全国の大学からのアピール 学生自治会を団結の中心へ
全国の大学からのアピール
学生自治会を団結の中心へ
一人の仲間も見捨てない
法政大学文化連盟委員長 武田雄飛丸
法大闘争は2006年3月14日、立て看板・ビラまき規制に反対してデモを行った学生全員が公安警察に逮捕され、退学・停学処分を受けたことから始まりました。以来、法大当局は「営業権」を掲げて、ビラまきや集会を含むキャンパスでの一切の言論・表現活動を禁圧。警察権力とも結託し、のべ126人を逮捕し34人を起訴、13人を処分するという大弾圧に手を染めています。
08年には、サークル連合として学生自治の中心を担ってきた文化連盟も非公認化され、多くの傘下サークルが当局の恫喝の前に脱退を強いられました。しかし残った私たちは「一人の仲間も見捨てない」「大学の主人公は学生だ」をスローガンに闘い続けています。
なぜなら、法大闘争とは一大学の問題ではなく「大学・教育とはいかにあるべきか」をめぐる闘いだからです。「営業権」「施設管理権」なる資本の論理を公然と振りかざし、ビラまきひとつ許さない法大当局のあり方こそ、森友・加計疑獄を招いた「教育の民営化」そのものです。
そして、スポンサーである政府や大資本に隷従し、労働者・学生を徹底的に収奪する醜悪な実態を「グローバル化」や「競争力強化」といった美名で覆い隠しているのが、法大・田中優子総長を先頭にした「リベラル」大学人です。学外では安倍や森友問題をアリバイ的に「批判」し、学内では安倍の「大学改革」や五輪などの国策に追従、学生弾圧に邁進(まいしん)する自称リベラルの欺瞞(ぎまん)が、安倍政権を「左」から支えています。京大でも、反戦をかたる山極壽一総長が米軍資金による軍事研究を隠ぺいしていたことが暴かれました。
今こそ法大当局・国家権力と非妥協で闘ってきた法大闘争が、この全構造を暴き、キャンパスから社会変革の火の手を上げる時です。ともに闘おう!
(全学連副委員長)
現実の中で学問をしよう
京都大学 前川泉
これから大学で学問をする新入生諸君に伝えたいことがある。それは、学問の最先端は現実社会の中にあるということだ。大学での学問は高校までの授業とは違い、自分の興味に従って進められる。だが、机の上だけでものを考えていては大事なことを見失ってしまう。あらゆる学問が社会とのつながりを持っているのだから。
例えば、今の社会で基本的人権は守られるべきだと思われている。人権は近代の啓蒙主義の産物であり、それに基づいて近代的な憲法が作られ、私たちの生活が保証されていると思っている人も多い。しかし、今の社会で基本的人権が守られなければならないとされるのは、啓蒙主義者や憲法学者が偉いからではない。たくさんの「生きさせろ」という運動と実践があったからこそ、学者たちがそれを「理論化」「普遍化」して、基本的人権という概念をつくり上げたのだ。その後も基本的人権を獲得する闘いは続いている。
最近ではLGBTという言葉(性的少数者の総称)がメジャーになり、性の多様性が語られるようになった。しかし、現に生きている人々と自分自身の性のあり方と向き合い、検討することからしか性の多様性についての議論も学問も前に進まないだろう。
国際情勢を考えると、日本では米軍基地と日米安保の問題を抜きには考えられないし、工学部生にとっては「軍学連携」の問題は避けられないはずだ。技術それ自体は中立だ。だからこそ、技術がどのような社会で利用されるのかを考えなければならなくなる。
各研究がタコツボ化していく中で見えにくくなっているが、現代社会で何が人々を苦しめているのかを知ること、そしてその現実と闘うことが、あなたの学問に向かう姿勢と研究の方向性を決めるはずだ。学ぼう。そして行動しよう。
社会の矛盾に立ち向かう
