旭支会支援共闘を結成 解雇撤回・非正規職撤廃誓う
旭支会支援共闘を結成
解雇撤回・非正規職撤廃誓う
5月26日夜、旭非正規職支会支援共闘会議結成集会が東京・亀戸で開かれた。沖縄、広島を含む参加者70人が支援共闘会議の結成を宣言し、国際連帯の新たな一歩を踏み出した。
開会あいさつを行った合同・一般労組全国協の小泉義秀事務局長が、「朝鮮半島情勢の主導権はろうそく革命を実現した民主労総にあり、戦争を止める力となっている」と語り、2月に旭硝子(ガラス)本社に解雇撤回を求めて来日した旭非正規職支会との支援連帯闘争の経過を紹介した。
テグ文化放送が5・1メーデーに旭支会を特集した番組を上映。旭支会の1000日にわたる闘いが映し出された。旭支会からのビデオメッセージでは、チャホノ支会長ら組合員が登場、「必ず勝利し、復職します!」「国を超えて連帯してくれてありがとう」の声が届いた(写真下)。
基調報告を行った群馬合同労組の清水彰二委員長は、「共闘会議結成は、何よりも一日も早く彼らの解雇撤回を勝ち取るためだ」と押さえた上で、「04年にクミ(亀尾)で会社廃業に対し1年7カ月の工場占拠を闘った労働者の一人がチャホノ支会長。彼は出獄後、『つぶれたクミ地域の労働運動をよみがえらせる』と迷わず旭硝子の非正規職場に入った。苦節6年、クミ初の非正規労組の誕生が旭硝子を震え上がらせた」と語り、さらに組合説明会で民主労総組織争議室長から「皆さんは運がいい。一生に一度あるかないかの機会だ。労組を結成すれば新しい世界が見える」と聞いて組合に入ったというアンジンソク組合員のエピソードを紹介。「私たちも運がいい。旭支会の仲間と共に日韓労働者の共同闘争で新しい世界を見ることになる」「国際連帯のためにも、日本の労働者の責務として安倍政権の改憲を絶対阻止しよう」と呼びかけた。
韓国労働運動史研究家の金元重(キムウォンジュン)さんが、5月25日、韓国国会で強行された最低賃金制度改悪の委員会採決を弾劾し、「労働積弊」を正すどころか財閥と一緒になって労働弾圧を行うムンジェイン政権に対し民主労総が5・28ゼネストを宣言したことを報告した。
動労千葉、日本板硝子共闘労組、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会、なんぶユニオンが連帯あいさつを行い、在日韓国基督教会からの連帯メッセージが読み上げられた。
規約・人事が承認され、結成宣言(別掲)が読み上げられた。動労千葉国際連帯委員会の山本弘行事務局長が「労働者が団結して闘えば必ず勝利できる。新しい世界を見よう!」と力のこもった閉会あいさつ。団結ガンバローとインターナショナルを斉唱した。
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旭支会闘争
クミ初の非正規職労組地域の労働運動再生へ
2015年5月29日、クミ工業団地で初の非正規職労働組合が誕生した。
「労働組合がつくられて2週間で138名加入」「会社が一方的に行っていた朝会を拒否してわれわれだけの話を共有する朝会を始めた。奴隷のように働いていた工場が『現場』に変わった。われわれは工場で初めて解放感を感じた」(『野の花、――工団に咲く』8㌻)
そして1カ月後の6月30日、旭硝子ファインテクノコリアは、社内下請け会社(GTS)の請負契約を突然解除、GTSで雇用されていた178人全員が解雇された。
以来3年、度重なる切り崩し攻撃をはね返し、23人の組合員が団結しテント篭城(ろうじょう)を闘っている。パククネ退陣の先頭に立ち、昨年4月には「整理解雇・非正規職・労働悪法撤廃!」を掲げ、闘争事業場共同闘争として27日間の光化門高空断食篭城も闘った。
旭硝子の不当労働行為、不法派遣をめぐっては、中労委が旭硝子の不当労働行為を認定したが、旭硝子はこれを受け入れず行政訴訟を提訴、4月18日にソウル高裁は旭硝子の不法労働行為を不認定とし、旭支会の控訴を棄却した。
一方、5月14日、テグ高検が、旭硝子の不法派遣について地検に再捜査命令を下した。旭支会は15日、「旭硝子不法派遣の手抜き捜査を正す道は、即時起訴することだけだ。旭硝子不法派遣を起訴し、解決しろ!」と声明し、攻防に入っている。
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結成宣言
国際連帯の新たな一歩
日本の旭硝子の韓国法人・旭硝子ファインテクノコリアは、非正規職労組結成1カ月後の2015年6月30日、メール1本で178人の労働者に対し集団解雇の暴挙に及んだ。旭非正規職支会は日本の旭硝子本社の責任を徹底的に追及すべく、2015年7月14〜18日および本年2月21〜3月9日の2回にわたり日本への遠征闘争に決起した。この遠征闘争を全力で支援する中から、支援組織立ち上げの機運が生まれた。
旭非正規職支会の闘いは外注化、非正規職化、子会社化・転籍、偽装請負、違法派遣など日本の労働者が直面する闘争課題と全く同じだ。私たち自身の闘いとして、旭硝子資本を社会的に追い詰める街宣や諸々の要請・弾劾行動を積み上げ、旭非正規職支会の解雇撤回・職場復帰を必ずや実現して行こう。
安倍政権は連合を改憲勢力に変質させようと必死である。しかし、日本の労働者階級はこのまま唯々諾々と改憲に賛成し、戦争に加担していく存在ではない。
旭非正規職支会の闘いは日本の労働者の魂を捉えることは間違いない。日本の旭硝子の職場に、旭非正規職支会と共に闘う労働者の組織をつくり出すことは全く可能なのだ。
旭硝子は、日本帝国主義の植民地時代の1907年、朝鮮人労働者を強制徴用し「軍艦島」を経営した三菱資本の系列によって設立され、軍用物品を納品しながら肥え太り戦争犯罪に加担して行った。そして再び2005年に、法外な特恵と劣悪な労働条件を拠り所として、旭硝子ファインテクノコリアという子会社を韓国亀尾(クミ)市に設立したのだ。この歴史を踏まえ、私たち自身が日本の地で、労働運動の変革をめざし非正規職撤廃、改憲・戦争阻止の大運動を職場・地域から作り上げ、安倍政権打倒の闘いを推し進めて行かねばならない。
「われわれは、非人間的な待遇を受けながら働いている。辛く困難な仕事を全部任せられながら、なんでこんな扱いを受けなければならないのか。いつまで管理者たちの顔色を窺(うかが)わなければならないのか。これ以上無視されながら働くのをやめよう。労働組合を通して現場を変えよう。労働組合を作って人間らしく生きよう」(チャホノ旭非正規職支会長)
この変革を求める労働者の声を全国に響き渡らせ、旭非正規職支会との国際連帯の新たな一歩を踏み出す時だ。
旭非正規職支会の呼びかけに応え、可能な支援行動を臆することなく展開し共に闘う組織として成長していくことを決意する。もって本日、「旭非正規職支会支援共闘会議」の結成を宣言する。
2018年5月26日