豪雨被害は安倍の犯罪 新自由主義の地方切り捨て・大軍拡が大惨事の一切の元凶

週刊『前進』04頁(2957号01面01)(2018/07/16)


豪雨被害は安倍の犯罪
 新自由主義の地方切り捨て・大軍拡が大惨事の一切の元凶


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 米中貿易戦争の激化が全世界に衝撃を与え、新たな世界戦争の危機を急速に引き寄せている中で、安倍政権は「戦争する国」への転換をかけて9条解体の改憲攻撃にますます突進している。大軍拡と大資本のためには国家財政を湯水のようにつぎ込む一方で、労働者民衆の命と生活はとことん犠牲にして恥じない。西日本豪雨被害は、そのことをあからさまに示した。もう許せない! 労働者の命を踏みにじって戦争・改憲に突き進む安倍政権を倒そう。今秋臨時国会での改憲発議を止めるために、「改憲・戦争阻止!大行進」を全国でつくりだそう。広島での8・5国際反戦反核集会と8・6ヒロシマ大行動、8・9長崎反戦反核闘争に全国から総決起しよう。職場で資本と闘うとともに、職場から改憲阻止の闘いをつくりだそう。

災害対策怠り多大な犠牲

 西日本豪雨に伴う大災害は、死者・行方不明者が200人を超える大惨事となっている。これは「命よりも金もうけ」の新自由主義による人災であり、安倍による国家犯罪だ。
 地方を切り捨て、災害対策に金をかけず、災害に対する抵抗力を奪った結果が大惨事をもたらした。堤防が決壊し、倉敷市真備町に大洪水を引き起こした小田川は、以前から危険が指摘されていたが、堤防補強工事も行われてこなかった。真備町は「平成の大合併」で倉敷市に合併され、町役場の職員も減らされていった。島根県と広島県を横断するJR三江線も地元の反対の声を踏みにじって、2018年4月1日に廃線になった。
 財政難を口実とした民営化や非正規職化が進み、地方切り捨てによる過疎化、廃村化、鉄道・バスなどの公共交通機関の切り捨ては全国で大問題になっており、西日本豪雨被害のような大惨事が全国で起きてもおかしくない。
 安倍は、労働者の命と安全のために金をかけず、東京オリンピックやリニア新幹線の建設などには何兆円もの税金を投入している。陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」1基あたり1000億円、迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」1発あたり30億円、オスプレイ17機3400億円、F35ステルス戦闘機42機5400億円など、税金を湯水のように使って大軍拡に突き進んでいる。愛媛県と今治市は加計学園が新設した岡山理科大学獣医学部に186億円超の補助金を投入する。
 気象庁が記録的大雨の恐れがあるとして厳重警戒を呼び掛けた夜、安倍や上川陽子法相、自民党議員らはオウム大量処刑の前祝いとして酒宴を開いていた。労働者民衆の命には目もくれない腐敗した姿に、被災地や全国で怒りの声が爆発している。こんな連中が政治権力を握り続ける限り労働者民衆は殺されていく。今こそ労働者民衆が立ち上がり、安倍を権力の座から引きずり降ろす時だ。
 獄中43年、最高裁決定から30年、無実の星野文昭さんを労働者民衆の団結した力で取り戻そう。安倍を監獄へたたき込もう!

米中貿易戦争で日帝危機

 安倍政権は労働者人民の命と生活を徹底的に犠牲にする一方で、「戦争する国」への絶望的な飛躍をかけて、改憲・戦争・核武装への衝動をますます強めている。
 とりわけ米中貿易戦争の激化が改憲攻撃に拍車をかけている。トランプ政権は7月6日、知的財産権の侵害を理由に中国からの輸入品340億㌦(約3・8兆円)分に25%の追加関税をかける制裁を始めた。中国は直ちに同じ規模の報復措置を行った。これに対してトランプ政権は10日、中国からの輸入品2000億㌦(約22兆円)分に10%の関税をかける制裁手続きを始めた。対象は6031品目にも及ぶ。トランプは「かつて負けた貿易戦争に今度は勝つ。勝ち続ける」と言い、他国をたたきつぶしてでもアメリカ帝国主義の利害を貫こうとしている。
 GDP(国内総生産)で世界第1位と第2位のアメリカと中国が世界の市場、資源、勢力圏をめぐって激突することは、米中戦争―世界戦争にいきつく。1929年世界大恐慌は世界経済の大分裂と保護主義・ブロック経済を生みだし、第2次世界大戦を引き起こした。トランプは、中国の台頭を軍事的に粉砕することも射程に入れて、米中貿易戦争をしかけている。
 「北朝鮮の非核化」をめぐっても、米中の主導権争いが激化している。トランプは、米中貿易戦争の展開次第では、中国への恫喝をこめて朝鮮侵略戦争に踏み出す選択肢をもちながら、北朝鮮の「非核化」政策を進めているのだ。
 こうした世界情勢の激変に最も打撃を受けているのが安倍政権だ。朝鮮南北首脳会談や米朝首脳会談から「かやの外」に置かれ、米中貿易戦争の爆発で「戦争のできない国」「核兵器をもたない国」は何の発言権も影響力も持たないことが突きつけられた。
 安倍はすべての国家犯罪を居直り、9月自民党総裁選で3選を果たし、秋の臨時国会での改憲発議と来年春の国民投票を狙っている。どんなにボロボロになろうが、改憲にすべてをかけている。「改憲・戦争阻止!大行進」を臨時国会までに全国で立ち上げよう。

労働者の命奪う安倍倒せ

 「戦争放棄」「戦力不保持、国の交戦権の否認」を定めた憲法9条を解体することは、「戦争する国」へと国のあり方を根本的に変えることを意味する。自民党改憲案では、「自衛の措置」と言えばどんな戦争も可能な仕組みになっている。これまでもあらゆる戦争は「自衛」の名で行われてきた。戦争だけは二度としてはならない。戦争をやろうとする政府は倒さなければならない。そして戦争を不可避とする資本主義・帝国主義を打ち倒し、労働者が主人公の新しい社会をつくろう。
 安倍は「世界で一番企業が活躍しやすい国をめざす」として、労働者の命を奪う「働き方改革」関連法を強行成立させた。「もう生きていけない」「働くのがつらい」という労働相談が全国で急増している。労働者民衆の命が安倍政権によって奪われている。もう我慢の限界だ。職場で資本と徹底的に闘い、労働者の命を守り抜こう。そして、労働者民衆を殺し合わせる戦争・改憲を許さない闘いを職場からつくろう。働き方改革や改憲は、すべて資本家の強盗的な利益のためだ。強盗連中の利益のために労働者の命が奪われてはならない!
 動労千葉は、国鉄1047名解雇撤回に向けて労働委員会闘争を新たに開始し、JR乗務員勤務制度の解体攻撃に対してストライキを構えている。同時に、今秋臨時国会での改憲発議絶対阻止に向け、「改憲・戦争阻止!大行進」の先頭に立つことを決定した。資本と闘うとともに、戦争・改憲とも闘う。この相乗作用が労働者の団結を強化し、闘う労働組合をつくりだす。労働運動の再生をかけて、改憲阻止の闘いに全力をあげよう。
 改憲阻止闘争を通して、パククネ政権を打倒した韓国のロウソク革命を日本で実現しよう。ロウソク革命は、鉄道労組を先頭にした労働組合がゼネラル・ストライキに立ち上がり、のべ1700万人の民衆が光化門前広場を埋めた。こうした闘いを「改憲・戦争阻止!大行進」としてつくりだし、改憲発議を阻止して安倍を倒そう!

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