医療・福祉労働者は改憲阻止大行進運動の先頭に立とう 革共同医療福祉労働者委員会

週刊『前進』04頁(2977号03面03)(2018/10/01)


医療・福祉労働者は改憲阻止大行進運動の先頭に立とう
 革共同医療福祉労働者委員会

命を奪い生活を壊す攻撃が激化

 連日の猛暑が続く8月26〜28日、岐阜市の病院で入院中の高齢者5人が次々に死亡した。原因は20日頃から病室のエアコンが故障していたにもかかわらず、修理や病室の移動などの措置を怠り、熱中症を発症させたためとされている。
 「なんとひどい病院!」とマスコミは連日この事件を報道した。もちろん、とんでもない病院であることは疑いない。だがもっと重要なことは、安倍政権の医療・福祉の切り捨てが、入院患者を死に追いやるような病院をつくり出しているということだ。人ひとりの命があまりにも軽く扱われる医療・福祉の崩壊、社会の崩壊が進行しているのだ。
 この病院のように多くの高齢者医療の現場では、療養病床として包括払い診療報酬制度が適用されている。包括払い診療報酬制度では、個々の処置、薬剤ごとに決まった保険点数を積み上げる「出来高払い」の制度ではなく、何の処置をしても、何の薬を使っても診療報酬は一定とされる。つまり、エアコンを修理して快適な療養環境を整備しようがしまいが、患者から得られる病院の収入は変わらない。高いカネをかけてエアコンの修理をするはずなどないのだ。
 かつて1986年、国鉄分割・民営化攻撃の真っただ中で、「老人福祉は枯れ木に水をやるようなもの」と暴言を吐き怒りを浴びた自民党の閣僚がいた。新自由主義の本音を口にしたものだが、いまやこの暴言が比喩ではなく現実に高齢者や障害者、患者の命を奪う攻撃として進行しているのだ。

障害者・高齢者抹殺の杉田暴言

 極右・日本会議の杉田水脈(みお)衆院議員による「LGBTには生産性がない」という差別暴言は、「生産性がない」とみなされる人間は存在する価値がないとするナチス型の扇動だ。資本の価値増殖にとって役立つ存在であるかどうかを生きることを許すかどうかの判断基準とする障害者、高齢者などに対する抹殺の思想そのものである。
 これは医療・福祉や社会保障を「生産性がない」として解体する攻撃の思想、論理そのものでもある。
 この間相次いで明るみに出た政府機関、自治体などの障害者雇用の「水増し」問題は、安倍政権の「一億総活躍社会」の現実だ。障害者法定雇用率の制度自体が、総非正規職化と極限的な労働強化の中でまったく破綻している。
 資本、国家が「生産性がない」とみなす労働者を排除するという思想と攻撃が、障害者雇用「水増し」問題の核心として貫かれているのだ。

改憲発議許さず11・4日比谷へ

 帝国主義・新自由主義が生き残るためには、現にそこで人が生き、生活している現実そのものを破壊していくことすら躊躇(ちゅうちょ)しない。帝国主義間・大国間争闘戦の激化と侵略戦争情勢の急切迫のもとで、安倍は生き残りをかけて改憲と戦争の攻撃に突進しようとしている。
 だが憲法9条と社会保障制度自体が、戦後革命の嵐のような激闘の中で、支配階級とのぎりぎりの攻防としてかちとられてきたものでもある。安倍がこれに手を付けるということは、日本共産党スターリン主義の裏切りによって敗北させられた戦後革命にもう一度決着をつけるということに他ならない。改憲と戦争の攻撃はプロレタリア革命の問題だ。
 われわれ医療・福祉労働者は、ついに開始された戦後の歴史に決着をつける大決戦の先頭に立つ。障害者、患者、高齢者、すべての労働者民衆の生命と生活に関わる労働の現場で、生命と生活を根底から破壊する攻撃と徹底的に、命をかけて闘う。帝国主義戦争に青年、学生を送り出すための戦時医療を断固拒否して闘う。
 われわれは医療・福祉の現場に闘う労働組合を甦(よみがえ)らせ、患者、高齢者、障害者、地域のあらゆる階層の人々と団結し、改憲・戦争と闘う。医療・福祉、社会保障の根底的破壊を絶対に許さない。生きるためのストライキ、命を守るストライキを闘う。
 労働組合をめぐる大決戦、階級的労働運動の再生こそが改憲と戦争を阻止する最も力ある闘いとなった。改憲・戦争阻止!大行進運動をすべての医療・福祉職場に、地域に網の目のようにつくり上げよう。10月臨時国会での改憲発議を許さない声明を、労働組合、職場、地域からあげていこう。11・4日比谷1万人大結集を必ず実現しよう。ともに闘おう!
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