「労組のない会社」狙うJR 東労組の屈服が攻撃を促進

週刊『前進』02頁(2952号01面02)(2018/06/28)


「労組のない会社」狙うJR
 東労組の屈服が攻撃を促進


 JR東労組を崩壊に追い込んだJR資本は、JR東日本を「労働組合のない会社」にすることを狙っている。それは「働き方改革」の最先端にあり、改憲・戦争に向けた攻撃でもある。
 資本によって解体の対象とされながら、これを裏から促進しているのが東労組だ。東労組が6月13日に開いた定期大会は、「組合員の雇用を守るために、今後の『施策』と新たな『働き方』に真摯(しんし)に挑もう」というスローガンを掲げた。会社の方針を実現するために奮闘しますと資本に誓ったのだ。

松崎「冬の時代論」への反動的な回帰

 定期大会は、4月12日の臨時大会で決定された前委員長の吉川英一らへの制裁を再確認した。臨時大会以降、本部を握った大宮、千葉、仙台、秋田、盛岡の5地本派は「18春闘は大敗北」と叫び、その責任を吉川らに押し付けたのだ。だが、5地本派もれっきとしたカクマルであり、組織を崩壊させた張本人だ。
 彼らが「大敗北」を強調するのは、〝今は闘う時ではない。資本の攻撃を受け入れなければ雇用は守れない〟として、組合員を資本に差し出すためだ。国鉄分割・民営化に際し初代委員長の松崎明が唱えた「冬の時代」論を、彼らはさらに反動的に純化させたのだ。
 今なお東労組に残る組合員の多くは、カクマルに根本的な不信を抱きながらも、労組がなければ資本の攻撃から身を守れないと感じている。だが東労組執行部は、資本に全面屈服するしかない。そこから生まれる絶望に付け込んで、資本は攻撃を強めている。
 東労組本部は今大会で「一部OBによる『JR東労組を憂う会』は組織破壊集団。絶対に許さない」と叫び立てた。「一部OB」と言うが、実際の攻撃対象は本部と対立する東京、八王子、水戸の3地本だ。カクマルの地金をむき出しにした抗争に入ったのだ。
 その東京地本は6月17~18日の地本大会で、「18春闘は賃金格差を是正する成果を上げた」「不当労働行為は許さない」という、本部大会とは相反する方針を決めた。だが、労働委員会への申し立ても取り下げた東京地本執行部に、不当労働行為と闘う気などないことも明らかだ。

職場に団結つくり反対の声上げよう

 東労組執行部がどれほど屈服しても、資本は彼らを相手にしない。JRは御用労組さえつくらせず、乗務員制度の解体を始めとした攻撃を進めている。それは、労働者に諦めを強いることで初めて成り立つ。
 だから、職場に団結を取り戻し、反対の声を上げることが重要だ。今こそ動労総連合に結集しよう。
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