東京大学 松木進
新入生のみなさんはこれまでの学習の中で、さまざまな考えに触れてきたと思います。ニュースを眺めれば見つけられる「教育」「民主主義」「労働」などの「ことば」たちは、おのおの奥深いものが秘められていても日常的には素朴に使われるのが普通です。
そのように漫然と受け入れてきた事物に対して、その中身を緻密(ちみつ)に、ときに強引に暴露していくのが学問です。私たちは学問によって、あいまいなヴェールに包まれたさまざまな現象・観念を、さまざまな学問的見地から暴くことができるのです。
ところで、この容赦のない分析は、私たち学問を修める者も対象になります。学問の世界で主張したことは、当然現実の社会に対しても主張されるべきです。しかし、「権力論」を研究しながら自治活動を行う学生を強権的に抑圧する教授、「自由」を標榜(ひょうぼう)しながら学生の自由を制限する大学当局----そんな現状は許されるのでしょうか? こうした矛盾は大学に身を置けばいずれ実感できるはずです。
過去、同じような状況に向かって矛盾を盛大に告発したのが、今からちょうど50年前に勃発した大学闘争―東大闘争です。「戦後民主主義」「学問の府」の欺瞞にがまんできなかった当時の学生は、学内の矛盾、学問の矛盾、社会の矛盾を文字通り大学ごと解体しようとしました。
そうした解体の対象は、残念ながら大学や社会の中に今も厳然と存在しています。矛盾の体系の頂点に君臨した東京大学の学生として、学問を本当の意味で貫徹することを志した私は、社会の矛盾をただ認識するだけではなく、自分の現場からこれらと闘わなくてはならないと感じました。
みなさん、私たちは仲間を求めています。理論と行動とを武器に、ぜひ私たちと一緒に闘ってください。
学生の貧困と基地なくす
沖縄大学学生自治会委員長 赤嶺知晃
新入生のみなさん、入学おめでとうございます! 沖縄大学学生自治会は、学生の貧困の現実をうち破り、学生が生きづらいと感じるような大学を変えるために闘っています。
私たちが「学生の貧困」を重要なテーマに据えたのは、現在自治会副委員長を務める仲間が沖大の年間100万円近い高額な学費に苦しみ、沖大を辞めるかどうか深刻に悩んでいる現実と向き合ったことがきっかけでした。彼は学費のために週6日バイトをし、奨学金も借りていました。多忙な中、大学の休み時間は眠るか学費のことで頭がいっぱいで、友人と講義の内容について議論したり、サークル活動をする余裕を奪われていました。
大学で学生が自分の可能性を広げるどころか、追いつめられていく。私は「これが大学か!」という思いで、彼と一緒に昨年5月の自治会執行部選挙に立候補し、「学生の貧困を変えよう!」「辺野古新基地建設阻止」「反戦ストライキを闘う学生自治会をつくろう!」というスローガンを掲げました。
これを多くの沖大生が支持してくれ、新執行部がつくられました。学生の支持が集まったのは、多くの沖大生も副委員長と同じ状況だったからです。2010年の調査では、4人に1人の沖大生が「学費を払えない」という経済的理由で沖大をやめていることが明らかになっています。
自治会選挙後も地道に活動し、今年1月には「大学への不満や怒りの声をあげよう」とアンケートを集め、40人の学生が応えてくれました。学費の高さや駐車場の狭さに沖大生の怒りが集中していました。この沖大生の決起で、私たちが活動を始めた2014年以来、学生の申入書やアンケートを一切受け取ってこなかった沖大当局に、初めてアンケートを受け取らせることができました。
反戦・反基地で徹底討論し、世界の民衆の先頭で行動する大学をわれわれの手に取り戻そう! 沖縄闘争を闘い、無実なのに獄中43年、星野文昭さんを取り戻したい。新入生のみなさん、一緒に学生自治会で闘おう!
