改憲と共謀罪を撃つ 現代の治安維持法と闘う会が集会

週刊『前進』02頁(2976号02面03)(2018/09/27)


改憲と共謀罪を撃つ
 現代の治安維持法と闘う会が集会

(写真 共謀罪粉砕・改憲阻止へ大結集となった【9月21日 霞が関】)

 9月21日、東京・弁護士会館で「改憲と共謀罪を撃つ! 表現・言論規制を許さない9・21集会」(主催/現代の治安維持法と闘う会)が開催され、労働者や学生、弁護士が会場いっぱいに集まった。
 山本志都弁護士が司会を務め、森川文人弁護士が「横浜事件と共謀罪——『目的遂行罪』の連鎖」と題して講演し、また西村正治弁護士が「現下の治安弾圧情勢について」と題して報告を行った。
 森川弁護士は初めに1942年の「横浜事件」について語り、雑誌編集者らが旅行先で撮った1枚の写真をもとに、当時の神奈川県警特高課が62人を治安維持法違反で逮捕した経緯を説明。とりわけ治安維持法の「目的遂行罪」が、横浜事件を含む数多くの治安弾圧事件で猛威をふるったことを強調した。
 「25年制定の治安維持法は、当初は『国体の変革』『私有財産制度の否認』を目的とする結社を取り締まるものだったが、28年の改定で『結社の目的遂行の為にする行為をなしたる者』も適用対象になった。この目的遂行罪によって、例えば共産党員である夫のために妻が家事をすること、逮捕された人の家族にカンパすることなどが処罰の対象とされ、33年の労農弁護士団事件では被告人と公判の打ち合わせをしただけで弁護士が逮捕された。しかもこの目的遂行罪では本人の自白が決定的な証拠とされるので、自白を強要するためのすさまじい拷問(ごうもん)が必然化した」
 森川弁護士はこのように述べた上で、昨年6月に「テロ等準備罪」の名で成立した共謀罪も、治安維持法の目的遂行罪と同じく、実行行為のない「計画」や「共謀」「準備行為」の段階から組織的犯罪とみなして取り締まることを可能とするものだと暴露。これに対し、多くの人々との間で危機意識を共有し、横浜事件のような弾圧が現実にあったことを伝えていくことが重要だと訴えた。
 続いて西村弁護士は、この間の国家権力中枢による全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧や、革命党派に対する監視・情報収集活動などの実態を暴露し、警鐘を鳴らした。
 弁護士からの講演と報告を受けて、全学連の高原恭平委員長、とめよう戦争への道!百万人署名運動の川添順一さん、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の戸村裕実共同代表が発言に立った。
 高原委員長は、改憲、天皇代替わり、東京オリンピックと一体で治安弾圧の強化が狙われていることを弾劾し、これを徹底的に社会問題化して反撃しようと力強くアピールした。
 川添さんは改憲国民投票法について解説し、これが公務員や教育労働者の改憲反対運動を弾圧するための悪法であることを暴露。そして、だからこそ逮捕・弾圧の脅しに屈服せず労働者が立ち上がれば、改憲は必ず粉砕できると訴えた。
 戸村さんは「獄中44年の星野文昭さんを取り戻すことこそ現代の治安維持法を覆す闘いだ」と述べ、10月1日の四国地方更生保護委員会への申し入れに向けて要望書を集めることを呼びかけ、11月25日の高松集会への結集を訴えた。
 最後に主催団体事務局が「共謀罪をはねのけ改憲阻止へ闘いましょう」と呼びかけ集会を締めくくった。
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