築地の移転を絶対とめる 仲卸、労働者ら200人が集会

週刊『前進』02頁(2934号02面02)(2018/04/19)


築地の移転を絶対とめる
 仲卸、労働者ら200人が集会

(写真 労働者の命を顧みない東京都を許さない! 仲盛さんの熱の入った訴えに会場が聴き入る【4月14日 中央区】)

 4月14日、東京都中央区の京橋プラザ区民館で「築地の移転を絶対とめる!4・14集会」が開かれ、築地中央卸売市場の仲卸や東京都の労働組合など約200人が集まりました。
 集会は合同・一般労働組合全国協議会と東京労働組合交流センターが呼びかけました。東京都が10月11日開場を狙う豊洲市場の耐震偽装問題を告発し、都と国内最大手の設計事務所である日建設計を相手に闘ってきた仲盛昭二さん、築地市場を絶対守りぬこうという築地市場の仲卸、小池都知事と闘う都の労働組合や地域の労働者が一堂に会し、豊洲移転は絶対に阻止できると確信を深めました。

豊洲の耐震偽装を暴く仲盛さん講演

 構造設計一級建築士、協同組合建築構造調査機構代表理事の仲盛さんは、建築物の構造設計の専門家であり、この日は福岡から駆けつけて講演を行いました。仲盛さんは昨年11月21日、「豊洲市場水産仲卸売場の構造体は構造計算上の重大な偽装、建築基準法令違反がある。東京都は安全を確保するため是正措置を行え」という趣旨で小池知事を被告として訴訟を起こしました。しかし東京地裁は4カ月も放置し、一度も口頭弁論を開かないまま今年3月28付で「却下」の判決を出しました。「東京都民ではない仲盛さんには原告の資格がない」と門前払いにしたのです。
 仲盛さんは「豊洲水産仲卸売場棟は柱脚の鉄量が必要鉄量の56%しかない。構造計算においても複数の建築基準法施行令違反がある。大地震が来たら倒壊する」と警告します。今回の提訴に踏み切ったのは「日建設計による構造計算の偽装とこれを見逃した東京都を許せない気持ちから」だと語り、「(都は)市場の労働者の生命など、みじんも顧みていない」と弾劾。都と日建設計により市場関係者や利用者の命が危険にさらされる現実を怒りを込めて告発し、「行政があまりにも理不尽なことをしている。闘いましょう」と熱く呼びかけました。

〝食の聖地を守る〟仲卸の仲間が発言

 満場の拍手の中、築地市場の場内場外から何人も参加していることが紹介されました。仲卸の仲間が「私たちは80年も営業している。食の聖地と言われている築地の伝統を壊したくないんです。(こんなに集まって)本当に頼もしい。移転しないように闘っていきます」と決意を語りました。13日に「築地女将さん会」が発表した緊急アンケートでも、豊洲新市場の問題は「ほとんど解決していない」「まったく解決していない」があわせて9割近くに達しています。豊洲に行かない、行けない、止められるという機運が高まっているのです。
 司会を務めたのは、都庁議事堂レストラン解雇撤回闘争を小池知事を相手に闘う東京西部ユニオン組合員の柿沼庸子さん。築地市場の労働者や利用者から集めた市場移転問題についての声を収録したビデオや、仲卸のブルーズシンガー、Makiさんのビデオ〝築地フィッシュマーケットブルーズ〟が上映されました。
 小泉義秀・東京労組交流センター事務局長が「豊洲の汚染を止めるのは絶対に無理。築地・仲卸には借地権があり、立ち退きは強制できない。移転は必ず阻止できる」と報告しました。
 さらに、福島の椎名千恵子さんが「昼間のシンポジウムにも参加した。『絶対ぶれないで闘う』という築地女将さん会と福島は同じ思い」と述べ、築地のすぐそばの銀座郵便局で働く星野勝紀さんは「郵政民営化と築地の移転は同じ問題。同じ地域の労働者として一緒に闘う」と語りました。
 東京交通労働組合の労働者が小池知事の労働組合破壊、安全破壊と闘う決意を語り、全学連の斎藤郁真委員長は「現場で団結して声を上げよう」と連帯の意思を示しました。最後に小泉さんが「仲卸には個人事業主が多いが、労働組合と共に闘える。安倍の改憲と労働法制改悪と闘い、豊洲移転を止めよう」とまとめました。
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