小池を倒し豊洲移転阻止を 労働者の怒りが上山を打倒
週刊『前進』02頁(2924号02面03)(2018/03/15)
小池を倒し豊洲移転阻止を
労働者の怒りが上山を打倒
(写真 地元の労働者とともに豊洲移転反対を訴えた2・15築地デモ)
都政改革本部顧問が3月末で廃止に
3月9日、小池は上山信一慶応大教授ら都政改革本部の特別顧問を3月末で廃止すると発表した。都政改革本部は小池都政の根幹として、築地中央卸売市場の豊洲移転を皮切りに東京都丸ごと民営化と都労連破壊を進めようとした。しかし、労働者人民の怒りが都政改革本部自体に集中し、上山が打倒された。小池自身が打倒寸前にまで追いつめられているのだ。上山、そして小池打倒の情勢を切り開いたのは都の労働者の怒りと闘いだ。とりわけ、小池が業界幹部との密談で「10月11日移転」を「決定」し、築地を更地化しオリンピックの駐車場にしようとする攻撃に仲卸など市場で働く労働者の憤激が広がっている。
都労連労働者が小池打倒の闘いの先頭に立つならば、豊洲移転も東京都丸ごと民営化もすべて吹き飛ばせる。
豊洲の土壌汚染は絶対に解決不可能
そもそも豊洲市場用地は土壌汚染対策法上今なお違法な区域だ。築地の仲卸から、〝豊洲のビルは地震で倒壊し、有毒ガスが地中から噴き出す。このままでは殺される!〟と怒りの声が上がっている。追加対策工事は何の意味もない。豊洲の地下水管理システムの機能強化工事をしても地下水位は下がらない(週刊ダイヤモンドオンライン2・21付)。地下水は地中で対流しているため、汚染物質は土壌の隙間から上昇し、いずれ地下水とともに地表に漏れ出る。そもそも目標管理水域の設定自体が、大地震が起きても液状化(地質内部が流動化し地表に噴出する現象)が起きないことを前提とする空論だ。実際、11年3・11東日本大震災で豊洲市場用地で大規模な液状化と噴砂、地割れが発生した。
気化した有毒物質をふさぐと言っていた地下ピットのコンクリートにはカッター目地(深さ数㌢の溝)が入っている。最初からコンクリートが割れることが前提であり、その目地自体が割れて有毒物質が噴き出すことになる。
小池―上山は移転後の豊洲市場の赤字による中央卸売市場会計の破綻を口実に、都の全11中央卸売市場を民営化する意図をむきだしにしてきた。そして東京都丸ごと民営化に突き進もうとしている。大阪市で上山が市労連・大交幹部を屈服させて強行した市営交通民営化を、今度は都営交通で東京交通労組の破壊を狙ってやろうとしている。
また、都立の8病院すべての地方独立行政法人化攻撃を本格的に開始した。7千人の職員全員を解雇し公務員でなくし、外注化と非正規職化、労働条件大改悪を一気に進め、命と医療を破壊する攻撃だ。都労連の民営化絶対反対の決起がすべての怒りを結集させ、小池を打倒する最大の力だ。
公設市場廃止狙う卸売市場法の改悪
小池は公的な中央卸売市場の絶滅・民営化に突進している。崩壊的危機にあえぐ安倍政権の先兵そのものだ。安倍政権は3月6日に卸売市場法改悪案を閣議決定し、通常国会での成立を狙っている。現行法の廃止に等しい超重大攻撃だ。現行で83条ある条文は19条にまで削除されている。決定的な問題は「中央卸売市場」が公設市場でなくなることだ。民間資本が中央卸売市場を名乗り、開設・運営することが可能になる。卸売業者や仲卸に関する規定が丸々削除されている。「せり・入札取引」「市場外にある物品の取引の禁止」など生産者を保護し、品質や安全を守り、経営規模を問わず公正な取引を可能としてきた規制が根こそぎ撤廃される。
つまり「中央卸売市場」の名称こそ同じでも、公共の市場ではない。卸も仲卸も存在する余地はなく、アマゾンやイオンなどの大資本が独占支配する物流拠点になる。市場労働者は廃業か解雇、生き残り競争に勝てない生産者や小売店は絶滅するという攻撃だ。小池はその未来図を明言している。築地で働く労働者と、都の労働者・労働組合の団結で豊洲移転絶対反対、民営化阻止の新たな闘いにうって出よう。