朝鮮高校生から土産品押収 排外主義と戦争あおる暴挙弾劾

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週刊『前進』04頁(2957号04面02)(2018/07/16)


朝鮮高校生から土産品押収
 排外主義と戦争あおる暴挙弾劾


 6月28日夜、神戸朝鮮高級学校の生徒62人中約半数が、就学旅行先の北朝鮮から持ち帰った土産品を「輸入が禁止されている」として関西国際空港の税関で押収されるという許しがたい事件が起こった。
 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)は29日、記者会見を行い、「押収された土産品は祖国の家族と親戚、友人らが日本で暮らす家族のために誠意を込めて準備したもので、日本の独自『制裁』の対象となっている輸入品には該当しないものだ」と訴え、日本政府が米朝会談後も北朝鮮への敵意と排外主義をますますあおり、子どもの人権をも踏みにじっていることを弾劾した。
 神戸朝鮮高級学校の許敬(ホギョン)校長は、「祖国で購入し生徒自身が運動をするとき着用したスポーツウェアまでも『朝鮮語』や『朝鮮国旗』が記されているという理由で押収され、日本から持っていった衣類まで押収された生徒もいた」と明らかにした。
 この攻撃は何よりも、南北会談―米朝会談の流れの中で、米帝トランプだけでなく内外情勢からはじき出され、国家存亡の危機にある日帝・安倍政権による在日朝鮮人民、とりわけ子どもたちにまで向けられた刃(やいば)だ。絶対に許すわけにはいかない。安倍政権の凶暴な改憲・戦争攻撃として徹底的に弾劾する。

安倍の改憲が元凶

 北朝鮮に対する日帝独自の「制裁措置」は、06年7月の北朝鮮によるミサイル発射訓練に対し、万景峰92号の入港禁止措置などの実施から始まった。その後、この「独自制裁」の強化と並行し、日本政府や地方自治体によって、高校無償化制度からの朝鮮学校の排除や補助金の停止・削減など在日朝鮮人を標的とした権利侵害が多発している。
 「拉致問題」以降、在特会などを使ったヘイトスピーチなどが助長され、さらに「制裁」によって在日朝鮮人を標的にした暴力的な弾圧が繰り返され、在特会などによるヘイトクライムが助長されてきた。
 南北会談―米朝首脳会談という流れの中で在日朝鮮人が期待する平和と統一ではなく、逆により一層の差別・排外主義が激化している。安倍政権が、あくまで改憲によって「戦争のできる国」へと日本を変えようとしていることによって引き起こされていることだ。北朝鮮敵視政策を貫き、「働き方改革」で労働者・労働組合の権利をなきものにし、在日朝鮮人をはじめとした在日・滞日外国人労働者と日本の労働者を階級的に分断・対立させようとしているのだ。

在日人民と団結を

 そもそも戦後革命期以来、日帝にとって在日朝鮮人は、一貫した「内乱勢力」「革命勢力」として脅威の対象であり続けてきた。それが今、日本軍慰安婦問題をはじめとし、日帝の新たな侵略戦争策動を阻む存在として登場しているのだ。これに対する恐怖と憎悪が、今回の凶暴な攻撃の最深の根拠になっている。求められているのは、戦後革命期以来の分断を打ち破る日本労働者人民と在日朝鮮人(在日・滞日外国人労働者)との階級的合流・団結だ。ここに安倍政権の改憲・戦争を阻止する道がある。
 この事態に対し7月3日、韓国・ソウルの日本大使館前で「日本政府の神戸朝鮮高級学校修学旅行物品押収に伴う糾弾記者会見」が開かれ、日本政府に対し「在日同胞学生の人権蹂躪(じゅうりん)を謝罪し、押収した物品を返還せよ」と要求した。民主労総、韓国労総をはじめ224団体、83人が名前を連ねる根底的な怒りの決起だ。
 労働者国際主義を貫き、8・5反戦反核国際連帯集会―8・6ヒロシマ大行動に大結集し、民族・国籍・国境を越えた労働者の国際連帯の力で、安倍を監獄にたたき込もう! 今こそ怒りを倍加させ、改憲・戦争阻止に立ち上がろう!

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