東京高裁に狭山再審要求 不当逮捕55年 石川一雄さんと連帯し

発行日:

週刊『前進』04頁(2943号04面01)(2018/05/28)


東京高裁に狭山再審要求
 不当逮捕55年 石川一雄さんと連帯し

(写真 杉並支部の田中支部長が基調報告を行い、狭山闘争と星野闘争を一体で闘い勝利しようと提起した【5月21日 文京区】)

水平同盟先頭に

 無実の石川一雄さんが不当逮捕されてから55年目となる5月23日が迫る21日、東京高裁に対する包囲デモと要請行動が全国水平同盟と部落解放東日本共闘会議の呼びかけで取り組まれました。先頭に立ったのは、安倍・千代松市長を倒そうと泉佐野市議選を総力で闘った全国水平同盟です。「改憲・戦争阻止大行進」運動の先頭に立ち、石川さんの再審・無罪と星野文昭さんの解放をかちとろう、それはできるという確信を深めた一日行動でした。
 東京高裁を包囲する怒りのデモは午後3時過ぎ、のぼりを林立させて70人が日比谷公園を出発。「安倍を監獄へ」と大書された宣伝カーを先頭に、霞が関一帯に「石川さんは無実だ! 東京高裁は再審を行え!」の声を響かせました。デモの前方で立ち止まって笑顔で迎える労働者たち、何度も振り返りながら道を急ぐ人など。権力犯罪への怒りが深まり、これと闘う人々への共感が広がる中でのデモでした。

下山鑑定で追及

 デモに先立って、午後1時30分から、狭山裁判の事実調べと再審開始、検察に対する全証拠開示命令を行わせる高裁要請行動が取り組まれました。
 昨年12月、植村稔裁判長から後藤眞理子裁判長に交替しました。有罪証拠の「被害者の万年筆」が偽物であり狭山事件が権力犯罪であることを暴いた下山鑑定に追い詰められたからです。要請団は下山鑑定の威力を実感しつつ、後藤裁判長体制に対する初めての要請行動に臨みました。
 全国水平同盟の杉並、西郡、高槻の各支部、東日本解放共闘の各労組が10通にのぼる要請文を次々と読み上げました。「下山鑑定を直ちに調べろ。鑑定人尋問を行え」「無実の証拠を隠してきたのは権力犯罪が明らかになるのを恐れたからだ。森友・加計の安倍と同じだ」
 下山鑑定を武器にした鋭い追及に、対応した訟廷管理官は顔を引きつらせ、最後は「時間だ」と言うが早いか、ほうほうの体で逃げ去りました。

東京で狭山集会

 同日午後7時、全国水平同盟杉並支部と東日本解放共闘が主催する狭山集会が全水道会館で開催されました。前日に全関西狭山集会をかちとり、この日のデモと要請行動を共に闘った関西の仲間も参加。100人が会場を満杯にしました。
 連帯あいさつに立った「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の戸村裕実共同代表は、星野さんの仮釈放をめぐる攻防を述べた上で、6月3日の高松集会・パレードへの参加を力を込めて訴えました。
 特別報告を全国水平同盟の西郡支部・佃文弘書記長と高槻支部が行いました。佃さんは泉佐野市議選で支部建設への展望を切り開いたと報告。植木団地からの追い出しと闘う高槻支部の仲間は「団結し3億円賠償請求をはね返して闘う」と発言しました。両報告を大きな拍手が包みました。
 有罪証拠への疑いが満天下に示されたこと、直ちに鑑定人尋問を行うべきとの石川さんの5・23メッセージが紹介されました。
 杉並支部の田中れい子支部長が基調報告に立ち、下山鑑定の絶対性をあらためて強調。この日、韓国・民主労総のハンサンギュン前委員長が釈放されたことを報告し、この闘いに続こうと訴えました。
 闘いの報告と決意を動労千葉、動労水戸、東京労組交流センター、杉並支部、婦民全国協、全学連が表明。まとめの発言で解放共闘の岩本正治事務局長が6・3高松へ全力決起を呼びかけました。
(東京 T)
このエントリーをはてなブックマークに追加