東京・特区連
　月９６７１円賃下げ勧告弾劾
　スト求め怒り爆発

　10月10日、東京・特別区（23区）人事委員会は、一般職労働者の賃金を平均月９６７１円、地域手当を含め最大１万８９６０円超引き下げる史上最悪の勧告を行った。首都の公務員労働者を標的に、賃金を破壊し労働組合を解体して改憲の強行突破をも狙う攻撃だ。特区連（特別区職員労働組合連合会）と東京清掃労組の労働者は、限りない怒りを爆発させて絶対反対の秋闘決戦に突入した。

生活成り立たぬ史上最悪の攻撃

　特別区人事委員会勧告は「公務員の争議権制約の代償」「中立」の仮面をかなぐり捨てた。一時金などと合わせて年間平均12万３千円に達するすさまじい賃下げで生活自体が成り立たなくなる前代未聞の攻撃だ。
　勧告は「管理職の職責の高まりなどを考慮」「上位職への昇任を促す」として現場ほど削減率を強めた。１級（係員）で最大４・９％、２級（主任）で最大４・２％の減。賃金と連動する地域手当を含めれば２級でも最大月１万８４８０円の削減であり、退職金では73万円を超える。
　一時金は０・１月分引き上げるとしたが、一律ではなく人事評価による「成績率」で差をつける「勤勉手当」で行う。賃下げは４月にさかのぼり、12月の期末手当で差し引く。年が越せなくなる人が本当に出る。
　会計年度職員にも言及し「定型的・補助的業務に従事する職」として、最下級の格付けを求めた。破壊的賃下げと評価制度の徹底、会計年度職員制度の導入で団結破壊と総非正規職化を狙う意図は明らかである。

区職労・清掃労組が最大の標的に

　人事院と全国各地の人事委員会の勧告は、安倍政権が「民間の賃金上昇」を統計操作する中でも、「改定なし」か、ごくわずかの賃上げにとどまる不当勧告であった。しかし区人勧はそれさえ認めず、度はずれた賃下げ勧告とした。「絶対にありえない」暴挙だ。
　特別区人事委員会は労働者住民の生活に直結する特区連・区職労と東京清掃労組を最大の標的にした。安倍が「民間の岩盤を公務員改革で破壊する」と公言してきた公務員労組破壊を、首都東京で本格的に発動しようとしているのだ。
　この攻撃を許すなら、現業職はもとより臨時・非常勤職員、外郭団体職員、委託労働者、東京・全国の労働者全体に波及する。ＪＲの第３の分割・民営化を最先端に、「働き方改革」で「労働組合のない社会」にする改憲・戦争と一体の攻撃だ。「人口減」を逆手にとった安倍の「自治体戦略２０４０構想」の第１弾となる。公務員半減、戦後地方自治制度解体・地方切り捨てとウルトラ民営化が狙われている。公務員労組としての存在意義と存立基盤が問われている。

決戦の機運満つ１１・４大結集を

　「労働者をなめるのもいい加減にしろ。もうストライキしかない」。現場から怒りが噴き出している。
　特区連本部は昨年度、それまでの主任・係長級を下位に落とす行政系新人事・賃金制度を、現場の反対を抑えて「現給保障」のペテンで屈服・妥結した。区人勧はそこにつけ込み、前年より役職の低い民間労働者との比較ですさまじい賃下げを勧告した。「本部は責任を取れ」という弾劾の声が上がっている。
　特区連秋闘は大決戦に突入した。妥協の余地などない。まやかしは通用しない。管理職・非常勤を含む全職員署名が集められ、署名用紙に怒りの肉声が書き込まれるなど、ものすごい熱気が生み出されている。各区・ブロックの決起集会も準備され、絶対反対で闘う機運が満ちている。首都東京で、都労連と共に、ストで闘う労働組合を再生しよう。区人勧粉砕、全職員の一律大幅賃上げの秋闘勝利へ、11・４労働者集会の大結集をかちとろう。

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▼人事委員会勧告　公務員の賃金や労働条件、人事制度の「改善」について、国家公務員は人事院、地方公務員は都道府県や特別区などの人事委員会で勧告（人勧）が出される。それをベースに当局との団体交渉、秋闘が闘われる。人勧は争議権など「労働基本権制約の代償機能を果たす」「公平・中立を保つ」としながら、政府・当局による攻撃の水路となってきた。

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特別区人事委員会の勧告
●平均月9,671円、年12万３千円の削減
・１級（係員）　　最大で月▲15,800円
　※地域手当を含めれば月▲18,960円
・２級（主任）　　最大で月▲15,100円
・３級（係長）　　最大で月▲12,300円
●管理職より下位の級ほど削減幅を大に
●退職金は最大73万円超の削減に