星野文昭同志解放へ正念場 無期刑の終身刑化粉砕を

週刊『前進』04頁(2975号04面01)(2018/09/24)


星野文昭同志解放へ正念場
 無期刑の終身刑化粉砕を


 無実で獄中44年、星野文昭同志の解放へ向けた国家権力との攻防は緊迫の度を増している。掛け値なしに正念場を迎えている。仮釈放をかちとるために総力を発揮しよう。
 世界大恐慌下での生き残りをかけて改憲・戦争攻撃に突っ込むしかない日本帝国主義・安倍政権は、臨時国会に法案を提出し改憲を強行しようとあがいている。しかし、沖縄をはじめ巨万の労働者・学生・人民の決起が安倍を追い詰めている。
 ここで星野同志の仮釈放を認めたら、森友・加計など国家犯罪への積もりに積もった怒りが爆発的に解き放たれ、安倍は息の根を止められる。改憲阻止・日帝打倒の闘いの大爆発に直結する事態となる。それだけは何としても阻止しなくてはならない——この恐怖と憎悪が一点、星野同志に集中している。それは、「無期刑」を「終身刑」としてしまう攻撃だ。

権力中枢による「マル特無期」攻撃

 1998年6月、最高検察庁は「犯情悪質等」の「無期懲役刑確定者」の刑の執行の指揮と「仮出獄」などについて指示する通達を出した。極秘文書で「取扱注意」と記されていた。戦時司法のための司法改革審議会が設置される前年のことだった。
 98年最高検通達は、「動機や結果が死刑事件に準ずるくらい悪質」と判断した無期懲役を「マル特無期」とした。そしてこの事件での受刑者の仮出獄について刑務所長・地方更生保護委員会から意見の照会があったら、不許可の意見を作成し、事実上の「終身刑」とするよう求めた。「終身刑」など日本の法律にはない! そもそも判決が確定しているのに受刑者に関わる事柄について、検察が口を挟むこと自体が越権行為だ。
 しかし、通達を機に、それまでは無期刑受刑者の場合は仮釈放者数が獄死者数を上回っていたのに、2002年にこれが逆転。98年には仮釈放者数18、獄死者数6だったのが、2016年には仮釈放者数9、獄死者数27となるに至った。事実上の「終身刑」は、受刑者の人間としての尊厳を踏みにじり、生きる権利と希望を奪う。改憲・戦争攻撃そのものであり、最高検通達は粉砕あるのみだ。
 このかんの仮釈放に関連する質問の中で、政府側は許せないことに「98年最高検通達は『一部改正』部分を含めて現在も有効」と回答している。

弁護団が保護委に検察弾劾の意見書

 これに対して星野再審弁護団は8月31日、「マル特無期」を「終身刑」とする最高検通達を怒りを込めて徹底的に弾劾する意見書を四国地方更生保護委員会に提出した。弁護団は、「検察庁・検察官の越権行為、権限濫用(らんよう)」を厳しく指弾し、「検察官意見自体が不要」と鋭く突きつけた。その上で、すでに獄中44年となる星野同志の仮釈放について、「検察官の反対意見等があったとしても、仮釈放を認める妨げにはならない」と、仮釈放を決定するよう更生保護委員会に強く迫った。
 法にはない「終身刑」を「無期刑」の受刑者に検察の越権行為で迫る最高検通達は、労働者人民の怒りの的とならざるをえない。それは国家権力にとって致命的な弱点だ。これを徹底的にあばいて社会問題化し、安倍打倒、星野同志解放の力に転化しよう。この勢いで11・4労働者集会から11・25高松闘争に攻め上ろう。
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