16年８月提出）は、石川さん宅から発見され有罪証拠とされた「被害者の万年筆」が偽物であることを、インクの成分（色素）を分析して暴いた。
　下山第２鑑定は、蛍光Ｘ線分析装置でインクに含まれる元素を分析。そして、被害者が使っていたインクには金属元素のクロムが含まれていたが、有罪証拠の万年筆のインクにはクロムが全くなかったこと、仮に後からクロムを含まない別のインクを入れても元々含まれていたクロムは残ることも証明した。
　下山第２鑑定は、第１鑑定に続き、有罪証拠が偽物であり警察がねつ造したこと、狭山事件が許しがたい権力犯罪であることを百％明らかにした「絶対的証拠」だ。寺尾確定判決は完全に崩れた。石川さんは無実だ！　東京高裁はただちに事実調べ・再審を行え！

星野解放と一体で

　１９６３年、国家権力は埼玉県狭山市の被差別部落に生まれ育った石川さんを同市で起きた女子高校生誘拐殺人事件の犯人にでっち上げた。この狭山事件は、１９６０年の安保闘争・三池闘争に決起した労働者階級の闘いと団結の力に恐怖した国家権力が、分断して闘いをたたきつぶそうとした国家犯罪だ。寺尾判決は70年安保・沖縄闘争の発展を恐れた労働者階級への分断・団結破壊の攻撃だ。
　だから狭山闘争は、権力犯罪と自分たちを分断する攻撃に怒る労働者が逆に階級として団結を強める闘いとして発展してきた。そして今、新自由主義と対決する、改憲・戦争阻止の最先端の闘いとなっている。狭山闘争に勝利する道は、沖縄返還協定に反対して殺人罪をでっち上げられ44年も獄中で闘う星野文昭さんを解放する闘いと一つになり改憲を阻止する中にある。
　１９９０年代に石川さんの仮釈放のために尽力した元衆議院議員の小森龍邦さんは10月１日、広島から高松の四国更生保護委員会にかけつけた。そして「星野君への44年もの投獄は実質終身刑で、はなはだしい人権侵害だ」と弾劾し、星野さんを仮釈放するように激しく迫った。
　改憲阻止決戦のただ中で、人の命と尊厳を踏みにじる国家権力への怒りが、ついに狭山闘争と星野闘争を一体化させた。これが改憲を阻止し、狭山再審を実現する力となる。

１１・４労働者集会へ

　石川さんと連帯して狭山闘争の勝利へ闘う全国水平同盟は、差別の撤廃と労働者の解放をかけて、改憲・戦争阻止へ最先頭で闘っている。生活・生業の場などすべてを奪う更地化・民営化に対し労働組合の闘いを軸に絶対反対を貫き、非正規職撤廃を掲げて全部落大衆の獲得に入っている。
　11・４労働者集会／１万人大行進は改憲発議を狙う安倍と真っ向から激突し、打倒する闘いだ。全国水平同盟とともに10・31狭山闘争を打ちぬき、全国から日比谷に大結集しよう。

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▼蛍光Ｘ線分析　物質はＸ線を照射された時に、元素毎に決まった、それぞれ異なる固有のＸ線を発生する。このＸ線を蛍光Ｘ線という。Ｘ線を照射して蛍光Ｘ線を発生させ、物質の成分元素や構成比率を分析する手法を蛍光Ｘ線分析という。

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寺尾判決44カ年糾弾！
狭山第３次再審闘争勝利！
１０・３１狭山闘争
■東京高裁要請行動
　１０月26日（金）午後１時30分〜高裁前街宣、２時30分〜要請行動
　主催　全国水平同盟、部落解放東日本共闘会議
■狭山集会
　東京　10月27日（土）午後６時30分／全水道会館（文京区）／主催　部落解放東日本共闘会議、全国水平同盟杉並支部
　関西　10月31日（水）午後６時30分／大阪・中之島駅前広場。集会後、大阪駅までデモ／主催　全国水平同盟、関西労組交流センター
　広島　10月31日（水）午後６時30分／いきいきプラザ（広島市西地域交流センター）／主催　部落解放広島共闘会議