「働き方改革」は粉砕できる 韓国に続き現場から闘いを

週刊『前進』02頁(2942号01面03)(2018/05/24)


「働き方改革」は粉砕できる
 韓国に続き現場から闘いを

(写真 ソウルの公共文化芸術機関・忠武【チュンム】アートセンター労組が人員不足とサービス残業に抗議してストに突入【5月11日】)

 韓国の労働者民衆が、民主労総のゼネラルストライキを中心とした闘いでパククネ政権を打倒してから1年あまり。社会の根底的変革である「積弊清算」を求める闘いは、ムンジェイン政権下でさらに激しく継続・発展しています。
 民主労総は「ろうそく革命に続いて職場革命を」と訴え、現場で闘いぬいています。その先頭に立っているのは、今年2~3月に日本遠征闘争を闘った旭非正規職支会のような仲間たちです。
 韓国の労働者たちの闘いは、安倍政権の狙う「働き方改革」に対する私たちの闘いとまったく同じです。
 ムンジェイン政権は発足当初から、あたかも非正規職をなくすかのような幻想を振りまいてきました。就任直後にインチョン(仁川)国際空港へと足を運んで非正規職労働者と対話した様子はメディアでも大きく取り上げられ、「公共部門の非正規職労働者を正規職に転換する」とも発表しました。

言葉だけの「正規職転換」に怒り

 しかし実際には、ほとんどの労働者が転換対象から除外され、対象となっても無期契約職または分社化された子会社職員への転換でしかありません。賃金をはじめとした労働条件は非正規職と変わらず、日本の「限定正社員」と同じように事業がなくなればクビ。転換逃れの解雇攻撃も横行しています。「非正規職」という言葉がなくなっただけで、労働者の現実はまったく変わっていません。
 しかし、ついに子会社の中から反撃が始まりました。今月初め、アシアナ航空の子会社で働く労働者たちは「分社の過程で労働者たちは雇用不安に苦しんでおり、低い請負単価による低賃金、これによる人員不足のために労働強度も強まっている」と暴露。労働組合の結成を宣言しました。分社化はこれまで労組破壊の手段とされてきましたが、この支配構造を突き破る闘いが始まったのです。

「すべての労働者に労働基本権を」

 「低賃金で涙を流し、安全も、雇用も、労働組合も保障されなかった特殊雇用労働者の社長という名前は、もう拒否する」(2017年、社会的ゼネスト大会宣言)——「個人事業主」として「労働法の死角地帯」におかれている「特殊雇用労働者」たちも、「われわれは労働者だ!」と宣言して激しい闘いを継続しています。
 「毎日2人が死んでいく戦場」とさえ言われる韓国の建設現場で働く労働者は、ほとんどが個人請負です。高額な建設機械を自分で購入して現場に持ち込み、実態は日雇い労働者と何も変わりません。トラックやシャトルバスの運転、建設機械の操縦などに従事する約250万人の労働者が、労災認定や保険の適用もないこうした働き方を強制されています。建設労組の組合員たちは、「私たちの人生は私たちの手で変え、私たちの力で法も変えよう」と闘っています。
 激化する大恐慌のもと、韓国GMをはじめとする自動車や造船などの製造業を中心に数千、数万人規模の大量解雇攻撃が吹き荒れています。

「解雇は殺人だ!」全土で叫び広がる

 労働者を低賃金でこき使っておきながら、一夜にして数百、数千人を路頭に放り出す——政権が変わっても、資本のあり方と労働者の現実はまったく変わっていません。
 真っ先にクビを切られるのは非正規職です。韓国GM群山(クンサン)非正規支会の副支会長は 「不法派遣撤廃とすべての解雇者復職、正規職転換の日まで政府を相手に闘う」と宣言しています。「解雇は殺人だ!」「整理解雇をやめろ!」の叫びが、韓国全土で巻き起こっています。
 勝負を決めるのは国会内での駆け引きではなく、職場、現場の団結と闘いです。「労働組合が私たちの人生を変える」と訴えて闘う民主労総の仲間とともに、安倍政権が強行採決を狙う「働き方改革」関連法案を粉砕しましょう。
このエントリーをはてなブックマークに追加