10・21国際反戦デー闘争へ 世界の労働者民衆と連帯し 改憲・戦争阻止の統一行動を
週刊『前進』02頁(2978号02面02)(2018/10/04)
10・21国際反戦デー闘争へ
世界の労働者民衆と連帯し
改憲・戦争阻止の統一行動を
(写真 1968年10・21国際反戦デーは「ベトナム戦争反対」を叫ぶ数万の労働者・学生・市民が新宿駅一帯を制圧する大闘争となった)
誰が本当の「敵」なのか
米中の貿易戦争が激しくなり、世界は急速に1930年代のブロック経済の様相を呈している。世界の家計・企業・国家の債務(借金)は今やGDP比320%近くまで高まり、どの国が「勝者」となり、どの国が「敗者」としてこの借金を押し付けられるのかをめぐって、経済戦争は実際の戦争情勢の進展と一体で激しさを増している。
一方で、国際NGO「オックスファム」が18年度報告書で述べているように、「17年に世界で新たに生み出された富の82%を世界の富裕層上位1%が手にした」。人々が生活苦にあえぐ現実につけ込んでカネを貸し、人々が生きるために行っているはずの経済活動からひたすら富を吸い上げ、それがさらに労働者民衆の生活を苦しくする。そんなことをしている連中がこの世界で大きな顔をしている。株式市場の「好景気」と私たちのサイフの中身が乏しいのは一つのことなのだ。
今世界の労働者は資源や市場をめぐる国同士の競争に動員されようとしているが、私たちの「敵」は他国の労働者民衆ではない。本当の敵は、搾取でもうけ、戦争が生み出す特需でもうけようとしている連中だ。軍事産業に仕事を発注するのは国家であり、結局、戦争は国家を介してしぼりとった税金を、武器・兵站(へいたん)・輸送などを担う大企業にばらまいて彼らをもうけさせるだけだ。私たちの生活はますます苦しくなる。アメリカ、中国、日本、どこの国であってもそれは変わらない。
悪徳企業とグルの国家
かつて日本の民衆はアジア太平洋戦争の痛切な経験によってこれを学んだ。「お国のために」を連呼して職場で労働者をぼろぼろに使いつぶした資本家連中と国家はグルだったのだと。そして戦後、「二度と戦争を許してはならない」と決意し、第9条に「戦争放棄・戦力不保持」を明記した日本国憲法を制定させるに至った。安倍政権はこの憲法を変え、日本を軍事優先の戦争国家に戻そうとしている。「国民の生命と財産を守る」と勇ましく軍事費を増加する安倍政権は、なぜ悪徳企業から国民の生命と財産を守ろうとせず、西日本豪雨災害や大地震で明らかとなった地方インフラの疲弊にはカネを出そうとしないのか。イージス・アショア(地上配備型ミサイル迎撃システム)には5000億円をポンと出すのに、北海道被災地支援の補正予算は5億円そこそこなのか。答えは、安倍政権が悪徳企業とグルだからだ。改憲の目的は、オリンピックの奴隷的、兵役的なボランティア動員などにも見られるように、際限のない搾取・収奪を横行させる国家をつくることにある。世界中で労働者民衆が立ち上がっている! アメリカでは歴史的な教育労働者のゼネストが闘われ、公教育が破壊されている現実を全社会に衝撃的に知らせ、大幅賃上げを勝ちとった。中国では労働運動がかつてない盛り上がりを見せ、学生が連帯して闘っている。国家同士は経済戦争に汲々としている一方で、米中とも同じく社会の底辺から労働者が立ち上がっているのだ。韓国で昨年巻き起こった「ろうそく革命」の波は朝鮮半島情勢を根底から揺り動かした。日本でも沖縄新基地建設反対の闘いが安倍政権を追いつめ、9・30沖縄県知事選では安倍の手先・佐喜真を打倒した。一切はこれらの動きが国際的に連帯し一つになるかどうかにかかっている。