坂手洋二作・演出 「ブラインド・タッチ」 星野文昭さんと暁子さんがモデル 『獄壁こえた愛と革命』の完結編

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週刊『前進』04頁(2927号04面02)(2018/03/26)


坂手洋二作・演出 「ブラインド・タッチ」
 星野文昭さんと暁子さんがモデル
 『獄壁こえた愛と革命』の完結編


 坂手洋二作・演出「ブラインド・タッチ」を見た。いまだに興奮が冷めない。この公演の成功そのものが星野文昭同志の解放を実現する最高の闘いである。
 公演のリーフやブログでも、坂手さんは「今も獄中にある星野文昭さんは、明らかに冤罪である」「文昭さんの一刻も早い解放を願っている」「こんな企画は、ほんらい、奇跡を起こすためにしか、存在し得ない」と書いている。
 星野文昭同志と暁子さんへのこれ以上の激励はない。坂手さん、役者である高橋和也さん、都築香弥子さんに、心から感謝の気持ちを伝えたい。汗だくになって走る高橋さんは、星野文昭同志そのものになって満員の客席と一体になった。そして、物語の中軸となる星野暁子さんの壮絶な闘いを体現する都築さんの熱演は、みごとだ。ラストでは涙がこみあげてきた。
    ☆
 1971年の沖縄返還協定批准阻止・渋谷闘争での殺人罪でっち上げ弾圧で28年間投獄され、救援運動の力で解放されたミュージシャンの「男」と、獄中結婚して男を支え共に闘ってきた革命党派の活動家の「女」の、作者言うところの「思想的メロドラマ」である。男が出獄を勝ちとるまでではなく、男が出獄したところから展開していく。文昭さんと暁子さんの『獄壁こえた愛と革命』(星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議・発行)の完結編とも言える。
 2002年に劇団「円」が上演した時、私は出獄して1年半経っていたが、岸田今日子と塩見三省が激しく衝突する演技を連れ合いと一緒に見て、引き込まれながら生々しく何とも言えない気分で見た。16年経って今回は、出獄後のこれまでの時間とぴったりと重なることに驚きながら見た。
    ☆
 坂手さんは、1983年、学生時代に劇団・燐光群を立ち上げた。国鉄分割・民営化と成田空港の二期工事をめぐる激突から90年天皇決戦に至る、80年代の大激動に向き合いながら、演劇人としての歩みを始めた。天皇の戦争責任を問い、イラク戦争に反対し、沖縄の辺野古・高江の闘いを描き、搾取・抑圧、差別・分断など新自由主義の社会問題を取り上げた作品を数多く手がけてきた。
 中核派革命軍による自民党本部炎上ゲリラ戦闘(84年9月)でのでっち上げ弾圧を題材にした「危険な話」も作っている。それが燐光群によって上演された翌年、藤井高弘同志は無罪判決を勝ちとったのだ。
 今回の公演も必ず、ものすごい結果をもたらすと信じている。4月1日まで下北沢ザ・スズナリで上演されている。即時解放を求める「要望書」を全力で集め6・3高松へ! 今こそ文昭さんを取り戻そう。
(鎌田雅志)

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下北沢 ザ・スズナリで4月1日(日)まで上演
 一般席 4,500円、ペア席8,000円、学生席3,000円(要学生証)、当日券4,800円
 オフィス・ミヤモト
 Mail yoshimi@officemiyamoto.co.jp
 Tel. 03―3312―3526

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