築地を絶対守りぬこう 豊洲市場で汚染地下水 噴出

週刊『前進』02頁(2978号02面01)(2018/10/04)


築地を絶対守りぬこう
 豊洲市場で汚染地下水 噴出

(写真 9月13日、豊洲市場開場記念式典を弾劾して「築地を生かし豊洲を止める会」が築地波除稲荷神社前で街宣に立った)


 小池百合子都知事による築地市場の暴力的廃止と豊洲移転強行を阻止する闘いが決定的な局面に入った。「築地を絶対に守りぬく。身体を張って営業を続ける」と誇り高く闘う仲卸の仲間と連帯し、すべての人々が一致団結して立とう。る時が来た。都労連を先頭に小池打倒に決起し、豊洲移転を阻もう。

「安全」のウソ吹き飛ぶ

 豊洲市場開業など絶対にあり得ない深刻な事態が発生した。9月23日、水産仲卸売場棟のある6街区に設置されたマンホールから大量の汚染された地下水が噴出、「臭い水」が1時間以上にわたり勢いよく噴出し続け、「白い粉状の物質」も目撃された。東京都の新市場整備部はこれについて、「揚水ポンプ内にたまった空気を抜くための『空気弁』に付着物があり、隙間が生じた」と説明し、漏れ出したのは「浄化する前の地下水」だと認めた(9月29日付日刊ゲンダイ)。「白い粉」は汚染された土壌そのものだ。
 小池や都の専門家会議はこれまで、「地下水と土壌の無害化は不可能」と開き直りながら、地下水は地表に上がってこないため「安全だ」と強弁してきた。10月11日開業をごり押しするために小池がでっち上げた「安全宣言」の根拠は根底から吹き飛んだ。
 だが、なんと東京都は、噴出した水の水質検査すらしないまま、「地下水から高濃度の汚染は検出されていない」「今回の一件はレアケース」「短時間で局所的な噴出なので環境に悪影響を与えることはありません」と発表した。恐るべきことだ! 黙っていたら殺される。もはや市場開業どころではない。土壌汚染対策法上直ちに立ち入り禁止にしなければならない。

強権と脅しの小池倒せ

 今年6月の調査でも地下水から環境基準の170倍のベンゼンやヒ素が検出され、猛毒のシアン化合物も23カ所中17カ所で検出されている。豊洲市場では活魚の生けすに海水を取水して使用するが、取水口のある6街区護岸はシアン化合物が最も多く検出している砂層の近くであり、海と遮断されていない。
 地下水位を海抜1・8㍍以下に維持管理することを目標とした追加対策工事も破産した。33地点の観測井戸中、約半数の16地点で2㍍を超え、3㍍を超える所もある。カビの発生も深刻だ。どれだけ拭き取ってもカビの胞子は空気中を飛び、コンクリートに入り込む。こんな市場は開業させてはならない。
 小池は、汚染された水や土壌により市場で働く労働者や買い出し客が健康を害することなど、なんとも思っていない。毒が付着した鮮魚が出回れば、豊洲の魚など誰も買わなくなる。すでに「豊洲に行くなら仕入れ先を変える」と言う小売店が次々と出てきている。命がけでブランドをつくってきた生産者もこんなひどい市場に品物を回さない。仲卸をはじめとする業者は大打撃を受ける。東京都は営業権侵害は「受忍限度内」と居丈高に主張するが、我慢の限界は超えた。
 小池は9月22日に沖縄で、安倍と一体の極右・佐喜真淳の応援に立った。金と強権、脅し、デマで辺野古基地建設を強行することと、豊洲移転強行の姿はまったく同じだ。沖縄の怒りが佐喜真を打倒したように、小池を今すぐ倒そう。

絶対反対貫けば勝てる

 豊洲移転絶対反対、小池打倒へ総決起しよう。豊洲違法建築物除却命令等義務付け訴訟と仮の申し立てが東京都と日建設計の耐震偽装を暴き、追い詰めている。原告を先頭とする仲間は築地残置物の財産放棄について都が求める同意への拒否を呼びかけ、「自分たちが築地にとどまり営業を続ける」と宣言している。絶対反対を貫けば勝てる。
 仲卸の廃業とともに、築地の労働者への解雇・失業が迫っている。すべての築地労働者は労働組合に入り、移転を阻止しよう。

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