請求異議裁判 早期結審攻撃と対決 千葉地裁に怒りのデモ

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週刊『前進』04頁(2925号03面03)(2018/03/19)


請求異議裁判
 早期結審攻撃と対決
 千葉地裁に怒りのデモ

(写真 署名提出へ向かう反対同盟 )

 3月8日、千葉地裁民事第5部(高瀬順久裁判長)で請求異議裁判が開かれ、反対同盟と顧問弁護団、支援の労農学市民120人は全力で闘い抜いた。
 午前9時、降りしきる雨の中、千葉市中央公園で決起集会が太郎良陽一さんの司会で開かれた。
 最初に東峰の萩原富夫さんが発言に立ち、空港機能強化案と「4者協議会」開催策動を鋭く弾劾した。
 続いて動労千葉の田中康宏委員長がJR東労組の崩壊状況を明らかにし、国鉄労働運動の前進をかけて3・25改憲阻止集会と4・1に結集しようと訴えた。
 さらに関西実行委、「市東さんの農地取り上げに反対する会」の発言を受け、デモに出発した。悪天候をはねのけ、千葉地裁に迫るデモを貫徹した。
 続いて反対同盟は、全国から寄せられた農地取り上げ強制執行に反対する署名2944筆(通算1万3643筆)を、地裁民事第5部に提出した。
 2月から実施されている裁判所入庁者への所持品検査がこの日も強行され、怒りの抗議がやまない中で10時30分に開廷した。
 被告NAAはこの日までに、「判決が確定したから強制執行は当然。権利濫用(らんよう)や信義則違反には当たらない」とする準備書面を提出した。農地法裁判一審の極悪の多見谷判決だけを頼みの綱とする暴論だ!
 弁護団はこれに徹底的に反論をたたきつけた。1993年に空港公団(NAAの前身)は、「強制的手段を用いない」ことを公的に承認し、収用裁決申請を取り下げた。それは当然、民事訴訟での強制執行による用地取得の放棄も意味する。そして多見谷判決は確かに極悪でずさんだが、判決確定後の強制執行にまでは言及していない。
 農地強奪の強制執行が行われれば、市東さんの全生活が破壊される。71年強制代執行の流血の事態を繰り返すのか! ならば原告と反対同盟は実力闘争で反撃し粉砕するのみだ!
 この気迫に満ちた弁論に大きな拍手が起こった。
 ここで裁判長は早期結審の意図を隠そうともせず、今後2回の期日で計4人の人証調べを行い、あとは弁論を1期日だけ入れるというスケジュールを示した。
 弁護団は、憲法や経済学の学者・専門家の証人尋問を行うよう強く要求したが、裁判長はこれをはねつけた。この国家意志むき出しの打ち切り策動に、強い抗議の声が殺到した。
 次回5月24日に大木よねさんへの強制代執行(71年)の暴力性と不正義などを明らかにする2人の証人尋問を、次々回6月28日に萩原さん、市東さんの尋問を行うと確認し閉廷した。
 千葉県弁護士会館で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。最初に市東さんがあいさつし、さらなる傍聴・支援を訴えた。
 続いて葉山岳夫弁護士が発言し、「市東さん、萩原さんの尋問だけで打ち切ろうとした裁判所を押し返した。だが7月最終口頭弁論で結審しようとしている。4・1大結集で反撃し打ち砕こう」と訴えた。さらに弁護団全員が結審策動への怒りを表した。動労水戸副委員長の辻川慎一さん、福島の椎名千恵子さん、全国農民会議共同代表の小川浩さんが連帯発言を行った。
 最後に婦人行動隊の木内敦子さんが、4・1全国集会への参加を熱く訴えた。
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