JRの全面分社化粉砕へ 動労総連合に結集し闘おう
週刊『前進』04頁(2925号02面02)(2018/03/19)
JRの全面分社化粉砕へ
動労総連合に結集し闘おう
東労組解体と共に大合理化提案
JR東日本は東労組に「労使共同宣言」の失効=破棄を通告し、東労組は大崩壊しています。これは第3の分割・民営化攻撃の本格的な始まりです。全面的な分社化を狙う資本にとって、カクマルが執行部を握るファシスト的な御用組合さえ邪魔になったのです。今こそ労働運動と労働組合の真価が問われます。
JR東日本はローカル線と地域を丸ごと切り捨てる3月17日のダイヤ改定に続き、合理化策を次々と提案しています。これは鉄道業務をJR本体から切り離し、青年を始めとする労働者に転籍と総非正規職化を強制し、運転保安を根本から破壊するものです。
JRとJR関連会社の全労働者は、今こそ朽ち果てた東労組と決別し、並み居る御用労組をぶっ飛ばし、動労総連合と共に分社化阻止の闘いに立ちましょう。
全エリアで駅の丸ごと分社化へ
提案されている合理化策の一つは、JRの子会社で駅業務を請け負うJR東日本ステーションサービス(JESS)で、4月1日に新たな人事・賃金制度を導入するというものです。その目的は「新規受託駅の増加および事業エリアの拡大」に伴い、「自主自立の精神で考動できる人材への育成」を図り、「業務品質のさらなる向上を実現する」こととされています。JR東日本の全エリアで、駅を丸ごと分社化する攻撃が一気に始まったのです。
昨年JRは、非正規職駅員でJRが雇用するグリーンスタッフの採用を停止しました。それは駅の全面分社化に向けた布石でした。
新人事賃金制度でJESSに導入される「職務職階制度」は、労働者を徹底的に分断するものです。
駅業務が丸ごと分社化されれば、「駅員→車掌→運転士」という登用ルートも断たれます。次に来るのは運転士や車掌の分社化です。東労組解体の最大の目的はここにあったのです。
ローカル線では保線も手抜き
JR東日本は「保線部門におけるメンテナンス体制の最適化」と称する合理化を7月1日に実施するとしています。「設備メンテナンス部門における従事員の確保もさらに厳しくなる」ことを口実に、「最新技術を用いた新たなメンテナンス手法の導入及び閑散線区における保守業務と組織体制の見直し」をするというのです。「線路設備モニタリング装置」を活用し、徒歩による線路巡回の周期を延伸すること、線路工事後の仕上がり状態の検査を一部省略することなどが具体策として出されています。JR東日本は2001年、「設備メンテナンスの再構築」という大合理化を強行し、設備部門の業務の大半を外注化しました。その結果、JR東日本が発足した1987年に1万6300人いた設備部門の社員は02年に7030人に激減、現在では6300人に減らされています。
保線区は縮小・解体されて小規模の「保線技術センター」に統合され、下請け・孫請け会社がレール交換や道床突き固めなどの実際の作業を行う体制がつくられました。他方、JRに残った保線技術センターは慢性的な欠員状態で、線路巡回すらままなりません。
下請け会社に委託された検査業務は年間1万件を超え、レール交換などの「線路閉鎖工事」は首都圏だけで年間4万件を数えます。いくら「モニタリング装置を活用」しても、結局は徒歩による線路巡回が不可欠です。「検査周期の延伸」など、絶対に許せません。
下請け・孫請けの非正規職労働者は、1カ月の労働時間が1日の基準労働時間の50日分にもなる劣悪な労働条件を強いられています。20歳代の青年労働者の9割が1年以内に離職します。この現実を根本から覆すことが必要です。
さらに今回の保線合理化提案は、「年間通過トン数が5百万㌧未満で鉄道距離1㌔あたりの1日の乗客が4千人以下の線区」を勝手に「閑散線区」と呼び、そこでは今までJRが行っていた線路巡回などの検査業務も外注化するとしています。修繕の要否の判断も、外注先に丸投げするというのです。
JR東日本はすでに東北沿岸を始めとする23線区の廃線に向けて、ワンマン化などを次々と強行しています。ローカル線の列車を切るだけでなく、その線路保守業務を削り、安全を大崩壊させているのです。
安倍の戦争・改憲と誇りかけ闘う
JRの分社化攻撃は、安倍政権の「働き方改革」の最先端に位置します。安倍は森友疑獄でぐらぐらになりながらも、2020年新憲法施行に突き進もうとしています。3・11福島原発事故をなかったことにし、2020年東京オリンピックまでに常磐線を全線開通させようとしています。私たちは31年前、中曽根政権による攻撃を一身に受けながら、1047名解雇撤回闘争を軸に国鉄分割・民営化と闘いぬいてきました。そして今、安倍政権の戦争と改憲の攻撃に対し、「鉄道労働者の誇りと魂」をかけて真っ向から立ち向かっています。労働組合を私たちの手に取り戻し、闘う労働組合をよみがえらせましょう。
(動労東京委員長・吉野元久)