知る・考える 用語解説 道徳の教科化-日教組解体と戦争教育を狙う
週刊『前進』02頁(2946号02面04)(2018/06/07)
知る・考える 用語解説
道徳の教科化-日教組解体と戦争教育を狙う
日教組を解体し、教育労働者を戦争教育の担い手にすることを狙う、安倍の改憲・戦争と一体の攻撃である。道徳は今年度から小学校で教科化され、中学校では来年度からの教科化が決まっている。
戦前の「修身科」は「滅私奉公」「忠君愛国」の価値観を子どもたちに教え込み、戦争国家化に使われたとして戦後廃止された。1958年に「教科外の活動」として道徳の時間が特設されたが、「教え子を再び戦場に送るな」を掲げる日教組は「修身科の復活だ」と反対し、現場の裁量で学級活動や平和教育、解放教育などに充ててきた。
安倍は2006年に教育基本法を改悪し「愛国心」を盛り込むと、13年に道徳の教科化を提言。「教育勅語」を暗唱させていた森友学園のような天皇制教育を全国に広げようとした。教科化は検定教科書の使用と成績評価を課す。子どもたちには国が求める22の価値——「正直、誠実」などとともに「規則の尊重」「国や郷土を愛する態度」などを体得させ、国・資本に従順な奴隷になるように導く。小学校の教科書では「き立して国旗にたいしてしせいを正し、ぼうしをとって、れいをします」(教育出版)と「日の丸」を強いる記述も登場。中学校の教科書でも「愛国心」の自己評価欄が設けられた。まさに戦前の「修身科」の復活である。
だが虚偽・不正・腐敗にまみれた安倍に道徳を語る資格はない。教組の再生こそ戦争教育を打ち破る道だ。