9月改憲阻止決戦に立とう 全学連が若き新執行部を樹立 労組破壊はね返し国鉄闘争を

週刊『前進』04頁(2971号02面04)(2018/09/10)


9月改憲阻止決戦に立とう
 全学連が若き新執行部を樹立
 労組破壊はね返し国鉄闘争を


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 「次期国会に改憲案を提出する」と宣言した安倍に対し、全国で猛然と反撃が始まった。何よりも9月1日、2日に開催された全学連(全日本学生自治会総連合)第79回定期全国大会において、高原恭平委員長(東京大学)―加藤一樹書記長(京都大学)を先頭とする新執行部が確立された。さらに全学連の斎藤郁真前委員長と洞口朋子さんが2019年参院選、統一地方選への立候補をそれぞれ表明した。「改憲・戦争阻止!大行進」の実行委員会の結成は全国各地で進んでいる。『前進』読者のみなさん! 改憲・戦争絶対阻止! 改憲案の国会提出阻止へ共に立ち上がろう。今秋決戦を闘いぬき、11月4日の全国労働者総決起集会/改憲阻止!1万人大行進を共に大成功させよう!

大会議案と討論で「革命情勢の広さと深さ」明らかに

 オンラインメディア「アエラドット」は、「中核派・全学連のトップに現役東大2年生が就任/新委員長の高原恭平氏インタビュー」と題する記事を全学連大会終了翌日の9月3日付でインターネット上に配信し、爆発的な反響を呼んでいる。大会を取材に訪れたマスコミ労働者も「勉強になりました」と語り、大会で行われた提起と討論に大いに共感を示した。
 大会議案は次のように提起している----「戦争か革命かの時代がやってきた。『改憲』をめぐって問われているのは、資本家階級が労働者階級を圧殺・制圧する戦争国家を許すのか、それとも労働者階級が未完の戦後革命を完遂し権力を取るかの二者択一だ」(方針議案)。「日本をとりまく国際情勢は、いや応なく私たちにいかに生きるか、という重い問いを投げかけている。しかし逆に言えば、誰もが『安定した未来を描けない』時代であるということは、『未来を描こうとする意志』が人々を動かす時代でもあるということだ」(総括議案)。
 このように大会議案は、自らの闘い(主体)の前進と資本主義・新自由主義(客体)の危機・腐敗との両面から「革命情勢の広さと深さ」を全面的に提起するものとなっている。この提起を受けて白熱的な討論が行われ、大会は人類史の未来をかけた改憲阻止決戦への突入を確認した。
 今全学連大会をもって、階級情勢は今一つ転換した。大会で打ち立てられた新執行部は、まぎれもなく、日本階級闘争と革命的共産主義運動が血みどろ汗みどろで闘いぬいてきた末についに生み出された結晶である。そしてまた、あらゆる反動・弾圧を打ち破り「改憲阻止・日帝打倒」の闘いを牽引(けんいん)する無限の可能性を持った革命的指導部集団だ。
 安倍の改憲宣言をぶっ飛ばし、全世代・全社会を獲得する全学連がついに生み出されたのだ。全学連共に、未来をかけ、人生をかけた改憲阻止決戦に猛然と立ち上がろう!

