学生は商品ではない!法人化で軍事研究が拡大
週刊『前進』02頁(2958号02面03)(2018/07/19)
学生は商品ではない!
法人化で軍事研究が拡大
(写真 立て看規制に反対する4・27京大集会)
「大学改革」を粉砕しよう。森友・加計問題―日大アメフト悪質タックル問題―東京医大不正入学問題……。これは「教育のビジネス化=学生の商品化」であり、「大学改革」の核心が教育を金もうけの手段とすることにあります。その行き着く先は、再びの戦争協力=大学の軍事研究であり、学徒動員です。
「大学改革」は、2004年4月の国立大学法人化から本格的に始まります。国立大法人化は、「目標・計画の設定や定期的な業績評価といった仕組みをつうじて国の意思を法人運営に反映させる」(自民党提言)と、国家が大学を直接に支配する制度として導入されました。各大学に意思決定機関として「経営協議会」がつくられ、その過半数メンバーを「学外委員」を名乗る大資本家が握り、大学運営は一変しました。
高橋宏・首都大学東京元理事長は05年、「大学の役割は民間企業と同じだ。原材料を仕入れ、加工して製品に仕上げ、卒業証書という保証書をつけて企業へ出す。これが産学連携だ」と、「大学改革」の目的をあけすけに語っています。「学生=製品」と開き直っているのです。それは同時に、学生・保護者を資本の搾取の対象とし、高い学費と奨学金で貧困に追い込んでいくことにもなります。
また法人化は、「大学の軍事研究」と一体で進みます。国公私立を含む大学間競争があおられ、国立大への運営費交付金は削減され、大学・研究室の財政的危機をつくり出しています。逆に、防衛省が大学に投資する軍事研究費(安全保障技術研究推進制度)は3億円から110億円に増額され、軍事研究もしくは米軍マネーに手を出さざるをえない状況に大学を追い込んでいます。
「大学改革」との対決は、京都大学を先頭に、大学自治とりわけ学生自治をめぐる大学当局との攻防として始まっています。「教育の商業化」「戦争と軍事研究」に反対する学生自治会、学生の団結がある限り、教育・研究を国家権力や資本が牛耳ることはできません。大学を資本に明け渡すのか、学生や労働者のもとに奪い返すのか。全国に「改憲・戦争」「大学の商業化」と対決する学生自治会をよみがえらせよう。