反対同盟が芝山町縦断デモ 空港機能強化案の白紙撤回訴え
週刊『前進』04頁(2923号01面02)(2018/03/12)
反対同盟が芝山町縦断デモ
空港機能強化案の白紙撤回訴え
(写真 「第3滑走路、騒音拡大許すな」のコールが芝山町にとどろいた【3月4日】)
成田空港機能強化案への周辺住民の反対の声が高まる中、3月4日、三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける芝山町縦断デモが行われた。労働者、農民、学生、市民110人が参加した。
正午過ぎ、芝山町朝倉の野戦病院前に集合。反対同盟の伊藤信晴さんが発言し、3月2日に横芝光町で「町議会全員協議会」が開かれ、佐藤晴彦町長が空港機能強化の見直し案の受け入れの「結論先送り」を表明したことを報告した。
続いて萩原富夫さんが状況説明を行った。「相川勝重芝山町長や小泉一成成田市長は以前から24時間空港化や新滑走路建設を要求していた。しかし今、横芝光町では住民の激しい反対で強化案の合意ができない。この状況で国交省、NAA(成田空港会社)、千葉県、関係市町が4者協議会で強化案を決めるなど絶対に許さない。A滑走路では東京五輪を口実にして、先行的に夜間飛行制限時間を縮小し、朝の5時から深夜0時30分まで飛ばそうとしている。今日のデモで住民に決起を呼びかけよう」
次に横芝光町に住む動労千葉の渡辺靖正執行委員が発言。「3月1日の住民説明会で、国交省、NAAらは住民を無視して年間50万回の発着を目指すと発言した。『スライド制を使い、滑走路ごとに見れば7時間の静穏時間を確保した』などと言っていたが、実際には空港全体で飛ばない時間は1日のうちわずか4時間半。谷間地域では19時間半も騒音にさらされる。住民からは次々と反対意見が出て、町長の先送り表明となった。これからも横芝光町で反対を貫きます」
意気高くシュプレヒコールを上げ、反対同盟を先頭にデモに出発。婦人行動隊の宮本麻子さんは、宣伝カーから「第3滑走路阻止、空港機能強化案白紙撤回」「市東さんの農地を守ろう」と大音量で訴えた。
山あいの起伏に富んだ道を抜け、県道62号線へ出て強い日差しと強風の中を進む。山田交差点を左折するとようやく人家、畑、商店、看板などが現れた。デモ隊はコールに交えて「反対同盟の歌」を流し、古里を守ることを訴えた。対向車線を車が通る以外は人通りはほとんどない。騒音被害などの影響で人口が減少していることが実感される。そんな中でも、渡されたビラを農作業の手を休めて読む人、窓から手を振って応える人など沿道住民との交流が実現した。
約2時間をかけて全員が5・4㌔の長いデモを貫徹し、芝山町役場前に到着した。そこに役場や町議会関係者の姿はなく、大量動員された警察官ばかりが目立っている。元反対同盟員でありながら、今や突出した空港推進派町長として強化案を受け入れ、反対同盟に集会を開かせない(会場貸し出し拒否)までに転落した相川町長。彼は怒りのデモが自分の足元に及んだことに戦々恐々としているに違いない。
最後に市東孝雄さんが「ホップ・ステップ・ジャンプと今日から3・8請求異議裁判、4・1全国集会の闘いへと進みましょう!」と呼びかけ、伊藤さんのリードでシュプレヒコールを行い締めくくった。