自治労が改憲阻止の大会宣言 被災地・倉敷が参加者の心つかむ
週刊『前進』04頁(2969号01面02)(2018/09/03)
自治労が改憲阻止の大会宣言
被災地・倉敷が参加者の心つかむ
(写真 〈上〉自治労倉敷の組合旗がひるがえる中、会計年度任用職員制度反対をアピールし、ビラと『前進』を配布【8月23日 岐阜市】 〈下〉「豪雨災害の責任は国にある。自治体労働者は共に立ち上がろう」。自治労倉敷・百本副委員長の訴えに多くの参加者が共感)
8月23〜24日、岐阜市内で自治労(組合員80万人)の定期全国大会が大会代議員・傍聴など3400人の結集で開催された。安倍の改憲・労組破壊、人員削減・地方切り捨てに対する現場の怒りと危機感は激しい。改憲案の臨時国会提出・発議阻止へ、決戦の機運がみなぎった。
23日、全国労組交流センター自治体労働者部会と地元・東海の仲間を中心に、会場前で大宣伝を行い、大会全体を牽引(けんいん)した。自治労大会は最後に、「これ以上政治の暴挙を許してはならない」「安倍首相がもくろむ憲法改悪を断固阻止する」宣言を決議した。労働組合の力で改憲を阻止する重大な情勢が切り開かれつつある。
豪雨災害に怒り
アピールの先頭に立ったのは、自治労倉敷の百本敏昭副委員長だ。百本副委員長は岡山県倉敷市真備(まび)地区の被害と現在の状況を怒りを込めて報告した。「豪雨大災害の責任は国にある」「『今だけ・金だけ・自分だけ』の新自由主義による社会の破綻の結果だ」「自治体労働者はこんな社会のあり方を根本的に変革する先頭に立とう」。この訴えは、全国の自治体労働者の共通の思いを表し、心をつかんだ。現に当日も、台風20号の接近・上陸が予想される自治体で「台風対応」業務のために大会に参加できない組合員が多数出た。ひとごとではない。百本委員長の演説と現場でまかれた『前進』(2966号)掲載のアピールに共鳴・感動して、ビラまき隊に握手を求めたり、スマホで演説を動画撮影する参加者も現れた。
「改憲と一体の解雇・団結破壊を許すな/会計年度職員攻撃粉砕を」と大書された横断幕とビラに共感が集まった。安倍が狙う9条改憲の2020年施行と、同年4月から全国自治体に強制しようとしている会計年度任用職員制度導入による団結破壊・労働組合解体と総非正規職化の攻撃は完全に一体である。病院・水道・都市交通などの大民営化・首切り・総非正規職化、会計年度任用職員制度導入に対し、自治労の総力で闘おうという訴えは全参加者のものとなった。
ところが来賓の連合・神津里季生会長、立憲民主党・枝野幸男代表、国民民主党・古川元久幹事長は改憲問題について一言も触れなかった。本音は改憲推進だということだ。腐り切った連合幹部や既成野党ではなく、労働組合の絶対反対の闘いが改憲を阻み、安倍を倒すことがいっそう明らかになった。
議場からは、8月12日の安倍による改憲案の臨時国会提出の表明への怒りと改憲発議阻止の闘い、沖縄の辺野古新基地建設阻止の訴え、そして民営化と会計年度職員攻撃との闘いを求める発言が数多く出された。
ビラの「改憲案国会提出・国会発議に絶対反対する声明を全国各単組で発しよう」という呼びかけは、改憲・戦争阻止!大行進運動の柱となる実践方針である。全国・全産別・地域の労働組合・団体が声明を発し、総力で臨時国会決戦に打って出よう。