三里塚耕作権裁判 農地強奪の不法暴く 弁護団が圧巻の陳述
三里塚耕作権裁判
農地強奪の不法暴く
弁護団が圧巻の陳述
9月3日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で耕作権裁判が開かれた。三里塚反対同盟と顧問弁護団、労働者・学生・市民70人は、成田空港会社(NAA)による市東孝雄さんへの農地強奪攻撃に怒りを燃やしてともに闘った。
午前9時、千葉市葭川(よしかわ)公園で太郎良陽一さんの司会で集会が開かれた。最初に東峰の萩原富夫さんが「耕作権裁判は市東さんの農地を守る重要な闘い。安倍政権の改憲攻撃に対し、反対同盟は反戦闘争の先頭で闘う」と決意を表した。動労千葉の中村仁さんらの連帯発言に続き、伊藤信晴さんが、9・27請求異議裁判、10・14全国集会への大結集を呼びかけた。反対同盟を先頭に市内デモに出発。「強制収用実力阻止!」の横断幕を掲げ千葉地裁に迫った。
午前10時30分に開廷。左陪席裁判官の交代に伴い、弁護団が更新意見陳述を行った。市東さんを「不法耕作の男」と決めつけ、土地明け渡しを求め提訴して12年。逆にNAAの不法を暴ききる8点を展開した。
①原告NAAは市東さんが耕す南台農地の所有権を取得していない。農地法に違反し売買は無効。明け渡しを求める資格はない。
②NAAが土地特定の証拠として提出した「同意書」「境界確認書」は空港公団(NAAの前身)が作成した偽造文書だ。市東東市さん(孝雄さんの父)の署名・印鑑も偽造だ。
③弁護団が生前の旧地主から直接聴取を行った結果、同意書・確認書の位置特定は事実に反する。
④市東家は南台農地の一部を時効取得している。
⑤空港公団が作成した図面は正しいのに、NAAはそれを覆して非合理的主張をした。
⑥東市さんから詳細な聞き取りを行い書かれた元永メモは、信用性が高い。
⑦NAAが文書提出命令に従わず、開示を拒否しているのは不当だ。
⑧空港公団は、「強制的手段はとらない」という社会的確約に背き、市東さんを暴力的に追い出そうとしている。代執行の非人間性は、「人間が自らの力で生きる」という誇りを奪うことにある。NAAの請求は棄却されるべきだ。
弁護団は70分の陳述を力強くやりぬき、次回期日を11月19日として閉廷した。
千葉県弁護士会館での報告集会で市東さんは、「9月から秋に向かって正念場になる」と決意を表した。続いて葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が、請求異議裁判最終弁論への意気込みを表し、全体で10・14集会の大結集を誓い合った。
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三里塚裁判日程
◎請求異議裁判
9月27日(木) 正午
千葉市中央公園集合
千葉市内デモ
午後2時開廷 千葉地裁
(弁護団の最終弁論と市東孝雄さんの最終意見陳述)