10・14三里塚に集まろう 労農学で市東さんの農地守れ

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週刊『前進』04頁(2977号03面01)(2018/10/01)


10・14三里塚に集まろう
 労農学で市東さんの農地守れ

(写真 天神峰・樫【かし】の木まつりを前に南台農地から意気高くデモに出発する反対同盟。先頭が市東孝雄さん【7月8日】)

 三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける10・14全国総決起集会が目前に迫った。労農学連帯の力で天神峰・市東孝雄さんの農地を守り、軍事空港建設と改憲攻撃を粉砕することを宣言する場だ。大地を揺るがす大結集を実現しよう。

強制執行阻止!裁判闘争勝利を

 9月27日、市東孝雄さんの農地取り上げ強制執行を阻む千葉地裁での請求異議裁判が結審した。
 市東さんの最終意見陳述は、日々耕し、真摯(しんし)に有機農業を営む市東さんの「農地は私の命」という思いと、これを成田空港会社(NAA)が不法・不当に奪おうとすることへの農民としての根源的な怒りを、高瀬順久裁判長に鋭く突きつけた。強制執行で市東さんの農地を奪うことなど断じて許されない。
 2年近くに及んだ請求異議裁判は、最高裁上告棄却で確定した反動判決の執行をストップさせ、1971年の強制代執行を許されない「過酷執行」として断罪し、農地を守る闘いの正義性を明らかにした。
 市東さんひとりの闘いではない。沖縄、福島にも通じる闘いであると同時に、日本農民全体の耕す権利をかけた闘いだ。
 「耕す者に権利あり」の精神を解体した農地法の改悪から9年。新たな農地法は、改定を重ねるたびに企業の農業参入に拍車をかけている。農地を利用して農業経営を行う一般法人は、2017年12月末現在で3030法人となった。他方で「農業就業人口」は209万人となり(2015年)、30年前の542万人から6割減った。
 もうかる農業だけが生き残ればいいという安倍農政に対し、旧農地法のもとで闘われる市東さんの農地裁判は、今なお戦後の農地法制定時の精神を意気高く体現し、耕作者の誇りを守り抜いている。
 市東さんの思いを我がものとして、なんとしても市東さんの農地を守り抜こう。10・14全国集会は、裁判勝利・強制執行阻止の総決起集会である。

実力闘争を貫き改憲阻止しよう

 安倍は自民党総裁選後の記者会見で「戦後日本外交の総決算を行う」「憲法改正に挑戦し新しい国づくりに挑む」と言い放った。まさに「戦争をする国」へと転換しようというのだ。
 これとどう闘うか。資本家どもの利益を代弁して、金と権力を使って本気で戦争をやろうとしている安倍の改憲を、体制内勢力による既成の護憲運動の枠内で止めることなどできない。
 「改憲実力阻止へ、労働者が主人公となった実力闘争の思想を復権させよう」(本紙2961号夏季アピール)。
 三里塚闘争は、その実力闘争を体現してきた改憲・戦争阻止の闘いの砦(とりで)だ。軍事空港建設のための農地強奪=戦時徴用攻撃を阻止し、労働者人民の抵抗を国家暴力で押しつぶす攻撃と52年にわたって闘い、勝利し続けている。
 「国家権力の政策を本気で阻もうとすれば、闘いは必ず実力闘争になる。法の枠内に自らを縛った闘いは、法律によって敗北させられる」(萩原進反対同盟事務局次長の著書『農地収奪を阻む』)
 反対同盟は、強制執行攻撃に対して決戦本部をうち立て、「体を張って闘う」宣言を発して日々闘い続けている。強制執行をここまでストップさせてきたのも、市東さんの闘いの正義性と弁護団の献身的な努力の背景に実力闘争の思想と行動があるからだ。
 9月16日、千葉市美術館で「改憲・戦争阻止!大行進千葉結成 改憲発議を止める!9・16千葉集会」が開かれた。大行進千葉の呼びかけ人に加わった反対同盟の北原健一さんは、「動労千葉のように闘わなければつぶされてしまう時代がきた。ジェット燃料貨車輸送阻止を闘った動労千葉の一人一人の組合員が仲間であり同志のように思う」と熱い思いを込めてあいさつした。
 1980年代、中曽根による改憲攻撃を打ち砕いた動労千葉と三里塚が、再び車の両輪として改憲阻止の先頭に立つ。関西地区生コン支部への弾圧に見られるように、安倍にとって戦争を止める実力を持つ勢力をつぶすことが第一級の課題なのだ。三里塚をつぶすことなしに改憲・戦争に突き進むことはできない。われわれもまた市東さんの農地への強制執行を打ち砕いてこそ改憲を阻止できる。

住民決起と共に機能強化粉砕へ

 成田空港の「機能強化」を進める具体的な攻撃が始まっている。
 8月31日にNAAは、2020年東京オリンピックを口実に先行して夜間飛行時間を延長するA滑走路側で、内窓防音工事の開始を発表した。また、B滑走路延伸予定地では、ボーリング調査を開始した。既成事実を積み上げて、住民のあきらめと屈服を引き出そうとするものだ。
 国と企業の金もうけのために、住民にさらなる騒音と移転を強制することなど許せない。こうした暴挙は「選択と集中」と称して農業と地方を切り捨てる安倍政権の政治と一体だ。
 同時に、第3滑走路の真のねらいは軍用滑走路であり、建設阻止は改憲・戦争を止める真正面の課題だ。反対同盟とともに地域住民との連帯を強め、第3滑走路をはじめとした空港機能強化を粉砕しよう。
 三里塚を闘う強固な陣形をつくろう。高原恭平委員長のもとで新たな躍動を開始した全学連を先頭に、青年・学生は三里塚に集まろう。全国農民会議とともに安倍政権を打倒する労農同盟を発展させよう。職場の仲間を引き連れて、10・14三里塚現地全国集会に結集しよう。ここでうち立てた実力闘争の陣形をもって11・4労働者集会・改憲阻止!1万人大行進に攻め上ろう。
(幸崎淳志)
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