知る・考える 用語解説 賃金-資本家の搾取を貫く支払い形態
週刊『前進』02頁(2956号02面05)(2018/07/12)
知る・考える 用語解説
賃金-資本家の搾取を貫く支払い形態
資本主義社会では、労働者は自らの労働力を商品として資本家に売ることでしか、労働にありつくことができない。その労働力商品の対価として労働者が資本家から受け取るのが賃金である。
労働力商品の価値は、他の商品と同じくその生産に必要な労働時間によって規定される。労働力の生産(再生産)とは、自分の財産を持たず労働力を売らなければ生きられない階級として、賃金労働者を再生産するということである。したがって労働力商品の価値とは、労働者の生存と生殖に最低限必要な生活必需品の価値でしかない。労働者がどれだけ多くの価値を生産したかにかかわらず、賃金は彼らの生活を最低限維持するのに必要な範囲を超えない。
今日の総非正規職化攻撃のもとで、青年を始め圧倒的多数の労働者は、生活し結婚して子どもを生み育てるために必要な賃金すら受け取っていない。労働者が賃金分を超えて生産した剰余価値はすべて資本家に搾取される。賃金制度とは、あたかも「働いた時間に応じて正当な対価を支払った」かのような仮象をとって、資本家による悪らつな搾取を正当化し居直る「ひとつの奴隷制度」である。
さらに資本家は賃金の多少で労働者を分断し、賃金を下げようとする。労働者は労働組合に団結し職場で闘うことでこの攻撃と対抗する。そして、プロレタリア革命を通じて賃金制度そのものを最後的に廃止することこそ、労働者階級の歴史的使命である。