改憲・戦争つぶせと集会 メディア統制と共謀罪テーマに
週刊『前進』04頁(2943号03面03)(2018/05/28)
改憲・戦争つぶせと集会
メディア統制と共謀罪テーマに
(写真 メディアの世界での権力との闘いを語る永田浩三さんの講演に参加者はじっと聞き入った【5月18日 東京・霞が関】)
5月18日夜、東京・霞が関の弁護士会館2階講堂クレオで「こうやってつぶそう改憲と戦争」集会が開かれた。主催は「憲法と人権の日弁連をめざす会」と「裁判員制度はいらない!大運動」。弁護士、労働者・学生ら270人が結集し、9条改憲・戦争阻止へ決意と団結を固めた。
集会は山本志都弁護士の司会で進められた。冒頭、主催者あいさつに立った「めざす会」代表の武内更一弁護士は、自衛隊を明記する自民党改憲案について「いつも戦争は自衛のためと称して行われる」「戦争で利益を得るのは一握りの大企業だけ」「戦争のできる国をめざす改憲を絶対に許さない」と批判。改憲阻止を掲げて闘った2月の日弁連会長選挙で2847票を獲得したことを報告し「団結して闘えば改憲も戦争も阻止できる。ともに闘おう」と呼びかけた。
武蔵大学社会学部教授の永田浩三さんが「改憲とメディア―何が変えられようとしているのか―」と題し約30分間のメイン講演を行った。NHKのプロデューサーとして長らくドキュメンタリー番組の制作に携わってきた永田さんは、メディアの世界で起きていることを映像を交えながら報告した。01年1月放送の「女性国際戦犯法廷」の番組改変問題では、当時官房副長官だった安倍が放送前日にNHKの幹部を呼びつけて「勘ぐれよ、おまえ」と内容の変更を迫ったという。永田さんは「ドキュメンタリーは声を上げられない人とともにある」「人々の不断の努力があってこそ言論の自由も守られる。ともに頑張りましょう」と結んだ。講演を終えた永田さんに大きな拍手が送られた。
高千穂大学経営学部教授の五野井郁夫さんは、「共謀罪は市民・労働者の団結を阻む」「われわれが普通と思っている行動が『犯罪の準備』と見なされ逮捕される恐れがある」「大同団結して撤廃させよう」と呼びかけた。
さらに「裁判員制度はいらない!千葉県実行委」の井上實さん、「星野全国再審連絡会議」の戸村裕実さん、全学連の武田雄飛丸副委員長が、それぞれの不屈の闘いを報告した。
藤田城治、石田亮弁護士が登壇し、司法修習生に対する修習貸与金返還請求の撤回運動が、多くの青年弁護士の賛同で広がっていることを報告した。
最後に高山俊吉弁護士が「さまざまな闘いが勝利のうちに展開されている。歴史は民衆の力で動くことを実践で示そう」としめくくり、大きな高揚感のうちに集会を終えた。