知る・考える 用語解説 元号-天皇制による強権支配の道具

週刊『前進』02頁(2980号02面03)(2018/10/11)


知る・考える 用語解説
 元号-天皇制による強権支配の道具


 年の表示を天皇と結びつけることで、民衆を服従させる制度。もともとは中国古代の専制君主の時代に、皇帝は空間のみならず時間をも支配するとの思想に基づいて皇帝が年号を定め、被支配者にそれを使わせることで皇帝への服従を表明させるものであった。それを7世紀後期、日本の古代天皇制が模倣した。
 明治政府は強権支配のために一世一元制(天皇一代に一元号)を開始し、元号使用を強制することで、国民が天皇と結びつけないでは時間を意識し表現できないようにし、したがって天皇から一日も離れられないようにした。
 中国では清朝の滅亡とともに元号も廃止された。だが日本では戦後、法的根拠が消滅してもなお政府は元号使用を事実上、強制し続け、1979年に元号法を制定し「昭和」に法的根拠を与えた。
 「昭和」の元号は日本帝国主義の侵略戦争と植民地支配の象徴であった。「平成」も同じである。古代中国の専制君主時代の『史記』を出典とし「内平らかに外成る」、つまり「国内で人民の反抗を平定し、国外では天皇と日本の支配を成就する」という凶悪な願望を込めたものである。
 日本共産党は昨年4月から『しんぶん赤旗』に元号を表記することによって、天皇制への一層の屈服を表明した。
 非合理で偏狭で、世界にまったく通用しない元号は排外主義、大国主義をあおり、世界史的・階級的な歴史認識を妨げるものだ。天皇制とともに即刻廃止すべきである。
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