豊洲移転を絶対に止める 仲卸を先頭に築地で総決起集会

週刊『前進』04頁(2959号01面02)(2018/07/23)


豊洲移転を絶対に止める
 仲卸を先頭に築地で総決起集会

(写真 「築地を活かし豊洲への移転を止める」総決起集会で武内更一弁護士が豊洲の違法建築物の使用禁止などを求める訴訟について解説。移転阻止への確信を深めた【7月12日 東京・築地市場厚生会館】)

91人集い団結固め

 「築地を活かし豊洲を止める会」の主催で、築地総決起集会が7月12日に築地市場厚生会館で開かれた。市場での仕事を終えた仲卸の仲間が続々と詰めかけ、91人が結集した。集会は立ち見が出るほどの大盛況となり、豊洲移転は絶対に阻止できるという確信と団結を打ち固めた。
 築地を活かし豊洲を止める会は、今年4月の「築地の移転を絶対止める4・14集会」を皮切りに、築地中央卸売市場の仲卸の仲間を先頭に市場内外の労働者、市民、建築設計士の協力を得て4月28日に旗揚げされた。「築地市場を守り、豊洲移転を止めることを目的」(規約)に闘いを開始した。6月29日には「豊洲市場の違法建築物の使用禁止・除去」を求めて東京地裁に提訴。7月9日には仮の義務付けの申し立ても東京地裁に受理され、これから審尋が始まる。

裁判に絶対に勝つ

 原告の仲卸の村木智義さんのあいさつで集会が始まった。村木さんは「国や都が違法なことをしたらどうなるのか。この裁判は絶対に勝たなければだめです」と訴えた。司会を務めた合同・一般労組全国協議会の小泉義秀事務局長が、9月21日午前11時から東京地裁で行われる第1回口頭弁論に全力結集することを呼びかけた。
 会の代表で仲卸の宮原洋志さんがあいさつに立った。宮原さんは、豊洲市場の建築物の柱脚の鉄量が44%不足している問題に加え、地盤が弱く地震が起きれば液状化で建物が沈む可能性が高いこと、豊洲市場地下からメタンガスとシアンなどの毒物が噴き上げ密閉空間に充満する危険性を指摘した。豊洲に移転することは「命の危険があり、大型地震発生と同時に仲卸の存在が消滅する恐れがある。小池知事が『安全宣言』を出しても絶対に移転に反対する」と語った。建物の下敷きになり、仲卸が犠牲になるということだ。また、床の耐荷重が重みに耐えられず氷の貯蔵も販売もできないことや、床を水で流す設備も排水設備もなく不衛生きわまりないこと、1㌧のフォークリフトも使えないことなど、卸売市場としてまったく機能しない豊洲市場の実態に怒りを表した。会場の仲卸から「そのとおり!」との声が上がった。

応援を力に頑張る

 弁護団の武内更一弁護士が、今回の行政訴訟について図を用いて丁寧に解説した。藤田城治弁護士が口頭弁論に多くの人が結集することが重要だと述べた。
 福岡から駆けつけた構造設計一級建築士の仲盛昭二さんが「日建設計が都の市場問題プロジェクトチーム(PT)で行った説明は真っ赤なうそ。偽装という段階ではなく犯罪」「建築技術的に裁判で負けることは一切ない」と断言した。
 会場から活発な質疑が続いた。江戸時代以来400年近く続く市場の合理的な仕組みである「茶屋」制度をも廃止する豊洲市場への怒りや、築地市場営業権組合結成の意義も明らかにされた。福島から参加した椎名千恵子さんが、福島での被曝による健康被害の拡大と市場移転問題の根っこはひとつだと述べ、近くの銀座郵便局で働く星野勝紀さんは公設市場民営化は絶対に許せないと語った。原告の仲卸の仲間が「築地で断固として続けたい」「皆さんに応援していただくともっとがんばろうと思う」「豊洲の建物にはすごく不満」と思いを語った。
 集会の成功を直ちに都内・各地の労働組合に広げ、築地を活かし豊洲を止める会の賛同を広げよう。
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