沖縄県知事選 女性・青年の力が佐喜真を打倒 ゼネストで辺野古絶対阻止へ

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週刊『前進』02頁(2980号01面03)(2018/10/11)


沖縄県知事選
 女性・青年の力が佐喜真を打倒
 ゼネストで辺野古絶対阻止へ


 9月30日の沖縄県知事選で、沖縄の労働者階級は安倍の先兵である日本会議の極右・佐喜真淳を完全に打倒する歴史的な勝利を実現した。連立政権を組む自公に維新が加わり「勝利の方程式」などと呼ばれてきた改憲連合が完全に打ち破られた。玉城デニー候補を県知事へと押し上げたのは、沖縄県民の「辺野古新基地建設絶対阻止」の不退転の決意にほかならない。
 安倍は今秋の臨時国会での改憲案提出に向け、自民党総裁選での「圧勝」と沖縄県知事選での「佐喜真勝利」で一気に弾みをつけて突き進もうとしていた。しかし安倍の改憲プランは、自民党総裁選での「圧勝」が崩されたことで出鼻をくじかれ、さらに沖縄県知事選での大敗をもって決定的な大破産を突きつけられた。労働者階級の怒りの決起で安倍を打倒することはまったく可能であることが鮮やかに示された。
 安倍はこの結果を受けてますます凶暴化し、日本会議メンバーで固めた第4次安倍改造内閣のもとで、「自民党主導による改憲」という今まで以上にクーデター的なやり方で改憲へ突き進もうとしている。
 今こそ改憲案提出阻止・安倍打倒の今秋決戦に総決起しよう。「改憲・戦争阻止!大行進」運動を全国に創り出し、10・21国際反戦デー全国統一行動から11・4全国労働者総決起集会へ攻め上ろう!

沖縄労働者階級の新たな闘い始まる

 沖縄県民の辺野古新基地建設阻止の決意を背景に、玉城候補の得票数は前回の翁長雄志前知事を超え、過去最多の39万6632票となった。安倍政権がその持てる全エネルギーを傾注して総力戦を展開した佐喜真に8万174票の大差をつけた。一方で佐喜真陣営は自らの基礎票すらまとめきれなかった。出口調査では公明党支持層の3割が玉城候補に投票したとも言われ、自公体制の足元からの崩壊が始まったことが鮮明に示された(この結果に衝撃を受けた公明党は、改憲に向けた自民党との与党協議には当面応じないと表明せざるを得なくなった)。
 だが今回の沖縄県知事選は、その結果から想像されるような生やさしい選挙戦ではなかった。10月1日付の地元紙の社説でも「大方の予想を覆して玉城氏が勝利」「政党の基礎票を単純に積み上げていけば、玉城氏が勝てる要素は乏しかった」と書かれたように、安倍政権がその組織力と物量を総動員して展開した選挙戦は尋常ではなかった。
 期日前投票は前回知事選の約2倍の40万人(有権者の35%)に上った。また、企業動員での期日前投票所の動画撮影などが問題となり、さらに投票した労働者に自らのスマホなどで投票用紙を撮影させた画像を送らせて投票行動を点検するなど、違法・無法がまかり通っていた。
 しかし、このような安倍政権のやり方それ自身が、沖縄の労働者階級の猛烈な反発と決起を生み出した。先に書いたスマホなどでの投票行動への企業の点検に対して、労働者は「佐喜真」と書いた投票用紙を撮影した後、それを「書き損じた」と選管に返却して新たな投票用紙を発行してもらい、「玉城」と書いて投票したという。
 佐喜真陣営は「投票率は前回並み、目標数は36万票」と豪語したが(それでも39万票の玉城氏には及ばなかったことになるが)、実際は32万票に届かなかった。これは多くの労働者が創意工夫をこらして反乱に立ち上がったことを示している。それは労働者階級の根底的な決起の開始を示している。

「オール沖縄」の枠超える根底的怒り

 8・11県民大会での7万人の大結集を一つの転換点として、沖縄の階級闘争は新たな段階へ発展を開始した。翁長前知事の急逝という事態を受けて、一人ひとりの沖縄県民が、自ら歴史変革の主体として登場を開始した。それは「オール沖縄」という既成の枠組みを超えた新たな決起の開始だった。
 選挙戦の終盤、玉城陣営は「翁長前知事の遺志を継承」「辺野古新基地建設絶対阻止」を訴えることで一気に佐喜真を圧倒した。それは、「復帰」からまもなく半世紀となるにもかかわらず、相変わらず「基地の島」であることを強制し、さらに新しい基地までも押しつけようとしている日本帝国主義・安倍政権への根底的な怒りだ。「基地と引き替えの振興策」など幻想であることが明らかになり、「基地の島」は同時に「非正規職の島」へと変貌(へんぼう)している。このどこまでも我慢ならない現実に沖縄の労働者階級は怒りを爆発させた。
 特筆すべきなのは、女性と青年が圧倒的に玉城候補を支持したことだ。勝手連をつくって玉城陣営を応援する青年たちも多数現れた。従来は「経済問題=若者」「基地問題=中高年」といった「世代間分断」が言われてきたが、今回は全世代で玉城支持が佐喜真支持を圧倒した。女性労働者と青年労働者・学生の新たな決起が歴史的勝利を引き寄せたのだ。

11・4日比谷集会で改憲阻み安倍倒せ

 辺野古への新基地建設を絶対に阻止する! この沖縄県民の決意と行動は県知事選の枠を超えてどこまでも発展していく。
 安倍政権はあくまでも辺野古新基地建設を強行しようとしている。沖縄県の埋め立て承認の「撤回」をめぐる裁判闘争も早晩開始されるだろう。また、辺野古新基地建設の是非を問う県民投票も来春までに実施されようとしている。これらの一つひとつの攻防を闘う中から、「基地の島」「非正規職の島」の根底的な変革を目指す沖縄の労働者階級の団結と闘いが育まれ、米軍基地全面撤去を目指す沖縄全島ゼネストへと必ず発展していく。
 今こそ140万沖縄県民一人ひとりが闘う主体となる沖縄全島ゼネストの司令部=「改憲・戦争阻止!大行進」を沖縄に結成しよう。この闘いの中で獄中44年、無実の星野文昭同志を奪還しよう。
 11・4全国労働者総決起集会/改憲阻止!1万人大行進で安倍を倒そう!
〔革共同沖縄県委員会〕
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