JR西は「殺人研修」やめろ 新幹線トンネル内 恐怖体験強いる
週刊『前進』02頁(2970号02面03)(2018/09/06)
JR西は「殺人研修」やめろ
新幹線トンネル内 恐怖体験強いる
8月24日、報道各社が「JR西日本が研修の一環として新幹線のトンネルの中に社員を座らせ、最高時速300㌔を間近で体感させていた」と報道した。
幅も高さもわずか1㍍しかない溝にうずくまり、頭上を新幹線が通過するのを待つという。無理やり研修を受けさせられた労働者からは、「車両通過の際、線路に敷き詰めた石が風圧でパラパラと落ちてきた。部品の落下だったらと思うと恐い」「恐怖体験だ」と怒りの声が上がってる。
「これは塹壕(ざんごう)戦だ」という人もいる。塹壕とは、戦場で砲撃や銃撃から身を守るために掘られた狭い溝であり、うずくまって相手の攻撃をやり過ごすものだ。JR西日本が研修と称して社員にやらせていることは、戦争の訓練にも等しいものだ。
事故原因は外注化
JR西日本は2015年8月、福岡県内のトンネル内を走行中の新幹線から車両カバーを落失させる事故を起こした。この事故の原因は、新幹線の検査修繕業務をJR西日本からジェイアール西日本新幹線テクノスに外注化したことによる。安全に対して一切責任を取らない体制にしていたのだ。にもかかわらずJR西日本は、新幹線車両の検査修繕作業をおこなう現場労働者がちゃんとしていないとして、時速300㌔を至近距離で体感させているのだ。こんなものは研修ではなく、JR西日本による殺人行為である。JR西日本は2005年に引き起こした尼崎事故で暴露された日勤教育をまったくやめようとせず、一層の合理化・要員削減・非正規職化をおしすすめ、安全を破壊しているのだ。JR西日本は今回の新幹線トンネル内での研修についても、「検修作業の重要性を学んでもらうためで、安全上まったく問題ない」と居直った。絶対に許すことはできない。
第3の分割・民営化粉砕! 反合理化・運転保安確立! 動労西日本は全組合員の総決起で9・10山陽本線五日市駅ストライキを闘う。職場からともに声をあげよう。
(動労西日本書記長・山田和広)