知る・考える 用語解説 外国人技能実習制度-「国際貢献」の名による現代の奴隷労働

週刊『前進』02頁(2936号02面03)(2018/04/26)


知る・考える 用語解説
 外国人技能実習制度-「国際貢献」の名による現代の奴隷労働


 移民を認めない日本において、この制度のもとで働く外国人技能実習生は、現代における「徴用工」そのものだ。
 27万人以上(3月27日時点)の外国人が、日本で企業や個人事業主などと雇用関係を結び、最長で5年間の「技能実習」にあたっている。
 昨年11月新たに施行された「技能実習法」はその基本理念として「労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」と記すが、建設業や農業の現場で働く技能実習生たちは、使い勝手のいい労働力として超低賃金・長時間労働を強いられているのだ。労働者が不足する介護現場でも受け入れが開始された。
 雇用主による暴言や暴行に加えて、パスポート・在留カードの取り上げや外出禁止の強要など、人権蹂躙(じゅうりん)もまかり通っている。労災死の割合も国内雇用者全体の倍に近い。しかし、反抗すれば強制的に帰国させられ、ブローカーへの多額の保証金返済に苦しめられる。
 また、技能実習生として来日したベトナム人の男性が福島の放射能汚染地域での除染作業に従事させられたり、受け入れ団体が実習生の労組脱退要請を行ったりしたケースも明るみに出ている。
 日帝の外国人政策の本質を示すこの制度は、撤廃以外にない。日本の労働者階級そのものの課題として、闘う労働組合を通じて技能実習生をはじめとする外国人労働者と団結し、労働者の命や生活を顧みない国のあり方をひっくり返すことが求められている。
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