戦争教育・改憲を許さない 広島で教育労働者のつどい 根津公子さんを招いて
週刊『前進』04頁(2953号02面02)(2018/07/02)
戦争教育・改憲を許さない
広島で教育労働者のつどい
根津公子さんを招いて
(写真 根津公子さんは笑顔いっぱいで登壇し、行動を起こそうとみんなに訴えた【6月23日 広島市】)
6月23日、「君が代」不起立処分撤回で現在も裁判を闘っている広島の3人の教育労働者の呼びかけで、広島市内で「教え子を再び戦場に送るな!戦争教育・改憲を許さない 広島教育労働者のつどい」を行い、50人が集まった。
東京で「君が代」不起立を闘った根津公子さんは、学校現場の状況、戦争教育と改憲攻撃について「すべては『日の丸・君が代』から始まったと思う」と切り出した。自身の不起立への解雇攻撃について「大勢応援に来てくれた。それでクビにならなかった」と述べ、みんなに訴え行動を起こす大切さを強調された。そして「全国の学校で教職員が立ち上がれば子どもも親も、社会もみんな変わる」と訴え、「現場の直感に間違いはない、自分が感じた通りに行動しよう」と檄(げき)を飛ばされた。
不起立処分撤回裁判を闘う3人の原告が報告と提起を行った。特別支援学校の高教組の仲間は、「日の丸・君が代」強制による文部省是正指導から20年で学校現場がどうなったかをリアルに暴いた。元号を使っていない報告書は書き直し、すべては校長の権限と決裁でしか動かない。「予算がない」とカラーコピー機が突然撤去され、視覚に訴える教育が重要な子どもたちに白黒の教材しか渡せなくなった一方、無意味な報告書類にはいくらでも紙を使い、公開研究授業予算は百万円に上る。誰のために学校があり教育があるのかまったく転倒している。
そんな現場の状況を怒りとともに笑いとばしつつ報告し、集会に賛同してくれた職場の分会の仲間とともに闘いぬく決意を語った。
カンパアピールを行った広教組組合員の倉澤憲司さんは、「組合こそ今日のような集会を開くべき。組合を変えよう」と訴えた。
自由討論では、非正規職の教育労働者が「1時間いくらで授業時間分だけの賃金。1校1日5時間を4校かけ持つ。将来設計もできない。臨時採用も集まらない。教員が足りないなら正規職で雇用すべき」と訴えた。集会に参加できなかった栄養教諭の仲間が「食育が重要と言いながら学校で作っていた調理場をつぶした。給食合理化の現実を少しでも知ってほしい」とメッセージをくれた。
是正指導から20年。「平和と平等」から「競争と格差、民営化」の新自由主義教育へ転換し、組合と職場の団結を解体し、戦争教育と改憲を行うための「君が代」処分であったことが明白となった。集会は国鉄解雇撤回闘争とともに、不起立処分撤回へ闘う教育労働者が職場と地域の団結を再生し、教育破壊と対決し、改憲・戦争に絶対反対で闘う軸となることを示した。
集会へ向けて地域の仲間が学校・分会を訪問し、賛同に広教組大会での23人をはじめ123人が応じ、地域の労働組合と教組の関係も生まれた。集会は、広島の教育労働者を先頭に8・5〜6ヒロシマ闘争、改憲・戦争阻止!大行進へ向けての飛躍点となった。
(広島不起立処分撤回裁判原告・平野綾子)