5・21東京高裁デモへ 石川さんと連帯し狭山再審を

発行日:

週刊『前進』04頁(2939号04面03)(2018/05/14)


5・21東京高裁デモへ
 石川さんと連帯し狭山再審を

(写真 昨年の12・18東京高裁包囲デモ)


 狭山事件の犯人にでっち上げられた無実の部落民・石川一雄さんが不当逮捕された1963年5月23日から55年を迎えようとしています。不屈に闘う石川さんと連帯し再審・無罪をかちとるために、全国水平同盟と部落解放東日本共闘会議が呼びかける5・21東京高裁包囲デモに立ち上がりましょう。20〜23日に東京、大阪、広島で開催される狭山集会を成功させましょう。

改憲・戦争阻止!大行進の先頭に

 今、安倍政権は、森友・加計疑獄をはじめ自衛隊の日報隠しなど腐敗と不正、国家犯罪が次々と暴かれ、労働者の怒りの爆発に震えています。労働者人民は「安倍を監獄へ」「労働法制改悪阻止」を掲げて、労働者を食い物にして改憲と戦争に突き進む資本家とその政府を、韓国に続いて打ち倒そうと立ち上がっています。
 石川さんは半世紀を超えて国家による殺人罪でっち上げ―無期懲役という権力犯罪を弾劾し続けています。狭山闘争は、労働者階級を分断し団結を破壊する部落差別に労働者階級自身が怒り、逆に分断を打ち破って団結する闘いです。
 また、公営住宅や植木・園芸など就労の場から住民や労働者を追い出すのは、そこを更地にして資本の食い物にし、共同性を解体するためです。それは安倍が掲げる「戦後レジーム(戦後体制)からの脱却」、つまり改憲攻撃そのものです。追い出しと更地化に対して絶対反対の闘いが大阪・西郡(にしごおり)から始まり、高槻から京都へ拡大しています。この闘いは追い出しに反対するだけではありません。地域の労働者が奪われてきたもの全てを奪い返す闘いであり、ゼネストから革命を切り開く闘いです。
 3・25日比谷集会で結成された「改憲・戦争阻止!大行進」の運動が全国で始まっています。その先頭に荊冠旗を掲げた狭山闘争・部落解放闘争が立ちましょう。

連合と解放運動の改憲勢力化許すな

 狭山闘争は、国家による権力犯罪を弾劾し、労働者階級への分断を打ち破る闘いです。狭山闘争のもつ階級性を解体する策動が、改憲・戦争への動きと一体で、UAゼンセンを先頭に連合により進められてきました。
 しかし、動労千葉を先頭に30年にわたって闘いぬかれてきた国鉄分割・民営化との闘い、特に外注化との闘いが資本とJR総連・東労組の結託による労働者支配を崩壊にたたき込み、連合は分裂・崩壊のふちに立っています。この中で、UAゼンセンは9月の大会で憲法9条に国防軍を明記する方針を決定し、連合を丸ごと改憲勢力・戦争翼賛勢力にしようしています。
 部落解放運動をめぐる情勢も重大な局面を迎えています。
 部落解放同盟は3月の全国大会に自民党の現職幹事長を初めて来賓に招きました。幹事長・二階は、あいさつで「部落差別解消推進法制定に尽力していただいた」と謝意を述べ、解放同盟の組坂委員長も記者会見で「二階幹事長なしには部落差別解消推進法はなかった」と絶賛しました。「部落差別解消推進法」は、部落差別を資本主義・帝国主義とその国家による労働者階級への分断攻撃であることを抹殺し、「差別の原因は労働者にある」ことを法で規定するものです。
 さらに、大阪の泉佐野市議選で解放同盟は、日本会議で、民営化・首切りを進める千代松市長の支持団体となり、解放同盟の候補は連合の推薦を取り付けて登場しました。日本会議は戦前の天皇制国家の復活を求め、改憲・戦争を推進する極右団体です。千代松支持は天皇制に屈服し、部落解放運動を改憲・戦争の翼賛運動にする暴挙です。
 こうした事態が「働き方改革」と称して労働法制を全面的に解体する攻撃の中で激しく進行しているのです。
 狭山闘争の階級性を解体する策動を打ち破り、再審・無罪をかちとる道は、改憲・戦争阻止、非正規職撤廃へ闘うことです。韓国をはじめ全世界の労働者の闘いに応えて「安倍と千代松打倒」を掲げて闘った泉佐野市議選の勝利の地平を押し広げましょう。

下山鑑定を武器に事実調べ・再審を

 狭山闘争に勝利する今ひとつの道は下山鑑定です。
 16年8月に弁護団が提出した下山鑑定は、石川さんを有罪とした証拠「被害者の万年筆」が真っ赤な偽物であることを暴きました。しかも、インクも万年筆も被害者のと同じ製品を使って、検察の鑑定と同じ方法で実験してのことです。結果は、「被害者の万年筆」には残っているはずの被害者のインクの成分が全くありませんでした。
 下山鑑定は誰も否定できない〝絶対的証拠〟です。

この、再審実現にとって最強の武器を手に入れることができたのは、50年間も隠されてきた被害者のインクびんを開示させたからです。証拠開示の粘り強い取り組みの力です。

狭山集会成功させ6・3高松闘争へ

 星野文昭さんは沖縄闘争を最先頭で闘ったために、国家権力に殺人罪をでっち上げられ、43年間も獄にとらわれながら不屈に闘っています。狭山裁判でのインクびんの開示は、星野さんの再審闘争での全証拠開示運動も大きな力になりました。星野さんも、星野さんと同じく沖縄闘争で殺人罪をでっち上げられ46年間の指名手配攻撃と闘い今獄中にある大坂正明さんも、無実です。
 でっち上げという権力犯罪への怒り、これと長期にわたって不屈・非妥協で闘う星野さん、大坂さんの姿が感動を呼んでいます。組織の転向・屈服を乗り越え制動を打ち破って、既成の労働運動、部落解放運動の中からも星野さんの奪還へ立ち上がる人々が生まれています。
 星野さんの奪還は、狭山裁判の再審を開く力になることは間違いありません。5・21東京高裁デモと各地の狭山集会を成功させ、星野さん奪還の6・3高松1千人集会・パレードに全力で結集しましょう。

------------------------------------------------------------
石川一雄さん不当逮捕55カ年糾弾!
狭山第3次再審闘争勝利!
5・21東京高裁包囲デモ
 5月21日(月)午後3時 日比谷公園霞門集合
 *デモに先立ち午後1時30分から東京高裁要請行動
 主催 全国水平同盟、部落解放東日本共闘会議

狭山集会
全関西
 5月20日(日)午後1時
 植木団地 (大阪府高槻市川添1―18―1)
 主催 全国水平同盟、関西労組交流センター
東京
 5月21日(月)午後6時30分
 全水道会館(文京区本郷1―4―1 JR水道橋駅東口から徒歩4分)
 主催 全国水平同盟杉並支部、部落解放東日本共闘会議
広島
 5月23日(水)午後6時30分
 いきいきプラザ(広島市西地域交流センター 西区福島町1―19―12)
 主催 部落解放広島共闘会議

このエントリーをはてなブックマークに追加