労組・学生自治会糾合し全国各地に「大行進」つくろう

 安倍は今秋臨時国会での改憲案提出―改憲発議へと全力で動いている。8月26日には、鹿児島で桜島をバックに「薩摩・長州連合」を演出しながら、自民党総裁選への立候補を正式表明した。NHKはなんとこの立候補表明をわざわざ生中継で伝えた。その翌27日には、麻生派が「改憲の国民投票を来年夏の参院選までに行うよう」求める提言を出し、安倍の賛同を得た。総裁選の過程(9月7日告示、20日投開票)それ自体が改憲に向けた大攻撃だ。
 8月31日に防衛省が公表した来年度予算の概算要求額は、過去最大規模の5兆2986億円となった。最新鋭ステルス戦闘機F35A6機(916億円)や地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」(2基で2352億円)など、西日本豪雨や台風21号の災害対策とは桁違いの巨額をつぎ込んでいる。
 だが、労働組合を解体しない限り戦争はできない。実際の戦争では、軍需品の生産・輸送、住民の動員や訓練、学校での戦争教育などに労働者を総動員することが不可欠となるからだ。しかし、教育現場には「教え子を再び戦場に送るな」と闘う日教組の現場組合員が存在し、自治体職場には「改憲断固阻止」の自治労大会宣言を出させ、地方・被災地切り捨てに怒りを爆発させる自治労の現場組合員が存在している。そして安倍の改憲で真っ先に戦争に行かされることになる自衛官も「軍服を着た労働者」であり、労働組合の戦争絶対反対の闘いがあれば、安倍の命令など拒否して労働者階級と共に立ち上がる存在だ。
 だからこそ安倍は労働組合の解体を狙い、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の武建一委員長ら執行部を「恐喝未遂」でっち上げで不当逮捕するなど、闘う労働組合への攻撃を強めている。他方でUAゼンセンは、安倍に寄り添う逢見直人(連合会長代行)ら幹部のもとで、9月19〜20日の定期全国大会で「憲法9条2項削除・国防軍新設」を要求する「国の基本問題に関する方針」を決定しようとしている。
 だが、こうした労組解体と産業報国会化の攻撃に対し、全国で猛然と反撃が始まっている。千葉鉄道サービス(CTS)幕張事業所では、動労千葉の関道利副委員長が職場の過半数の支持を獲得して労働者代表となった。沖縄では8・11県民大会7万人の大結集から9月30日の県知事選をもステップに、改憲・辺野古新基地建設と激突する沖縄ゼネストへのうねりが始まっている。関生支部は弾圧に固い団結で反撃している。郵政、医療・福祉、金属、コンビニ・流通、建設・運輸など、全国の無数の職場で低賃金、長時間労働、パワハラなどに一歩も引かない闘いが始まっている。既成の労働組合や組織の腐敗のすべてを暴き出し、新たな階級的団結を生み出す感動的な闘いだ。
 安倍と資本家が労働組合や学生自治会を攻撃するのは、こうした闘いが団結という「力」と実力闘争=ストライキを生み出すからだ。労働組合の団結と階級的・原則的な闘いの中に改憲攻撃を粉砕する「力」がある。労働組合・学生自治会を軸にあらゆる怒りと結合する「改憲・戦争阻止!大行進」を全国につくり出し、11月労働者集会1万人結集へ攻めのぼろう。

全労働組合・団体から改憲絶対阻止の声明を発しよう

 安倍の改憲・戦争への突進の背景にあるのは、アメリカ帝国主義・トランプの「貿易戦争」が中国とともに日本をも標的にしているという現実だ。6月の日米首脳会談の際、トランプは「われわれは真珠湾を忘れない」と発言し、対日貿易赤字の解消を迫ったという。日米争闘戦の激化の中で、安倍と日本帝国主義は独自の戦争国家化・核武装化に踏み出す以外に帝国主義として生き残れないところに追いつめられている。
 だから「自衛戦争」を認めたら改憲攻撃に立ち向かえない。求められているのは自国政府打倒と国際連帯の闘いだ。全労働組合・団体から改憲阻止の声明を発しよう。パククネ前政権を完全打倒し「ろうそく革命から職場革命へ」と進む韓国・民主労総と連帯して、11月の「東京―ソウル国際共同行動」をかちとろう。アメリカで行われる「女性のペンタゴン(国防総省)マーチ」と連帯し、10・21国際反戦デー全国一斉行動を闘おう。全世界の労働者とともに星野文昭さんの解放をかちとろう。
 この白熱的な決戦の渦中でこそマルクス主義を学ぼう。そして「あらゆる専横と圧政のあらわれを、警察の暴力と資本主義的搾取についての一つの絵図にまとめ上げることができ、労働者階級の解放闘争の世界史的意義を万人に説明することができる」(レーニン『なにをなすべきか?』)新聞として『前進』を読み、拡大し、労働者階級の政党を共に建設しよう。

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