保育を金もうけの道具に 「子育て安心プラン」の狙い
週刊『前進』02頁(2934号02面03)(2018/04/19)
保育を金もうけの道具に
「子育て安心プラン」の狙い
安倍政権は2017年6月に「子育て安心プラン」を打ち出しました。これは、「待機児童の解消」を口実に、保育の規制緩和を進めるものです。公立保育園をつぶし、狭くて庭もない認可外保育所に子どもたちを詰め込んでおけばいいというのが、安倍政権の政策です。
2015年に「子ども・子育て支援新制度」が始まり、行政の責任で保育を保障する原則は解体されました。それ以降、企業が金もうけのために保育に乗り出してくるようになりました。その結果起きたのが姫路市の「わんずまざー保育園」の事態です。子どもにはわずかスプーン1杯の食事しか与えず、職員には欠勤や遅刻したら給与を減額した上、1週間の「ボランティア勤務」を強いるブラック処遇。保育士がモノを言えなくなったとき、子どもたちの命もないがしろにされていくのです。
これと同時に、安倍政権は「働き方改革」で残業代をゼロにし、労働者を過労死するまで働かせようとしています。安上がりな女性労働者を24時間365日こき使うために、企業主導型保育所に税金を流し込み、急増させています。関西空港がある人工島には24時間保育所がつくられました。
親も子どもも営利競争にたたき込まれ、家庭も社会も壊されています。大人たちが競争させられ、仲間をけ落として生きていく今の社会が、保育現場にも影を落としています。
しかし、保育所とは、子どもたち、大人たちがつながり共同で生きていく場です。もうけのためのマニュアル保育ではなく、団結をつくる「仲間づくり」をするところです。
いじめ、虐待、殺し合い……こんな社会を変えるためには、保育士が労働組合に団結し、子育てを労働者の手に取り戻すことが必要です。