知る・考える 用語解説 天皇の戦争責任―史上最悪の裁かれざる戦争犯罪

週刊『前進』02頁(2930号02面04)(2018/04/05)


知る・考える 用語解説
 天皇の戦争責任―史上最悪の裁かれざる戦争犯罪


 明治以降、絶え間ない戦争と対外侵略を繰り返し、それによってアジア唯一の帝国主義国へとのし上がった大日本帝国は、1945年8月、アジア・太平洋戦争に敗北し崩壊した。この帝国の唯一最高の統治権者、帝国陸海軍の大元帥として国家権力の頂点に君臨してきた歴代天皇には、最も重い戦争責任がある。
 とりわけ昭和天皇ヒロヒトは、31年9月に始まる中国侵略戦争(満州事変)から37年7月の日中全面戦争開戦、41年12月の対米英蘭開戦を経て45年8月の敗戦に至るまで、足掛け15年にわたる一連の戦争を積極的に推進し、その都度「勅語」を発して戦争完遂を命令し、戦況を詳細に把握して自ら作戦を指揮した。敗色が濃厚になっても「国体」(=天皇を頂点とする国家体制)の存続を最優先に考え、降伏を拒否して戦争を継続した。その間に本土空襲や沖縄戦、広島・長崎への原爆投下などが引き起こされた。2千万人以上のアジア諸国の人民、310万人もの日本人民を無残な死に至らしめたヒロヒトは、人類史上最悪の戦争犯罪人にほかならない。
 だがヒロヒトは戦後、GHQ(連合国軍総司令部)の方針により戦犯訴追を免れて延命し、日帝は「天皇に戦争責任なし」を公式見解とすることで天皇制を維持した。ヒロヒトの死後、「父の遺徳を継ぐ」と表明して天皇に即位したアキヒトは、まさに戦争犯罪の居直りの上に成り立つ存在であり、ヒロヒトの戦争責任のすべてを継承している。
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