改憲・戦争と闘ってきた70年 学生自治会―その意義と歴史

週刊『前進』02頁(2928号01面03)(2018/03/29)


改憲・戦争と闘ってきた70年
 学生自治会―その意義と歴史

(写真 全学連は2016年11月、ソウルに赴きパククネ打倒へ総決起する韓国の労働者・学生と固く連帯して闘った)

大戦への反省が学生自治の原点

 全学連(全日本学生自治会総連合)は、1948年に設立された全国の学生自治会の連合体です。現在の「新自由主義」という「すべてが金もうけ」の原理のもとで、2004年に国立大学が法人化され、大学で学生は企業に提供する「商品」に、教育・大学は企業の投資先へとおとしめられています。私たちは、人類発展に貢献する真の学問を取り戻すため、学生を「商品」から、誇りある次世代の担い手として再確立するために、日々キャンパスで闘っています。
 そもそも学生自治会とは、第2次世界大戦敗戦直後、大学が戦争に加担したことへの真剣な反省のもとに全国の大学で成立しました。戦争中、例えば東京大学は軍事研究専門の学部を設立し、京都大学は原爆開発や、731部隊(陸軍の細菌戦研究部隊。中国人捕虜を人体実験に使い、多くの人びとを虐殺した)などのかたちで戦争に協力しました。また、学徒出陣で多くの学生を戦場に送りました。人類全体の幸福・発展に貢献しなければならない学問が、人殺し・戦争を推進した——この反省こそ学生自治会や全学連の結成の原点にあります。

学生が団結して闘う組織が必要

 学問が人類の発展のために使われるためには、学問が自由に研究され、その成果が人類全体に公開されなければなりません。そのためには学問は、権力者に予算で生殺与奪を握られている研究者・大学職員によってだけでなく、これらから自由な立場にある「学生」が闘うことが必要です。もっとも、学生一人ひとりは非常に弱い力しか持っていません。それぞれ弱い立場にある学生が社会的に通用する力を持つためには、ある大学・学部に所属する学生全員が団結する「学生自治会」という組織が必要になります。だからこそ学生自治会、その連合体である全学連は、学問と戦争との関係、そして学生間の団結を一番大切にするのです。
 学生自治会の原点である戦争への反省は、現代にこそ重要な意味を持ちます。今の戦争あるいは「経済戦争」を規定するものは、最先端の科学技術です。日本の権力者や企業は、大学を「経済戦争」に勝つための技術開発の場、あるいは軍事技術開発の場にしようとしています。経済産業省は01年、大学での研究を、次世代社会の担い手の育成や人類全体の幸福のためでなく、一部の企業の金もうけ、そして日本の国際競争力強化のために利用するべきだと公言しました。

大学を金もうけと戦争に使うな

 しかし、大学が本来するべきことは企業の金もうけではなく、人類全体の発展のための学問であり、国際競争に勝つ方法ではなく、各国が平等・平和に発展できる経済体制はいかなるものか研究することです。15年には軍事研究推進政策(17年度の予算は110億円)が政府によって始められました。一方では大学予算を削減し学生を貧困に追い込みながら、他方で金で釣って軍事研究をさせようとしています。朝鮮半島で戦争が急切迫する中で、政府は改憲で法的に戦争に対応しようとするとともに、大学を軍事技術開発の場としようとしています。つまり、政府は本格的に、大学を戦争の屋台骨とし、憲法9条も変え、没落する日本資本主義の活路を戦争に見出そうとしているのです。
 以上が学生自治会であり全学連が、戦争に反対し革命を訴える理由です。もちろん、日々の学生生活の向上は重要です。しかし、学生自治会はそれにとどまってはいけません。再びの大学の戦争協力や学生が戦場に送られることを阻止し、企業に提供する「商品」に歪小(わいしょう)化された学生を誇りある主体として再確立し、そして教育研究を人類全体に奉仕するものとするためには、社会のあり方を根底的に変えなければいけないのです。
 全国の学生のみなさんも、今の大学や教育には何らかの不満を持っているはずです。真の敵は、学生に対応する大学職員ではありません。資本主義という、戦争でしか延命できない、大学や教育を金もうけの道具とする今の経済体制です。大学・学問の復権のため、全学連とともに闘いましょう。
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