乗務員勤務制度改悪阻止を JR東労組が裏切り妥結 ダイ改焦点に闘いは続く
週刊『前進』04頁(2975号02面03)(2018/09/24)
乗務員勤務制度改悪阻止を
JR東労組が裏切り妥結
ダイ改焦点に闘いは続く
JR東日本が提案した乗務員勤務制度改悪につき、東労組本部は8月30日、裏切り妥結を強行した。
乗務員勤務制度の改悪は、運転士や車掌を大幅に削減し、残った乗務員に殺人的な労働強化を強いるものだ。支社課員ら管理職にラッシュ時だけ片手間で乗務させるという無謀な施策は、鉄道の安全を根本から破壊する。
しかし東労組本部は、それを資本の言うがままに受け入れた。JRによる激しい脱退強要を受けながら、今も東労組にとどまり続ける現場組合員は、本部を握るカクマルへの根底的な不信感を抱きつつも、資本の攻撃から身を守るためには労働組合が必要だと思っている。東労組本部は、その組合員をまたも資本に差し出したのだ。それはJRと関連会社の全労働者の権利を売り渡す大裏切りだ。
妥結に際して東労組本部が出した見解は、乗務員勤務制度の考え方に決定的な変更はないことをJRと確認したという。しかし、制度改悪により片手間で乗務することになる支社課員らは、乗務員勤務制度の対象外に置かれる。乗務員勤務制度の枠外で乗務するということ自体、乗務員という考え方そのものの解体だ。
東労組の裏切り妥結を取り付けたJRは9月4日、「乗務員勤務制度の見直し」を来年3月のダイヤ改定時に実施すると一方的に発表した。だが、それで制度改悪が既定の事実になったわけではまったくない。
行路緩和こそ必要
動労千葉・動労総連合は制度改悪阻止のストライキ体制を堅持し、3月ダイヤ改定時までに数波のストを打ち抜く構えだ。動労総連合は9月4日、新たな申し入れをJRに出した。乗務中に倒れる労働者が続出するなど、乗務員の労働はすでに過酷きわまる。特に、泊まり勤務が明けた後の行路は、日勤勤務並みに長大化されている。誰もが命の危険を感じている。にもかかわらずJRは、制度改悪で乗務員の拘束時間と実乗務時間をさらに拡大すると言う。これに対し動労総連合は、十分な睡眠時間の確保など行路の緩和を求めている。
支社課員らによる片手間乗務は、鉄道の安全を破壊する。支社課員らは、早朝に出勤して運転し、支社に戻って夜まで超勤することになる。それがもたらすものは、過労死と乗客を巻き込んだ大事故だ。動労総連合はこれに絶対反対だ。
JRは、制度改悪で乗務員の大幅削減をもくろんでいる。これは、JR東日本が経営計画「変革2027」で打ち出した無謀な無人運転化を前提にしたものだ。動労総連合はこれと全力で立ち向かっている。
闘う労組とり戻す
これから来年3月に向けて、ダイヤ改定を具体的に想定した上での、各支社ごとの交渉が始まる。そこでは、乗務員勤務制度改悪の矛盾がさらにはっきりと突き出されてくるはずだ。本格的な攻防はこれからだ。職場の怒りを掘り起こし、安倍と資本が「労組のない会社」にしようとしているJRでこそ、闘う労働組合を取り戻そう。
11・4全国労働者総決起集会―改憲阻止1万人大行進に集まり、安倍「働き方改革」の最先端にあるJRの乗務員勤務制度改悪を打ち砕こう。