朝鮮核戦争とめよう 南北・米朝会談は危機回避しない パククネに続き安倍打倒を

週刊『前進』04頁(2927号04面01)(2018/03/26)


朝鮮核戦争とめよう
 南北・米朝会談は危機回避しない
 パククネに続き安倍打倒を

(写真 「サード配備のための行為はすべて中断を!」ソンジュで行われた記者会見【3月14日】)

 電撃的に発表された南北首脳会談・米朝首脳会談開催は、パククネ政権を倒した「ろうそく革命」を実現した韓国労働者の闘いとその到達地平の大きさを示すものです。しかし、朝鮮半島における核戦争の危機はむしろ激化しています。今こそ韓国労働者の闘いに続くときです。最悪の戦争放火者である安倍を、労働者の団結した力で倒しましょう。

武力行使あくまで狙う米

 3月6日、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が4月末に南北首脳会談を行うことが発表されました。さらに8日には米トランプ大統領が、5月末までに初の米朝首脳会談を開催すると明らかにしました。
 しかし、これらの動きは決して、朝鮮半島における戦争の回避を意味するものではありません。トランプはあくまで北朝鮮への軍事力行使を視野に入れて動いています。
 また、米朝会談開催発表の直後にトランプはティラーソン国務長官を解任し、北朝鮮への戦争発動に最も積極的だったCIA(中央情報局)長官ポンペオを後任にすえました。平昌(ピョンチャン)オリンピックを理由に延期されてきた米韓合同軍事演習も、4月1日から例年どおりの規模で行われることが決まっています。
 そもそも、「朝鮮半島の非核化」を強調するトランプは一方で、2月2日に発表した「核戦略の見直し」(NPR)で、先制攻撃にも核兵器を使用すると明記し、北朝鮮への攻撃を想定した新型核兵器の開発も打ち出しました。すでに北朝鮮では、この間の圧力=経済制裁によって多くの人々の命が脅かされています。その上、核による大量殺戮(さつりく)も辞さないということです。絶対に許すことができません。

ろうそく革命の継続発展

 現在の情勢を根幹において規定しているのは、前大統領パククネを弾劾し監獄にたたきこんだ韓国の労働者民衆の闘いです。
 「これが国か⁉」——この怒りと問いこそ、2016〜17年の「ろうそく革命」の出発点でした。労働者を弾圧して青年・学生の未来を奪う一方で、財閥と癒着して巨額のカネを手にしてきた政権の腐敗に怒った人々が続々と街頭に飛び出し、この行動は延べ1700万人の巨大な闘いに発展しました。その先頭で労働組合のナショナルセンターである民主労総はゼネラルストライキに立ち上がり、鉄道労組は74日間のストライキを決行しました。
 この闘いは政権交代を実現しただけではなく、腐った国のあり方を根底から変える「積弊清算」を掲げて現在も続けられています。
 その一環として、慶尚北道・ソンジュ(星州)でサード(THAAD、高高度迎撃ミサイルシステム)の配備強行に反対して闘ってきた住民たちは、「今やサード配備の唯一の口実が消滅した」として配備撤回を訴えています。在韓米軍の撤収を求める声も広がっています。ろうそく革命を引き継いで、朝鮮半島からすべての核と基地をなくし、南北分断体制に終止符を打つまでやむことのない新たな闘いが力強く始まりました。

最悪の戦争放火者は安倍

 この米朝首脳会談開催は、完全に日本の頭越しに決められました。誰よりも声高に「北朝鮮の脅威」を叫び、改憲と戦争国家化をあおり立ててきた安倍の戦争外交の破産がはっきりと突き出されたのです。
 朝鮮半島―東アジアを核戦争の戦場にするな! 今こそ、戦争は絶対に繰り返させないという決意を闘いの原点としてきた日本労働者階級の力を解き放つときです。職場で、国会前に駆けつけて、体を張って憲法改悪を阻止しましょう。
 とりわけ、戦争教育推進のための森友学園をめぐって明らかとなった文書改ざん=政府総ぐるみの腐敗は、この国の本質をはっきりと示しています。これ以上1秒たりとも、このような連中に私たちの未来を委ねることはできません。いま求められているのは「この国を守る」ことでも「民主主義を取り戻す」ことでもなく、この国を根本から変革する革命です。
 日々働いて社会を動かす私たち労働者が労働組合のもとに団結して立ち上がったとき、未来は変えることができます。国境を越えた労働者の連帯とストライキで安倍政権を倒し、朝鮮侵略戦争を阻止しましょう!
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