小池「安全宣言」許すな 10・11豊洲開業への怒りが爆発

週刊『前進』04頁(2965号02面01)(2018/08/20)


小池「安全宣言」許すな
 10・11豊洲開業への怒りが爆発


 東京都知事・小池百合子は7月31日、豊洲市場について「安全・安心宣言」を出した。8月1日に農林水産相に市場認可の申請を出し、9月13日には豊洲開場記念式典を予定。10月11日開業に向け、矢継ぎ早に動き出した。だが、築地市場で働く仲卸を先頭に小池への怒りが爆発している。豊洲の耐震偽装・違法建築物の使用禁止などを求める裁判も始まる。勝負はこれからだ。「築地を活かし、豊洲を止める会」を都労連をはじめとした労働組合に拡大し、小池を倒そう。

仲卸の仲間と共に闘おう

 小池の「安全・安心宣言」、農水相への豊洲市場の認可申請後、即座に反撃が始まっている。8月12日に東京・曳舟文化センターで開かれた「アベを倒して改憲とめよう!」集会で、豊洲違法建築物の使用禁止・除却命令の義務付け請求訴訟の原告でもある築地仲卸の仲間が怒りのアピールを発した。
 「東京湾を埋め立て、へどろの上に建物を建てた危険なところに、私たちは絶対行きたくない。液状化と同時に危険な毒ガスが上に上がってくることは確かです。小池知事は安全対策も何もやらないで単純に『安全宣言』を出し、移転をさせようとしております。絶対許せません。血水を洗い流す排水設備もなく、衛生上すごく悪い。そんなところにお客さんも来ない」
 仲卸の怒りと団結し、小池の「安全・安心宣言」に怒りを爆発させる時だ。

猛毒ガスが噴き出す豊洲

 小池は前代未聞の大うそで築地をつぶし10月11日豊洲開業を強行しようとしている。移転さえ済めば、あとは何が起ころうと小池は責任を取らない。こんな破廉恥、無責任がまかりとおっていいのか!
 7月20日に発表された6月分の地下水調査で、土壌汚染対策後最大となる環境基準値の170倍のベンゼンが検出された。検出されてはいけない猛毒のシアン(青酸カリ)も23カ所中17カ所で検出された。これらの有毒ガスが地下から上昇してくる場所に市場を建設することは、食の安全を崩壊させ、労働者の生命を危険にさらす犯罪行為だ。
 地下水汚染対策として、地下水の水位を海抜1・8㍍以下にすることなどを目標に追加対策工事を行ったが、今も水位が海抜3㍍を超える地点があり、地下水をコントロールできない事実が明確になった。
 にもかかわらず専門家会議は「将来リスクを踏まえた安全性が確保された」と大うその評価を行った。「将来リスクを踏まえた安全性」とは一体、何なのか。大地震で豊洲の地盤は容易に液状化する。また、地下水位が上昇すれば空気中の毒物の濃度は高まる。豊洲開業後にこうした事態が生じる可能性は十分にあるのだ。
 だが、どれだけ虚偽にまみれ、破綻していようとも小池は既成事実を積み重ね、分断とあきらめ、絶望をあおり立てることを狙っている。そうしなければ築地解体が進まず、2020年東京オリンピックも大破綻するからだ。だが、これを打ち破る根底的な決起が始まっている。

違法建築物を使用するな

 豊洲の違法建築物の使用禁止・是正(除却)命令を求め、仲卸5人が原告となって提訴した裁判の第1回口頭弁論が9月21日に東京地裁で開かれる。仮の使用禁止の義務付けを要請する申し立ても行われ、その審尋も始まる。都は意見書(答弁書)を提出したが、ことごとくが居直りと虚偽に満ちている。なんと「本建築物で仲卸業を営むかどうかは、申立人の判断」「移転や就労を『強要』している事実はない」として、豊洲がいやなら廃業すればいいと言うのである。絶対に許せない。
 都がもし移転を中止せず強行するならば、仲卸業者と従業員が建築基準法令に違反した建物での就業を強いられる事態となる。柱脚の根元から倒壊するおそれが複数の建築設計の専門家から指摘されている。築地解体後にそのような事態となった場合、市場機能は完全に崩壊するのだ。第1回口頭弁論に大結集しよう。
 築地市場営業権組合の加入者は150人を超え急増している。営業権は各事業者に存在するのであり、東京魚市場協同組合(東卸)の総代会や理事長の移転「承認」は、権利を持たない者が勝手に声を上げただけで無効であると、小池に突きつけている。
 都労連をはじめ労働組合の決起で戦争と民営化の小池都政を打倒する時だ。
 小池打倒の切っ先が豊洲移転絶対阻止の闘いだ。今こそ小池・安倍打倒へ攻勢にうって出よう。
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