JR東労組の大崩壊は松崎路線の必然的結果 カクマルにも御用労組にも未来はない

週刊『前進』02頁(2930号02面01)(2018/04/05)


JR東労組の大崩壊は松崎路線の必然的結果
 カクマルにも御用労組にも未来はない

(写真 船橋市で開かれた国鉄闘争全国運動の2・11国鉄集会。国鉄分割・民営化反対31年の闘いが東労組を崩壊に追い込んだ根底的な力だ)

 東労組が大崩壊する中で、同労組の東京・八王子・水戸地本は、「たたかう東労組を残さなければならない」と叫び、東労組初代委員長だったカクマル最高幹部・松崎明の講演を学べというキャンペーンを始めた。だが、東労組の崩壊をつくり出したものは、まさにカクマル松崎のファシスト的な路線と思想だ。

1047名解雇した張本人

 JR東日本が労使共同宣言の失効=破棄を通告したことで、東労組の崩壊は急速に進行した。スト絶滅をうたう労使共同宣言こそ、東労組執行部を握ったカクマルとJR資本との結託体制の根幹にあったものだ。
 労使共同宣言は1986年1月、国鉄当局と当時の動労本部との間で結ばれた。これは、85年11月に動労千葉が決行した国鉄分割・民営化反対の第1波ストに対する大反動だった。当時、動労本部は分割・民営化の手先となり、国労本部は分割・民営化反対を唱えながらも一切の抵抗を放棄していた。この逆境を突き破って、動労千葉は組織の総力を挙げてストに立った。暗雲を切り裂いたこのストライキを波及させないために、カクマルはスト圧殺を絶叫したのだ。
 国鉄分割・民営化は40万人いた国鉄労働者を20万人に半減するという大首切り攻撃だった。そのために国鉄当局が強行したものが、当時「首切り3本柱」と言われた派遣(民間企業への強制出向)、早期退職、一時帰休の攻撃だった。カクマルはそれを率先して組合員に強制した。
 国鉄当局によるすさまじい首切り攻撃が吹き荒れ、動労本部がその手先となる中で、200人近い労働者が自ら命を絶った。この現実もカクマルがつくった。
 国鉄分割・民営化直前の87年2月、国鉄当局はJRの採用候補者名簿を作成した。分割・民営化攻撃の中で、多くの労働者が「自主退職」を強いられた。その結果、本州ではJRへの採用希望者が定員を下回った。国鉄当局は、いったんは「本州では希望者は全員採用」と表明した。
 これに動労カクマルがかみついた。彼らはあくまで動労千葉や国労を排除せよと要求した。これを受けて、国鉄当局は動労千葉組合員らを排除した採用候補者名簿を作り直した。カクマルこそ国鉄労働者1047名を解雇した張本人だ。

カクマル組織の維持が目的

 昨年6月に東労組が出した討議資料には、「東労組初代松崎委員長は当局から提案された3本柱(他企業への派遣、早期退職、一時帰休)や広域異動を担う代わりに雇用安定協約を締結し」て雇用を守ったと書かれている。これは歴史を偽造する大うそだ。松崎は動労千葉や国労組合員の首を切らせただけでなく、多数の動労組合員にも「自主退職」を強いて職場から追放した。松崎はカクマルという反革命党派を守るために組合員を犠牲にしたのだ。
 松崎らカクマルは、分割・民営化攻撃の先兵となったことの見返りに、JR東日本の最大労組の執行部の座を与えられた。民営化後のJRのあらゆる攻撃は、資本とカクマルとの結託体制下で進められた。
 松崎が唱えた「労使はニアリーイコール」論とは、労働者の権利をことごとく資本に売り渡す一方で、カクマルへの利益供与を引き出すために、資本とのペテン的な「対抗関係」を演出するというものだった。
 東労組崩壊の引き金を引いた「格差ベア反対」の「スト準備指令」はその最たるものだ。JRが鉄道業務の全面的な分社化やローカル線23線区の全廃など、これまでの比ではない攻撃に乗り出そうとしていることは、東労組執行部には説明されていた。労働組合であるならば、これに全力で対決しなければならないはずだ。
 だがカクマルは、その事実を隠し続けた。そして、資本と本質的な対立には至らないところで、「格差ベア反対」という「争点」をでっち上げたのだ。
 東労組が言う格差ベアとは、職階が上がれば上がるほど高く設定されている「所定昇給額」を基礎に、賃上げ額を算定することだ。これに対して東労組は「格差賃金を許さない」と叫んだ。だが、東労組は同時に管理職手当の増額も求めた。それは格差賃金ではないのか。こんな要求でストを構えるという方針に、納得できる組合員は一人もいない。だがカクマルは、結託体制の維持を資本に懇願する手段として、ストをもてあそんだのだ。
 同時にカクマルは、労働者には何の説得力も持たない要求をあえて掲げることで、「松崎前顧問の『賃金本質論』を学習せよ」と現場役員を恫喝した。松崎の「賃金本質論」とは、マルクスを語ってマルクス主義を解体するカクマル特有の反革命的な「理論」のことだ。その本質は、賃金を使った労働者分断を労組の名で容認することにある。
 カクマルの関心事は、口先だけの理屈をこねて、カクマル組織を維持・再生産することにあった。そこにあるのは徹底的な労働者蔑視と、資本に依存しつつ観念の世界で自らを高みに据えるファシストの感性だ。
 だがそれは、資本に逆手に取られ、東労組は大崩壊を遂げたのだ。

動労総連合に結集し闘おう

 カクマルの大破綻は、動労千葉・動労水戸―動労総連合が国鉄分割・民営化と真っ向から対決し、民営化後もJRの外注化攻撃と闘い続けてきたことによってつくり出された。その闘いが、カクマルの演出する資本との「対立」のペテンを暴いたのだ。
 JR資本は東労組を解体すると同時に、分社化・転籍・総非正規職化の第3の分割・民営化攻撃に突き進んでいる。動労千葉―動労総連合はこれにストライキで反撃している。労働組合がとるべき道はここにある。JR資本がしつらえつつある会社派御用労組にも、カクマルが牛耳る東労組にも未来はない。JRとその関連会社の労働者は、動労総連合に結集しよう。
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