(全学連副委員長)
自由なサークル活動守る
東北大学学生自治会 平良一
東北大当局は昨年の12月27日、サークル員を集めて「説明会」を開き、サークル新棟(部室)の耐震・改修工事を行うことを一方的に通達しました。当局の狙いは、工事を口実にしてサークル員を部室からたたき出し、東北大生が歴史的にかちとってきたサークル活動の権利を破壊することです。
これは学生同士のつながりを奪って抵抗力を解体し、学生管理を強めて「学生の商品化」「学問の商業化」へとつながる政策です。安倍政権の改憲・戦争体制構築の一環です。絶対に許せません。
サークル新棟は、多くのサークルが時間制限もなく24時間365日使用しています。これは、東北大学当局が保障したものではありません。1965年のキャンパス移転に伴う部室はく奪から、30年にわたる粘り強い闘いでかちとってきたものです。
決定的だったのは、大学当局の分断攻撃に対して、全サークル員が一歩も譲らなかったことです。当局は文部省(当時)方針のもとで、〝サークル新棟の建設と引き換えに今あるすべての古い部室を取り壊す〟〝大部屋共用方式(一つの部室を複数サークルで使用すること)〟をサークル新棟建設の「条件」にしていました。しかし、東北大生は「1サークル1部室、自主管理・自主運営の恒久サークル棟実現!」という全サークル員の共通した思いを原則に掲げ、8回の団体交渉に延べ数千人にもなる学生が決起してサークル新棟をかちとりました。
以降、当局はさまざまな攻撃を行ってきましたが、サークル員が団結してサークル活動の自由を守り抜いてきました。闘いはこれからです。自由なサークル活動を守り抜きましょう! 団結すれば状況を変えることはできます。学生の力を取り戻し、戦争政治をとめましょう!
自分たちの未来取り戻せ
広島大学学生自治会委員長 森田寛隆
春、未来を思う季節ですね。いろんな人が未来を語ります。しかし明るい未来とは限らない。将来の不安も激しいと思います。
昨年の生活意識調査で、高校生の過半数が将来について不安、9割が「大人は疲れている」と答えたそうです。週刊東洋経済という雑誌には「就活は大学1年生から」という記事まである。未来が明るいものではなく、疲労感がある不安なものと捉えられています。
大学や就活業者は「だから能力をつけろ」なんて言ってくる。ひと昔前は「勝ち組になれ」、今は「人工知能に負けるな」です。競争をあおって、人を安く使って利益を得る連中がいる。学生の未来を売り払って利益を上げて自分だけは生き残ろうとする、そういう連中を絶対に許すことはできない、私はそう思って学生運動をやっています。
大学は「そういう連中」の典型となりました。大学は「学生の未来」を語ります。しかし、奨学金破産が5年間で1万5千人などとおぞましい状態になっても、学費を下げない。その一方で、広大では「稼げそうだから」と新学部設置が突如行われました。加えて、非正規教職員を無期雇用にしないだけでなく、准教授を一律に非正規として扱うなど、教職員の未来さえ奪っています。
安倍政権は、改憲の中身の一つに「学費無償化」をうち出しました。しかし、茂木敏充・人づくり革命担当相が「(無償化は)産業界に都合がよい大学に限定」と言ったように、結局は学生の未来を食いつぶしたいだけでした!
改憲の目的は9条解体=戦争です。戦争で未来を奪い尽くすことが、今の資本主義社会の回答です。トランプ政権が核体制見直しで核攻撃を準備する中、「平和」を掲げる広大は昨年、反戦・反核8・6ヒロシマ大行動を「大学の名を辱める行為」と言いなしました。「平和」さえ売り物だと公言したわけです。
「誰の未来か?」「われわれの未来だ!」。 これはアメリカの学生たちが教育無償化を訴えた時のコールです。自分たちの未来を自分たちで取り戻そう!
(全学連副委員長)