改憲・戦争阻止の大決戦へ 働き方法案の強行弾劾 攻防の場は職場に移った

週刊『前進』02頁(2954号01面01)(2018/07/05)


改憲・戦争阻止の大決戦へ
 働き方法案の強行弾劾
 攻防の場は職場に移った


 安倍政権は6月29日の参院本会議で「働き方改革」関連法案の採決を強行し、成立させた。「働き方改革」の狙いは、労働時間規制を撤廃する「高度プロフェッショナル制度」で労働基準法の根本を解体し、全労働者を非正規職に追い込むことにある。同時にそれは、労働者の団結を解体し、その抵抗力を根こそぎ奪って、改憲・戦争に突き進むためのものだ。
 闘いの主戦場は職場に移った。7・1国鉄闘争集会は、「働き方改革」の最先端に位置するJRの乗務員制度解体攻撃との対決を軸に、職場から「働き方改革」粉砕・改憲阻止へ総決起する陣形と団結をつくった。闘いはこれからだ。

命を奪う資本への激しい怒りが噴出

 「全国過労死を考える家族の会」は「過労死防止と矛盾する法律」と直ちに怒りを表明した。電通社員で過労自殺に追い込まれた高橋まつりさんの母親の幸美さんは、参院本会議の傍聴席で、まつりさんの遺影に「これがあなたを追い詰めた日本の姿だよ」と語りかけたという。
 労働者の命より金もうけを優先する企業と安倍政権への怒りは、資本が支配するこの社会そのものへの怒りとして爆発する。
 法の成立を受け、経団連会長の中西宏明は「裁量労働制の拡大へ早期の法案再提出を期待する」というコメントを出した。労働者の命をどこまでも奪う資本の本質は、ここにあからさまに示されている。
 過労死遺族の怒りを体現できるのは、こうした資本と真っ向から対決する階級的労働運動だ。職場に闘う労働組合をよみがえらせる勝負の時が来た。
 安倍の叫ぶ「同一労働同一賃金」が労働者の総非正規職化を狙うものであることも、もはや明らかだ。
 法の成立に先立ち、最高裁は長沢運輸とハマキョウレックスの非正規職労働者が賃金格差の是正を求めた裁判で、格差を容認する判決を出した。また、日本郵政は格差是正を口実に一般職や正社員に支給されていた手当の廃止・削減に踏み込み、JP労組中央もそれを認めた。
 だが、こうした攻撃は、闘う労働組合をよみがえらせる転機に必ずなる。競争を強いて労働者を分断し、低賃金で命を削るような労働を強いる資本への現場の怒りは、絶対に根絶やしにはできないからだ。

「労組のない社会」に変える改憲攻撃

 「働き方改革」は改憲攻撃そのものだ。今回の法案の採決は、国民民主党と自公との合意によってなされた。9月の大会で改憲推進方針を打ち出そうとしているUAゼンセンは、国民民主支持を政治方針として決めている。UAゼンセンを水路に連合を改憲勢力に取り込む攻撃は、今回の事態でさらに進行した。
 安倍はまた、JR東労組を崩壊させたJR資本をモデルに、「労働組合のない社会」をつくり出そうとたくらんでいる。そのJRの乗務員制度解体の攻撃は、鉄道の安全を破壊し、労働者と乗客の命を奪うものだ。これに対し動労千葉は、数波のストを構え反撃する方針を確立した。この闘いは、労働者には労働組合が絶対に必要だという意識を必ず呼び覚ます。労働運動を原点からよみがえらせる闘いが始まったのだ。
 「働き方改革」粉砕、改憲・戦争阻止へ、職場から徹底的に闘おう。

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