「エネルギー基本計画」で原発再稼働・核武装に突進 改憲と一体の安倍の攻撃許すな
「エネルギー基本計画」で原発再稼働・核武装に突進
改憲と一体の安倍の攻撃許すな
30年に原発比率20〜22%目指す
日帝・安倍政権は7月3日に「エネルギー基本計画」を閣議決定し、原発再稼働と核燃サイクル推進、核武装化の狙いをはっきりと示した。これは改憲へ向かう攻撃と完全に一体だ。
2014年以来、4年ぶりとなる新たな基本計画は、30年度における原発の電力供給比率を20〜22%にするという目標の「実現をめざす」と明記した。20〜22%を実現するには、30基程度の再稼働が必要だとされる。絶対に許してはならない。
原発の「コストが安い」などうそだ。原発は被曝労働に従事する膨大な労働者を使い捨て、命と引き換えに「安い電力」を生み出す非人間性の極みだ。その上に、事故が起きた場合の損害賠償費用や核廃棄物の処理や廃炉にかかる費用などは考慮もされていない。
政府が目標とする20〜22%に対して、原発の比率は16年度で1・1%だ。福島・全国の労働者人民の怒りと闘いを圧殺することなしに再稼働が立ち行かないからだ。だから基本計画は「福島の復興・再生」が「エネルギー政策の再構築の出発点」であるとし、被曝の現実を抹殺し、福島県民に対する被曝と帰還の強制をさらに加速させている。2020年のJR常磐線全線開通を軸に福島を徹底的に圧殺するという許しがたい宣言だ。
特筆すべきは、プルトニウムの保有量を「削減する」としながらも、「核燃サイクル政策を推進する」と明記したことだ。
破産した核燃料サイクル「推進」
今年6月、米帝が日帝にプルトニウム保有量の削減を要求した。さらに米帝は、日帝の核燃サイクルからの撤退の必要性まで明言している。核兵器の原料となるプルトニウムを手放さない意思を日帝が示していることに米帝が危機感を募らせているのだ。
核兵器非保有国で使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し再処理する核燃サイクル事業は原則禁止されている。しかし日帝は、88年発効の日米原子力協定で「特例扱い」とされて以来、国策として核燃サイクルを推進してきた。それは日帝にとって核武装の偽装形態そのものである。
その中軸に位置する高速増殖原型炉もんじゅが16年に廃炉に追い込まれ、核燃サイクルは土台から破綻した。11年3・11原発事故後、全国の労働者人民の怒りで再稼働が進まず、余剰プルトニウムはたまり続けた。その量は16年末現在で約47㌧、原爆6千発分に相当する。日帝こそ核の脅威をアジアと世界の人民に与えている帝国主義国だ。
米朝首脳会談での「非核化」交渉は、東アジアと朝鮮半島、日本をめぐる情勢を核武装と核戦争情勢に激変させている。戦後世界体制の崩壊と世界戦争危機の中で、焦りに駆られた核武装化への衝動が日帝支配階級内部から噴き出している。桜井よしこは7月2日付産経新聞で、「小泉元首相の反原発......壮大な間違い」として、「国家の基盤をなすエネルギー政策を科学の視点で構築できるか否か、このまま国力を失うか否かの岐路に、わが国は立っている」とわめいた。それほど日帝の核武装化の衝動が強まっている。
今、日帝は、福島の怒りを圧殺し、東京電力柏崎刈羽6、7号機や日本原電の東海第二原発などの再稼働へ突き進もうとしている。それは改憲・核武装への攻撃と完全に一体である。
8月広島、長崎反戦反核闘争へ
7月4日に、名古屋高裁金沢支部は関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じた14年5月の一審福井地裁判決を取り消し、住民側の請求を棄却する反動判決を出した。判決は「危険性は社会通念上無視しうる」とし、「立法府や行政府の政治的な判断に委ねられるべき」という支配の論理をむき出しにした。
これと連動して、同日、原子力規制委員会が東海第二原発について「安全対策工事」をすれば新規制基準に「適合」すると認可した。東海第二は半径30㌔メートル内に96万人が住む原発だ。この再稼働に向け、原子力規制委員会の「判断」を絶対化させ「地元自治体の合意」を限りなく形骸化させていこうとする意図が貫かれている。
動労水戸は東海第二原発再稼働を絶対に阻むと不退転の決意を表している。
8・5〜6広島、8・9長崎反戦反核闘争が決定的となった。改憲と一体の日帝の核武装阻止、安倍打倒へ、改憲・戦争阻止!大行進運動を職場・地域から力強く発展させよう。