星野解放へ懸命の訴え 10回目の更生保護委申し入れ
週刊『前進』04頁(2979号04面02)(2018/10/08)
星野解放へ懸命の訴え
10回目の更生保護委申し入れ
(写真 申し入れ後の行動団。前列左から誉夫さん、小森さん、暁子さん、鈴木弁護士、戸村さん【10月1日 高松市】)
10月1日、星野文昭さんを44年の獄中生活から解放するため、家族、再審弁護団、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議が四国地方更生保護委員会へ10回目の申し入れ行動を行った。今回は元衆議院議員の小森龍邦さんが広島から、小冊子「絵画展」を作成した婦民全国協神戸支部の八十島敦子さんが兵庫・西宮から駆けつけてくれた。更生保護委員会はすでに星野さんの仮釈放の審理を始めている。極めて緊迫した状況の中で、行動団は星野さん奪還へ全力をあげた。
冒頭、再審連絡会議共同代表の戸村裕実さんが要望書2567人分(累計1万2873人)の分厚い束を手渡した。
申し入れの最初に、いとこの星野誉夫さんが「文昭は8月に病気になり1日入院しました。症状は治まっていますが、43年余の身柄拘束の生活で十分な検査も治療も受けられない状態が続きました。文昭の健康な状態での1日も早い出所を願っています」と訴えた。
終身刑化許すな
鈴木達夫弁護士は、「無期刑の終身刑化は獄中で亡くなるまで拘禁期間を延ばすもので断じて許されない。服役後30年経過したら刑務所長の申請がなくても仮釈放の審理を行うという法務省通達は、終身刑化を断ち切るために出されたものだ」と断言。そして「弁護団は最高検の『マル特無期通達』を全面的に批判した。更生保護委員会は違法・無効の『マル特無期通達』を星野さんの仮釈放審理の中で越えていくべきだ」と訴えた。八十島さんは「無実だと確信している星野さんへの拘禁はあまりに長く、更生保護の意味からいってもおかしい」と強く弾劾した。香川・救う会の高橋敦さんは高松市美術館での絵画展に500人が来たことを突きつけた。
戸村さんは、朝日歌壇に載った「マンデラを超える長きを獄舎にて星野文昭無実を叫ぶ」について語った。「この31文字に秘められた意味の大きさに感服します。『星野文昭』という固有名詞が登場するのが画期的です。選者も星野さんの境遇を理解していると思う。『人間らしく生きられる社会を!』と声を発する人がなぜ獄舎に生を閉ざされなければならないのか。一日も早く解放を」と思いの丈を述べた。
小森さんが熱弁
小森さんの20分近い、烈々とした訴えも更生保護委員会を圧倒した。「私は衆議院議員の時、法務委員で筆頭理事もやった。石川一雄君の仮釈放を実現するために闘った。再審を請求していることが仮釈放の妨げにはならないのは当たり前で、法務委員会でもそういう答弁を引き出した」「無期刑は断じて終身刑ではない。星野君への44年もの投獄は実質終身刑で、はなはだしい人権侵害だ。私は、人権侵害については、権力と徹底的に闘う。星野君の絵を見れば、彼がまじめで誠実で正義感の強い人間であることがよくわかる。マンデラ氏に会ったことがあるが、71歳で解放された後、大きく立派なことをやりとげた。星野君も必ず立派なことをなしとげるだろう」
最後に、台風通過後の交通の混乱で終了間際に到着した暁子さんが、吉川医師の申入書と共に自身の申入書を提出した。そして、思いを込めて訴えた。
「8月22日に文昭は倒れました。視界がぼやけ、目がチカチカして、血流が逆流するような感じだったと言います。1日入院して症状はおさまりましたが、3㌔もやせ、顔と体が小さくなりました」「文昭の健康状態や釈放後の生活を考えると、出獄後は米沢の私の実家に迎えようと思います。自然の中で療養できます。ぜひ1日も早い仮釈放を」
星野さんの仮釈放を拒否する理由は全くない。申し入れに対して更生保護委員会の側は沈黙するだけだったが、星野さんは1日も早く解放されるべきだという要求は確実に伝わった。
沖縄県知事選で辺野古新基地建設に反対する玉城デニー氏が当選した。戦争・改憲反対、安倍打倒の闘いが全国で動き出している。今こそ労働者民衆の力で星野さんを取り戻そう。11・4労働者集会、11・25星野さん解放全国集会へ総力で結集しよう。